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第74話・プラスサイズのバレリーナもアリ!

下記は紹介しているインスタグラムです。(リジーさんご本人のモノ)


https://www.instagram.com/lizzy.dances/


 プラスサイズとは、肥っている人を優しく言い換えたポジティブな表現のことです。海外はわりと肥っている人には寛容に思います。ブタなど罵倒の言葉よりも、「プラスサイズ」 という表現法は実にいいですね。わかりやすいし、誰も傷つかない。サイズがプラスなのは事実だからね。

 今回は話題のバレリーナさん。といっても厳密には表題だけで、まだプロではありません。お名前はリジー・ホーウェルさん(Lizzy Howellさん)。検索すると画像や動画が出てきます。

 平成二十九年現在で十五歳。若い。バレエ歴十年。つまりバレエは五才から初めて十年目。別に彼女はコンクールで賞を取ったわけではありません。でも画像の通りプラスサイズの身体でバレエを上手に踊れるということで話題です。プロではないけれど、バレリーナという表題で動画が人気です。もし彼女の体型が普通サイズであれば、こんなに話題にはなっていないでしょう。

 マイノリティに寛容なアメリカならではの話題です。失礼ながらちょっと病的な肥り方だなと思っていたが、やはり脳外科分野の持病ありでした。しかし見た目のこんなに太っていて踊れるのか、という懸念と、病気でも踊れるのかという心配を吹き飛ばすぐらいしっかりと踊れるお嬢さんです。

 一曲通しての動画はないので、これでバレリーナはやや言い過ぎでしょう。人目を引くための誇張ですね。より上手に見えるべく、ベストな動画をアップしている感じもします。話題のきっかけとなった動画中のフェッテも安定していますし、ジャンプも画像で見る限りは高い。ほっそりとした他のお嬢さんと一緒に踊っていても違和感がない。

 違和感を感じさせず踊れるのは基本ができて体幹にブレがないから。衣装の生地も通常サイズの二倍は確実に消耗しているはずだが、関係ないですね。軸がきちんとしているのでフェッテも踊れています。 

 リジーさん本人はまわりからバレエをするならば、もっとやせるようにと言われるの、と言いつつ痩せる気はまったくないようです。これが私なの、という信念は見上げたものです。指導している先生の功績も大きいでしょう。家庭でも彼女の個性を容認しているからこそ、こういうしっかりしたお嬢さんがメディアに出てくるのです。。

 確かに楽しく踊れればそれに越したことはないよね、とも思います。ただ今は「若いから」「それだけ肥っているのに踊れる」 と注目されるのはアリです。バレエを踊る人間はやせているべきという概念を打破してくれるので、私は歓迎です。だが肥りすぎによる足の故障は、統計的に起こりやすいのは事実。この体型のおかげで有名になれた! とは思わず医師の指導の下でずっとバレエを続けてほしいなあと思います。


 私はマイノリティの人には寛容です。バレエはやせている人のものではありません。私もビジュアルでは、プラスサイズです。年もとっています。彼女のように自信たっぷりに、インスタグラムに載せて、見て、いいでしょ、キレイでしょと実名を名乗る勇気なんてありません。

 彼女を見て、だいぶ昔にすごく肥った年配の女性のダンサーを舞台で見たことを思い出しました。マスコミにも紹介され、結構話題になったと思います。名前は失念しましたが、四人組でチュチュに身を包んでコミカルに踊っていました。寸胴で、お腹が出ていても、楽しく踊れて観客を楽しませるすべを心得ていた彼女たちはまさしくプロでありました。

 体型と技術と努力のたまものでコールドの端から端まで統制が取れ、かつ練りあがった舞台は、エッジが効いていてまさに芸術。ですが、プラスサイズのクラシックバレエも演出次第で芸術としてアリだと思います。クラシックという伝統を尊重、踏襲しつつも、バレエのすそ野、可能性を広げるのもアリ。それを後世に伝えるのもアリ。かつ今を生きる私たちの役目ではないでしょうか。








関連ページ、リジーさんを紹介している記事

http://people.com/bodies/teen-ballerina-body-diversity-lizzy-howell/

Lizzy Howell の名前検索で画像などたくさん出てきます。わりとよくある名前らしく同姓同名に注意してください。

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