第6話・バレエが上手だから教えが上手とは限らない ☆
バレエを長年していたから教えるのが上手! とは限りません。
たとえば元○○のソリストだった、元どっかのプリマであった…さすがにお手本のポーズは、見とれるほどキレイです。先生、見ている分には今でもバリバリ現役でいけますね、とってもキレイ、ステキです!
でも教えてもらうにはすみません、わかりにくいです。ごめんなさい…という話。
過去どこのバレエ教室に通わせようかとあちこち見学に行った時の話をします。そこでちょっと考えこむことがあったのでそれを書こうと思います。
私がうちのチビコの手をひいて見学にお伺いしたあるお教室の先生は気品がある、気位が高そうにみえた…。それも資質の1つでしょう。
ただバレエ教室の教えをされる場合はどうだろうか。愛想の良さ、人懐こさとは一線ひいておくべきなんだろうか? そのあたりのことはうまく言えないですが、でも小さな少女達に教えをされるなら踊る楽しさというものをまず教えてあげてほしいと思ったのです。
そこはレッスンの場所がよく2面に鏡があり、清潔感がありとてもきれいでした。環境は文句なしに気に入りましたが先生の教え方を見て見学だけで終わったのです。
元プリマの人が教えをしてくれるのが売りではあったのですが、これはちょっと…と思いました。
終始仏頂面だったし、少女たちの手をとって教えをするタイプではなく、まず私の手足の動きを見て覚えなさいという教え方。
少女たちは一生懸命していました。
「ちがう、こうです」
と元プリマの先生。
「よく見てて」
ともう一度短く手足を動かす。さすがに元プロで優雅です。見てる分にはみとれますけど。
それに問題だと思ったのは先生が教えをすることにおもしろくなさそうだと感じたのです。小さい初心者のかわいい少女たちに教えができるなんてなんという幸運な人なんだろうと私は思うのに。
初対面の人にしかも元プリマ様に対してそういう感じ方をする私の感性に問題があるのかもしれません。また失礼なことだとは思います。
だから口にだしていいませんでしたけど、でもそう感じたのは事実だし、もし他の人もそう感じたならば先生にとっても不幸なことだと思います。
小さい子には実際身体にさわって矯正して教えていただけるところがいいなあって思い、見学させていただいたことに御礼いって辞しました。
あとで事情通の人に伺ってみたら「あの人は愛想がないでしょ? あの人に代わってから生徒があきらかに減っているときいている 」
やっぱり元プリマでは売りにはならないのです。
ちなみに見学に行った時は生徒さん4人でした…。