第40話・某所での某国との国際交流 ☆
ある国がある所でバレエ交流をしましょうって言ってきました。子供バレエ同士の交流なのでプロはいません。この企画自体ははじめてのことです。
それはとても良いことです。これだけ聞いてればとっても良いことです。
でも受け入れた日本側ってこれってどうよ? の話なのでここでちょこっと書きます。
……バレエ交流自体はいいけど、訪問側が期日指定で無料ホームステイつきでしかも寄付金付き。つまりあちらの金銭的な負担はほとんどないのです。
あちらの習慣はわかりませんが、受け入れの日本側は普通舞台を準備するなら最低半年は必要でしょう。急遽もちかけられて唯々諾々と受け入れるのもどうよ? とは思うのですがそれは私が全くの部外者だから思うことかもしれません。とにかく受けると言ったからにはまず会場探し。だが催しものは一年以上前から舞台を押えているものです。譲ってくれる団体なんかあるはずがないし、とりあえず平日の夜ですがようやく一か所押えました。宿泊場所の提供は子供たちを舞台に出すことになった親ごさんほか有志、金銭的には教育委員会関連と個人や一般会社の寄付金で賄えました。ちなみに寄付金といっても関係者には強制です。断れません。(つまり親も出す。)我が国はなんて太っ腹な良い国なのでしょう!
舞台に出る子供達はみんなかわいくて罪はなくバレエをしてれば国境なんかないので、わきあいあいとした感じだったそうです。演目も急遽なのでそれぞれ踊れるものを持ち寄り? 踊りました。なので日本とその国と混ざって一緒に踊る演目は一つもありません。あちらが短期間の滞在なので一緒に振り付けレッスンを受けているヒマなんかないでしょう。舞台は不思議なものでこんなので大丈夫かな? と思える出来栄えでも何とかなるものです。照明も道具もなしですがバレエ好きにはそういうのは関係ないので楽しめたようです。子供たちにもよい思い出になったでしょう。あちらの国では平日に学校を休ませてまで来たかいがあったのではないでしょうか。日本の印象もよかったのではないでしょうか。
でもこれが逆に日本側があちらの国にこう言ったらどういう対応をされたでしょうか。これからうちのバレエ教室の子供たちをそちらに団体で旅行に行きます。舞台で踊りますので会場準備もよろしく、宿泊も国際交流ですのでホームステイも用意しておいてくれます? 一か月以内に全部。よろしくね~って。
言いだしっぺがどちらかは知りませんがすごい厚かましいにもほどがあると思います。
その国は金銭的な負担なしで楽しい思い出を作れてよかったでしょうが、私はその話を聞いたときに思わず「アジしめてまたくるよ。他の国もくるかもよ」って言っちゃいました。
私が全くの部外者でお金に細かいところがあるので気にしているのであって、双方ともなにもなかったらそれはそれでよいのです。またタカるより、タカられる方がまだマシという考えもあるから別にどうってことはないのですけど、この場合は子供&芸術&平和的な国際交流ってことで表だって反対もしにくい。私だって当事者側にいたらたぶん反対なんかしないし、むしろ受け入れ側にたって動くことになるので、今回は全くの部外者だったのでここに書けることです。だからどうなのって詰め寄られると言葉に詰まりますが要は交流っていうなら準備期間も重ねてフィフィティフィフィティ、ギブアンドテイクをしたら気分もよかったのに、と思っただけです。
またその話を聞いて東京バレエ団の佐々木忠治氏の本に書かれていたことを思い出したからでもあります。佐々木氏によれば日本のバレエ団が海外公演に行きました! という話は実は旅費や舞台からして全部そのバレエ団が負担していたそうです。その国に呼ばれて行ってバレエをみせたわけではなくて、費用全部こちらが持つから自費公演させてくださいという感じなのです。海外公演ですが自費公演です。まあそのバレエ団の一種の箔付けにはなりますね、確かに。
自費で海外公演をしなかったのは東京バレエ団だけだったとか。東京バレエ団が海外公演にあたり団員達の渡航代やホテル、舞台の費用を当たり前に請求したら「日本のバレエ団なのにお金を要求するのか」 とかえって驚かれたとか……佐々木氏の回顧録とはいえそういう意味では日本の舞台における過去の事実を書く一種の暴露本です。佐々木氏は東京バレエ団の黎明期をひっぱってきた人で海外の舞台をあちこち見てこられています。当時の海外における日本人の態度や扱いを歯がゆく思われた時も多かったでしょう。日本もっとしっかりしてくれという思いも込められていて私は佐々木氏の本は全部名著だと思ってます。
それともう一つ。私はバレエからみではないですが、昔、私が似たようなメにあったことがあるからです。(こっから先は愚痴です。)まだ実家暮らしの時、別に親しくもなかった友人から連絡があり、会いたいと言ってきました。しかも当日。しかも一時間後にくるという。急だし強引なとは思ったのですが、まあ快諾しました。いざ訪問されるとその友人は私は顔だけは知ってるが特に親しくもない友人たちもつれていました。何のことはありません。うちの近くでイベントがあり、その後の用事をこなすための時間稼ぎで私の家を訪問しただけだったのです。休憩所扱いならそれならそうと言ってほしい。他の人も来ると言ってほしい。喫茶店などがあるのにどうしてこうなったのか。こっちはそんなことは知りませんので急遽部屋の掃除もし、ジュースやお菓子を用意していましたのに……。
しかも手土産もなしに彼女たちはこの家に住んでいる私を無視して私の知らない話で盛り上がっている。(というよりその友人に私がなめられていたのだろうな。言っておきますが私は手土産がほしかったのではありません。)
もちろん以後のつきあいは一切お断りしましたが忘れていた話なのに瞬時に当時の嫌な感情を思い出してしまってとても不愉快になったのです。一見全然つながりのない話ですのに、我ながら執念深いとは思いますが。
改めまして無名のアマチュアレッスンオンリーババアバレリーナ(略してALOBB)の私からも一言。……このたびは某国以外の日本人関係者様お疲れさまでした。舞台は大成功で本当におめでとうございます。第一回とは名打ってないですがまた突発的にバレエで国際交流に来ると思いますがまたやりますか……今回はとことんお人よしだったと思うよ……。




