第31話・自分が一番キレイだと思って踊りなさい
へたくそバレエの私でも心がけている言葉があります。
あなた普段そんなだいそれたこと考えて踊ってんのか?
やっぱりあんたって、オバカさんですか?
と私のへたれバレエを知っている人からは思いっきり軽蔑されたり、怒られそうなので黙ってここで書いていきます。
踊っている最中はいつでも自信がなく心折れそうな時の方が多いのですが、他の人もきっとそういうときもあるでしょう。
何かの励みにしてください。バカヤロって言われるだけかもしれませんけど…。
1、自分が一番キレイだと思って踊りなさい。
2、自分が一番上手だと思って踊りなさい。
3、とにかく自信をもって踊りなさい。
4、私を見ないとソンよ、と観客に心の中で話しかけながら踊りなさい。
5、目立たない場所にいても自分にだけスポットライトが当たっていると思って堂々と踊りなさい。
6、どの場所でもどの位置、どのポーズでも見ている人はいるものです。気を抜いて踊ってはいけません。あなたはいつでも注目される人なのです。
7、いつでも自分でベストを尽くして踊るのです。明日はもっと上手なれるでしょう。今日は今日で一番のベストを尽くして踊るのです。
8、もっと上手な人がいてもそれはどうせ参考程度に存在しているのです。舞台の端役であっても本当の主人公はあなた自身なのです。
9、自分の一番のファンは自分だと思いなさい。
要は自分を大事にしなさい、ということですね。
無理だな、と思うことも多いです。
バレエはプロでも自信をもって踊りきれる人の方が少ないのではないかな? 反省しながら先を見てとにかくレッスンするしか前へすすめないものですし。
冒頭の自分が一番! というのは昔やっていたフラメンコの先生の先生、大先生(スペイン人女性)から直接伺いました。彼女はとても肥っていたのですが、踊り方がパワフルだったのです。フラメンコは日本人では細い人が多いですが、あちらでプロ張るなら肥っていて年をとっていてかつセクシーな方が上手に見えます。体型的にはバストが大きいので揺れて若い人が踊るより迫力が出ますし、情感こめて踊る時の表情がひきこまれそうになります。美しいとかではなく、情感、という意味で。(フラメンコは観光客向けににこやか~に踊るお祭りのセビジャーナスシーンが多いですが哀しい感情を踊ることもまた多いのです。あちらの歴史をかじった人ならわかると思います。日本は平和でいいな、と思います。このあたり日本人には踊りきるのは難しいと思います。その国あたりで育った本場の人でないと…話が脱線してしまいましたね。)
彼女もまた踊った後は私の踊りってどお? 私ってすごいでしょっ! と舞台から観客を睥睨する上から目線。なるほどあの目線、あの笑顔はそういう意味かあ…、あれって私ってすごいでしょっの自画自賛の笑みだったのです。わかりますか?
観客の皆さん、私の踊りへの拍手をありがとうではなかったです。まあ欧米の人には謙遜、という言葉はありませんのでね、お国柄もあるかもしれませんが。
どちらにせよ、今日より若い日はもう2度と来ない…今日より若返る日はない。今日が一番自分が若い日なのです。
プロならとっくに引退している年なのに、レッスンが受けれるというのはとても有難いことです。
下手なりに、悔いのないように踊れる時は踊りたいです。




