第3話・またまたシェネの話
軸がうまくとれてないと、シェネでもまっすぐにすすめません。このエッセイでもシェネはもう何度も取り上げてきました。
どうすりゃあいいんだ…といつも思いながらへろへろとすすむ宇宙遊泳的シェネを毎回レッスンで綴っております。長年しているので手慣れてきてはいるのですが、やはり万年「イマイチ」 というのが私。なので年だけはくって、私のあとから入会してきた人たちに追いつかれ追い抜かれていっております…。
シェネと一口でいってもアドバンスクラスにいくとほんといろいろある。
時間の都合でそういう上級レッスンに行くと、シェネも同じ音楽を流してクルクルまわっているとプロの人は余裕あるんだよね。足も必ず一番のままだし。(ポワントやバレエシューズ関係なし、ずっと一番 )きっちり一番にしたまま、手も段々まるくまるく!
それから特筆すべきこと。文章で書くとわかりにくいですがシェネを4カウントもしくは8カウントでためはって、しきりなおしてまたシェネってやると本当にバレエって秒殺で余裕かまして踊らないとちゃんとバレエに見えないな、って思います。
あせると足ひらいて2番もしくはよじれて4番。軸も傾き、踊るラインもゆがんであらぬ方向へ行ったりする。私はこれで鏡に激突したことがあります。いけない危ないと思いつつ、どうにも止まらなかった…。
こうなると傍目では一応シェネらしきものですが、まっ本人が楽しければいいでしょう? になるかな?
シェネは綺麗にまわれると本当にきれいだし、楽しいです。基礎レッスンのゆっくりめの音楽だとまあまあやれるので。
くだって入門クラスになると「オモテ、ウラ」「オモテ、ウラ」ですからね。基礎の基礎はほんと大事ですから初心者に交じってこれも真剣にやりますです。
基礎の基礎をやっていてもこりゃ簡単だな、楽勝だなとは私は思わない。
基礎レッスン受けてると自分のアラがよくわかります。身の程知らずの上級だとほんと音楽に飛ばして適度にごまかせる。飛ばしてとやってるので一見できてるようでできてない。
バレエは基礎がちゃんとやれてこそ、なのだとしみじみと感じ入る。そう、奥深いバレエのけもの道、そういう袋小路に迷い込んで数十年、バレエ少女は年老いてきました。だけどがんばってまだ踊るのですよ。
シェネ、大好きですよ! 目はいくらでもまわるけど、それをうわまわる踊る魔法みたいなのが自分で自分にかけられるから。
そこでまた上級レッスン話にまたまた戻ります。
シェネで全フロア使って1周させられることがあります。決められたカウントで均等に綺麗に舞台ならぬフロアを1周するのは難しいのですよ。とりあえず1周まわればいいや、と思うならある程度シェネができる人なら可能です。
しかしながら綺麗に分割してしかも足1番くずさずにというのは難しいです。プロでもあれ、ちょっとひらいたな、計算狂って最後舞台前まで寸足らずで、こっから飛ぶなんて、もうちょっと前まで来るようにしたらよかったのにゲネプロちゃんとしてるはずなのに、目測あやまったかな? とか思ったりして。
自分がやってみてわかる、この難しさ。
以下はシェネのヒエラルキーです。
① 最初の最初、基礎の基礎。→ シェネを見た時はそんな難しいことできるか? と思う。ぐらぐらのシェネ。
② なんとかシェネできるようになったけどきちんとまっすぐに進まず蛇行してしまう。
③ もしくは目がまわりすぎて息絶え絶え、過呼吸おこす寸前の状態。
④ とりあえずまっすぐにすすめるようになったけど、今度はフロアまわれとか言われると、曲がる角度とかがわかんない。
⑤ こっちの方までカウントとりながらシェネしてからタメはって次のパにつなぐのがうまくいかないよー!
⑥ 番外編:海外での舞台なら傾斜床! つまり観客がより奥行き深く観れるように舞台全体を傾斜させている。もちろん慣れるまで踊りにくいことこの上なし。シェネも例外ではない。
(プロの登竜門、ローザンヌではこうなのだとか。レッスン場も傾斜床で慣らしはできるらしいが、慣れてないとほんと大変だろうな、と推測できる )
①から⑤まで書いたけどもちろん1つ1つの段階にすすむまでものすごい努力がいります。私は今④かな? でも発表会で自分の踊りを見てたら足1番じゃない。1番と2番のあいのこ、1,5番の足だった…。もちろんこれではだめですね、精進あるのみ。
(シェネで目がまわる話は前シリーズでも書いてるので割愛しました。)




