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第18話・主役をくうもの ♡

 春休みや夏休みの時期、もしくは芸術の秋。

 あちこちのホールでバレエの発表会をされていますね。

 今回はその話。


 どういうお教室でも男性が少ないもしくは皆無だとゲストダンサーを呼びます。でもどういうダンサーをお呼びしても絶対に負けてしまう? シーンがあります。

 それはずばり、二歳児三歳児の小さなバレリーナ!!


 だって百%、生まれて初めてのバレエの発表会です。お父さんお母さんのみならず、ジジババもはりきって観にきます。まだ若いおじさんやおばさん、いとこも幼稚園保育園のお友達も観に来たりします。

 通常発表会の演目は、小さい子供からのスタートです。小作品を踊るので最初から拍手がわきます。

 その子とは縁もゆかりもない一般の観客だってこの小さなバレリーナにはどよめきます。

 小さなバレリーナが広い舞台と拍手にとまどって立ち止まったり、そうするとすぐ後ろに並んでいた同じような小さい子供が「ほら、早く出なさいよ! とばかりつきとばされたり、手をひいてやったりするともっと拍手が大きくなります。

 ワ~カワイー、の拍手。励ましの気持ちもこめて。

 ちょっと間違えて左右がごっちゃになっても拍手喝采です。

 泣きそうになりつつ踊る子にも拍手。位置を間違えて他の子にここよ~、と指で合図されてもほほえましい!

 まさにこの子たちは天使みたい!

 まさに発表会の主役ってこういう二歳児三歳児なのでは? とも思うくらいです。


 一度全幕もので確かくるみ割り人形だったと思います。

 ゲストでお呼びしたソリストとパ・ド・ドゥの最中、チビさんたちが他のコールド達と一緒にクララと並んで座っているシーンがありました。

 最後の方にこの子たちと並んで一緒に踊るシーンもあったのですが、なんと主役よりも小さい子供たちに観客の視線が全部いってしまいました。これは、主役の立ち場がない。私も小さいバレリーナの方がかわいくてね、主役観ませんでした。

 その小さいコのうち、観客のある方角を凝視して動かなくなってしまったコがいたんですよね~。やっぱり三歳児くらい? それがまたとっても可愛らしいコで、立っていぶかしげな視線を観客に投げかけている。

 時々バレエの振り付けを忘れるらしく、すぐ横にいるコの踊りを堂々と横を向いてザ・カンニング。

 そしてバレエのスキップも忘れて大急ぎで「普通に」 走りだしたり。

 かと思えばにこっと笑って、チュチュの裾を小さな手で上に持ち上げて、形ばかりのバッセをしてからお辞儀!

 みんなほほえましくなってそのコが出ている間はそのコだけに拍手が追いかけていく状態になってしまいました。

 主役が舞台のど真ん中でいろいろしているのに、誰も見ない! 主役カップル? にはつらかったかもしれないが、この場合はあなたたちの力不足のせいではないでしょう。

 恐るべし無垢な二歳児三歳児。

 どういうプリマ様だって負けてしまうわ…

 年若いほどいいのか? いいんだよね、この場合は。

 どのような人だって、幼い子供の魅力には負けるでしょう!







  

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