第10話・傾斜床で踊る
よく海外で踊る人から傾斜床の話をききますね。
傾斜床…ヨーロッパの劇場の一部では観客のために舞台がようくみえるように奥に向かって傾斜、つまり上へあがっていくのです。前にいくほど下に向く。
ダンサーや役者さんが転げ落ちてはいけませんので傾斜と言ってもほんのり傾斜でしょう。
たいてい観客席だって狭いしものすごい急な階段だったりします。天井桟敷なんてそっから落ちそう、しかもつめつめなので席がゆったり、なんてことはない。
貴賓席? のバルコニー席だってそんなにゆったり気分になれないらしいし、よくわからない。(まあ実際に行ける身分になったらね、またここでレポートできることもあろうかとは思いますが )
行ってない場所にあれこれ想像で書いてもよくはないが、傾斜床で一度踊ってみたいなあ、どんな感じかな? と思っていました。そんなに激しくは思い詰めてはいなかったのですが、(どうせ日本にはないだろうって)ひょんなことでこの小さな願いがかなったのでここに記念に書いておこう。
傾斜床で踊る、さあその場所は??
わかる人はすぐわかっただろう。
そう、遊園地にあちこちにあるマジックハウスです!!
某アミュージメント施設の1つにありました。
狭いところもあるけどちょうどひろーくって適度な傾斜があるマジックハウス発見!!
実はマジックハウスという名前ではないけど私はチビコと入って最後の広間がそこでして、しかもすごく広い、しかも鏡がある、しかもしかも貸し切り!!
私と子供だけ!!
なんという僥倖だろう!
たぶん客が怪我しないように監視カメラはあったと思いますけど、ここへ来たらもう我慢できない。カメラの奥の監視員がなんだこいつとびっくりされても構うもんか。私はチビコ以上に興奮して踊りました。
チビコはちょっとかけあがっても微妙に壁の様子とか違和感が味わえて、日常いつもと違うナナメ感覚を楽しめたと思います。
傾斜床、というにしては傾斜がはげしいなとは思いました。
けどシェネで1周はしてみたいと思いました。
できませんでした。
1周とても無理でした。
だけどちょっとした満足感が味わえました。
ちょっとくるっとまわっただけで着地感覚が全く違います。
実際の床はもう少し傾斜がゆるやかだとは思いますがでもきれいにまわるのは難しいだろう、コレ毎日やって慣れないといけないのではないかな? と思いました。
毎日地道に生きてますけど、人生小さな喜びと大きな腹立ち、それを趣味のバレエでバランスとって生きてますって感じです。
子供は私の安らぎです。
チビコのおかげでバレエをもっと楽しめたし、楽しんでいます。
追記・傾斜床、通常の角度は15度。ロシアではもう少し急だそうです。もう少し詳細な情報を入手できましたらまたエッセイに書きます。