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Tea time   作者: 新海 明加
7/11

馬鹿だよね

「綾って馬鹿だよね。」



そんな事をいきなり言われて、黙っていられるほど人間は出来ていない綾菜は、文句を言うために顔を上げた。



「だってさー、この家に生徒会会計がいるのに使わないんだよ。これを馬鹿と言わず何と言うのさ。」


「それは・・・。」



さっきまで文句を言おうとしていたが、図星を指されて何も言えなくなってしまった。



「どうせ、会計の仕事だろ。はい、貸して。」


「ちょっと!!」


「まだ他にも仕事あるんじゃない??」


「何で知ってんの!?」



これ以外の仕事がまだあるなんて、一言も言ってない綾菜は驚いた。



「1人でやってて、学校でも終わらない。話した時に顔も上げずにやっているってことは、それ以外にもまだあって、構ってられるほど暇じゃないんじゃないかって思って。あとは勘。だって、昔からためる癖あるじゃん、綾。」


「だてに17年も姉弟やってないってことね。それ宜しく。」



さっきまでやっていた仕事を祐那に任せ、もう1つの別の仕事を始めた。


それは、書類に目を通して判子を押す事。


一見簡単そうに見えるが、一枚一枚違う内容だから、全部に目を通して、内容を把握しとかないといけない。


駄目な場合は、判子を押さず、その内容の部活や委員会の人に話しを付けなくてはならないのだ。


一番面倒なのはこれだと思う。


ぐだぐだしてても終わるわけがない。


なのでさっさと片付けていくことにした。




「はぁー・・・やっと終わったぁー。」



先に終わったのは祐。


計算得意な彼にとって簡単なことだっただろう。


綺麗にプリントの縦と横の角を揃えてトントンと直していく。



「はい。」



私に出来上がったプリントを渡す。



「ありがとう。」



受け取ったプリントの中を見てみる。


どこも訂正がなかったらしく、渡した時のまんまだった。



「まだ終わんないの?」


「うん。・・・やっと半分いったぐらいかな。」



苦笑の私に対して少し呆れ顔の祐那は



「手伝おうか??」



と聞いてきたが



「私がやらないと駄目だから。」



と言って断った。


祐那も『一度始めた事は最後までやり通す。』と言う私の性格を分かっているのもあり、深くは追及してこなかった。


ただ



「無理だったら言えよ。」



とだけ言って自分の部屋に戻って行った。


私は



「うん、分かった。」



の一言を言って、自分の仕事を再開した。

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