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Tea time   作者: 新海 明加
5/11

1人でも大丈夫

『はい。』


「綾菜ですけれど・・・。」


『あぁ。』


薫は、着信画面で分かっていたのだろう。


驚きもせずに返事だけをした。



「あのメールは何?」


『見ての通りだが・・・分からないのか??』



微妙に馬鹿にされた言い方が癪に障ったが、平常心を保った。



「意味は分かるよ。なぜ休むのかを聞いているの!!」


『・・・用事があって。』


「何、その間。それって今日じゃなくちゃいけなかったの??」


『たぶん。』


「何でそんなに曖昧なの!?・・・もういいです!!それじゃ。」


『明日は行く。』


「もう二度と来なくていいです!!(怒)」


『おいっ!!』



薫はまだ何かを言っていたが、構わず無視して電話を切った。



(むかつく!!きっと友達と遊んでいるんだ。・・・あいつのことなんか忘れよう。)



腹立たしい気持ちを抑えて、職員室に戻ることにした。




「先生。生徒会長、休みだそうです。」


「そうか。2人だけれど時間大丈夫か?30分ぐらい余計にかかると思うが。」


「大丈夫です。私は用事が無いんで。」



『どっかの誰かさんと違って』と言いおうと思ったが、心の中でとどめておいた。



「やることは簡単。明後日の生徒会総会で使う冊子作りだ。ただ、決算報告書がまだだから、ホチキスで留めるのは明日になるんだが。」


「はい、分かりました。場所は「橘先生!!」



言いかけている途中で、別の先生に話を遮られた。



「お話中すみません。先生、お電話です。」


「悪い。ちょっと待っててな。」



橘先生は、席をはずした。


待っている中、また違う先生から声をかけられた。



倉元姉くらもとあね、ちょっと頼まれてくれないか?」



私を倉元姉と呼ぶのはただ1人、祐那の担任の古武こたけ先生だ。



「いいですよ。なんですか??」


「これなんだが・・・。」



渡されたのは、会計の仕事の決算報告書。



「今忙しくて、明日の朝までに間に合いそうにないんだ。」


「分かりました。明日の朝持ってきます。」


「ありがとう。」



そう言い終わると、紙だけ私に渡して行ってしまった。


その後も、また違う先生に頼まれ事をして引き受けてしまった。



(・・・大丈夫かな(汗))



少し心配になりながらも橘先生を待っていると来た。


でも、さっきと様子が違う。



「遅くなって悪いな。」


「先生何かありました?」


「いや別に。」


「だって、そわそわしてますよ??」



疑問に思った事を口にした。



「いゃー・・・奥さん、子供が生まれるみたいで。」


「へぇー、子供が。・・・子供!?病院行かなくていいんですか??」


「だって、これあるし。」



見せたのは、生徒会総会の冊子。



「こんなの私1人で出来ます。先生は、病院に行ってあげてください。」


「でも「奥さん、1人じゃ心細いはずです。行ってあげてください。」



1度は渋い顔をしたが、決心したらしく



「行かせてもらうよ。・・・あっそうだ!!何かあったり、終わりそうになかったら電話頂戴。」



そういうと、メモ用紙に自分の携帯の番号をスラスラ書いていった。



「分かりました。それでは、失礼します。」



メモ用紙を受け取って職員室を出て行った。

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