表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Tea time   作者: 新海 明加
11/11

今日は何の日?

―ガラッ―



開くとは思っていなかった扉が開く。



「あのさぁー、人の名前呼ぶのはいいけれど、何度も呼んで・・・。俺、名前好きじゃないって言ったよね??」



嫌そうな顔をして言う。



「何で??・・・なんでいるの!?」


「何でって・・・お前の荷物。」


「違くて!!告りに行ったんじゃなかったの!?!?」


「あぁ。これからな。」


「そっか。頑張って・・・。」



最後まで言葉が言えない。


今日はこんなにも感情が脆い。


いつもなら笑って言える冗談が言えない。


でも言わなきゃいけない。



「綾、俺さっ「待って!!・・・最初に・・・最初に私の話しを聞いて欲しいの。」



言えた。


何とかここまで言えた。


後は気持ちだけ。



「うん。」



薫が真っ直ぐ見つめてくる。


恥ずかしい。


顔が熱いのが自分でもよく分かった。



「あのね・・・薫に話したいのは・・・。」



言わなきゃ伝わらない。

でも恥ずかしいよ。


・・・よしっ、頑張れ自分!!



「私、薫が好き!!」



言った瞬間、緊張が解れたのと恥ずかしさでいっぱいだった。


薫も顔を赤くしている。


「あのさ・・・俺・・・。」



薫の言葉に目をつぶった。


聞きたい。


でも怖い。


2つの感情が入り交じる。



「俺さ・・・好きな人がいるじゃん。」


「うん。」



俯くしかできない。



「そいつさ、人に頼まれると嫌って言えなくてさ。しかも弱いくせに強気な発言ばっかするから、周りには何でも出来るって思われて・・・。それ見てると俺がついてなきゃって思うのよ。」


「・・・うん。」



涙を堪える。


・・・やっぱり、私じゃ駄目かな。


笑顔で「そっか。仕方ないね。」と言う為、顔を上げる。


顔を赤くさせ、真剣な目の薫と目があった。



「そんなお前が好きだから。」


「・・・えっ?」



一瞬何を言われたのか理解出来きなかった。


顔が赤い薫と今言われた言葉。


たぶん聞き間違いではないだろう。



「・・・薫が私を・・・好き?」


「あぁ。」


「・・・私、弱くない!!」


「問題そこかよ!!」


「えっ、だって・・・。」


「俺、告ったんだけど。」


「私が最初だったし。」


「1回しか言わないからな!!・・・付き合って下さい!!」



ずっと言われたかった言葉。


自然と涙が出てくる。



「返事は??」



困惑してる薫に、涙目ながらも笑顔を向ける。


そして私の返事は



「お願いします。」



薫も微笑んで抱きしめてくれた。


彼からの最初の言葉は



「無理するんじゃねーよ。余計な心配かけやがって。」



でした。


こんなこと言われて黙ってられる綾菜ではない。



「悪いのはあんたでしょ!!昨日、祐と遊んでるから仕事たくさんきたし。・・・何やってるの??」



肝心の薫は、がさがさと自分の鞄をあさっている。



「あったあった!!」


「・・・私の話聞いてなかったで「はい。」



抗議している私の目の前に、ラッピングされた物を差し出された。



「何これ??」


「開けてみたら?」



言われた通りに開いてみる。


中からは


マグカップ。



「えっ??」


「はぁー。・・・お前、今日何の日か覚えてる??」



今日?


何かあったっけ??


溜息をついた後、薫は



「お前、今日誕生日だろ。」


「あっ!!そういえばそうだったかも「そうだろ!!だから昨日は、祐と誕生日プレゼント買いに行ってたの。」



言った後、照れてかそっぽを向いてしまった。



「ありがとう。」



誕生日プレゼントなんて貰えるとは思ってなかった私は放心状態。


薫も頷くだけ。


そんな薫が可愛く見える。



「あぁ。明日からもお茶よろしく!!・・・もちろんまずかったら入れ直しだから。」


「はっ!?」



前言撤回。


私の彼氏は可愛くない。


でもこれからは、一緒にTea timeを楽しめそう?な予感です。

至らない文でしたが最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ