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『魔物が支配する世界に転生したら、小指サイズの妖精でした ~HP5の最弱スタートから、進化と「魅了」で生き延びます~』  作者: ゆっきー
第3章:深緑の支配者編

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エピローグ:黄昏に咲く楽園

激動の戦いから数ヶ月。 死の大地だった隠れ里は、今、世界で最も美しい場所へと変わりつつありました。 ルナと仲間たちが紡ぐ、静かで温かな「その後」の物語。

 かつて灰に覆われていた大地は、今や見渡す限りの緑と、色とりどりの花々に埋め尽くされていた。  中心にそびえ立つのは、空を支えるほどに成長した新たな世界樹。その梢からは、かつて失われたはずの清らかな魔力が、光の粉となって絶え間なく降り注いでいる。


「――よし。これで南側の結界も安定したわね」


 世界樹の根元にある玉座。  

私はそこから立ち上がり、満足げに周囲を見渡した。  

背中にある金銀の四枚羽は、陽光を浴びて複雑な色に輝いている。


「女王様。巡回から戻りました」


 凛とした声と共に現れたのは、銀色の軽装鎧を纏った女性冒険者、エレナだ。  

彼女は今、この里の『守護騎士』として、私の背中を預かる存在になっていた。


「お疲れ様、エレナ。外の様子はどう?」


「いたって平和です。……と言いたいところですが、ルナ様の名前を聞きつけた各地の精霊たちが、移住を求めて森の入り口で列を作っていますよ」


「また? もう、宿舎が足りないわ」


 私が苦笑いしていると、頭上の枝からひょいと銀色の影が降りてきた。


「景気がいいじゃねぇか。外の人間界じゃ、『死の森が黄金の楽園に変わった』なんて噂で持ちきりだぜ?」


 怪盗ケット・シー、ジルだ。  

彼は各地を飛び回り、情報の収集や、時には「どこからか」里に必要な物資を調達してくる役割を担っている。


「ジル、また勝手に入って……。でも、助かるわ。外の情報は女王として知っておかないといけないから」


「へっ、女王様なんて呼ばれるのが板についてきたな。あの時、瓶の中で震えてた奴と同じとは思えねぇよ」


「……余計な一言よ」


 私はジルの言葉に唇を尖らせたが、すぐに視線を世界樹の幹へと戻した。  


そこには、小さな記念碑が建てられている。


 ――ティタお姉ちゃん。  ――みんな。


 かつての里は、もう戻らない。  

けれど、新しく生まれたこの場所は、人間の騎士も、お調子者の猫も、そして新しく生まれた妖精たちも、みんなが笑って過ごせる場所になった。


 私は自分のオッドアイに映る景色を愛おしく思う。  

右目(赤)には、決して忘れない過去の痛み。  

左目(青)には、これから紡いでいく穏やかな日常。  

その両方があるからこそ、私はこの『黄昏の楽園』を統べることができるのだ。


「ルナ様! あっちの泉に、新しい花の精が生まれました!」


 小さな妖精たちが、私の周りに集まってくる。  

私は微笑み、一歩を踏み出した。  


かつてHPがたったの「5」だった、最弱の小妖精。  

彼女が選んだ未来は、今、温かな光に包まれている。


「――さあ、行きましょうか」


 女王の言葉に、仲間たちが笑顔で頷く。  

黄昏の楽園に、今日も穏やかな夕暮れが訪れようとしていた。


【ルナのその後:最終ステータス】


 役職: 世界樹の女王トワイライト・クイーン


 趣味: 里の巡回、エレナとお茶をすること、ジルの土産話を聞くこと


 日課: ティタへの祈りと、若芽たちへの魔力供給


 現在の目標: 里の住民が1000人(匹)を超えたら、大きな収穫祭を開くこと

エピローグまでお読みいただき、本当にありがとうございました。 ルナが自分の居場所を見つけ、仲間たちと笑い合える日が来たこと。 作者としても、これ以上の幸せはありません。 彼女たちの冒険は一段落ですが、この楽園の噂は、きっと世界中の吟遊詩人によって語り継がれていくことでしょう。 いつかまた、どこかの物語でお会いしましょう!

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