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プロローグ:終わりと始まり

数ある中から選んでいただき、ありがとうございます。

一生懸命書きました。

変なところもあると思いますが、少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。

 キキーッ!


 耳をつんざくようなブレーキ音と、周囲の悲鳴が混ざり合う。  

私の体は強い衝撃と共に宙を舞い、アスファルトの上に叩きつけられた。


 熱い。痛い。寒い......。


視界が赤く染まっていく。


(あの子は……助かったのかな……)


 薄れゆく意識の中で、私が最後に見たのは、公園から転がったボールを追いかけて飛び出した男の子の背中と、迫りくる大型トラックのフロントグリルだった。

とっさに体が動いてしまった……学校では友達もいない、ただのボッチの女子高生である私、由奈ゆな

誰からも必要とされていないような私が、最後に誰かの役に立てたのなら、それはそれで悪くない人生だったのかもしれない。


 そんなことを思いながら、私の意識はプツリと途切れた。


 ◇


 気がつくと、私は真っ白な空間にいた。

上下左右の感覚もない、光に満ちた場所。  

痛みは消えていた。

体も軽い。というか、体があるのかどうかもわからない。


「目が覚めましたか?」


 鈴を転がしたような、美しい声が響いた。  

振り返ると――いや、意識を向けると、そこには光り輝く女性が立っていた。  

透き通るような金色の髪、慈愛に満ちた瞳。その姿は、絵本に出てくる女神様そのものだった。


「私は女神アスタルテ。ここは現世と常世の狭間です」


「現世と常世の狭間……私は、死んだんですね」


 不思議と取り乱すことはなかった。あの衝撃の後で生きているはずがない。


「はい、残念ながら。あなたはトラックに跳ねられ、命を落としました」


「あの子は……私が突き飛ばした男の子は、助かりましたか?」


 私が一番気になっていたことを尋ねる。女神アスタルテは優しく微笑み、頷いた。


「ええ、助かりましたよ。あなたの機転のおかげで、あの子は軽い擦り傷だけで済みました。未来ある命を救ったのです」


 その言葉を聞いて、胸のつかえが取れたような気がした。  

よかった。無駄死にじゃなかった。


「あなたは立派でした。その功績を称え、あなたには『転生』の権利が与えられます」


 女神様は手元にある分厚い本のようなものをパラパラとめくりながら言った。


「転生……ですか?」


「はい。記憶を持ったまま、別の世界で新しい人生を歩むことができるのです。ただし、一つだけ条件があります」


 女神様は本を閉じ、真剣な眼差しを私に向けた。


「転生後の姿は、魂の波長と転生先の環境によって決まります。必ずしも人間になれるとは限りません。虫かもしれないし、動物かもしれない。それでも、あなたは新しい生を望みますか?」


 人間になれないかもしれない。  

その言葉に少しだけ迷ったけれど、私の答えは決まっていた。  

前世は孤独だった。友達もできず、ただ流されるままに生きてしまった。  

もしやり直せるなら――たとえどんな姿であっても、今度こそは後悔しない、まともな人生を歩みたい。


「お願いします。私を転生させてください」


「わかりました。あなたの新しい魂の旅路に、幸多からんことを」


 女神アスタルテが詠唱を始めると、私の足元に巨大な魔法陣が浮かび上がった。  

眩い光が溢れ出し、私の意識を飲み込んでいく。


「いってらっしゃい、勇敢な魂よ…」


 その声を最後に、私は白い空間から消え去った。

プロローグを最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


次回、第1話。頑張ります!

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