まぶしさのなかに。
中学校二年の時。
同じクラスになった女の子。
腰まである長い髪を三つ編みにしていた女の子。
小さくていつもニコニコしている女の子。
目がクリッとしていて笑顔がキラキラしてた女の子。
僕はその子の虜になっていた。
朝、教室の窓から校門を見ていた。
クラシック音楽が流れる中。
毎朝その子が登校して来るのを見るのが日課になっていた。
仲良くしたいけど。
どうしたらいいのか分からなくて。
ただ、目で追っているだけ。
僕が見ているだけなんだけど、たまに視線が合うと。
ニコって笑ってくれた。
昼休みの休憩中。
友達と校庭でサッカーやドッジボールをしていると。
その子達が教室からいつも外を眺めていた。
僕のこと見てるのかなって。
勝手に思って。
そんなことは全然ないんだけど。
砂ぼこりの中で、ただ僕がそう思いたいだけだった。
運動会のリレーやバレーボールの大会でも声援を送るその子を見て。
頑張ろうって気持ちと。
いいとこ見せたいって気持ちと。
少し恥ずかしいような気持ちと。
一人で勝手に高ぶっていた。
結局なにもなかった。
好きなんて言えるはずがなかった。
その子に好きな子がいるのは分かっていたから。
仲良しの男子がいたからね。
それから数年後。
中学のクラスの同窓会があった。
良く分からないけど。
数人のグループで二次会をしてその中にその子もいた。
あの頃の三つ編みはしていなかったけど。
長い髪はそのままで。
でも、社会人になっていて。
メイクした大人びた顔を見たら。
学生だった僕からしたら遠い存在に思えた。
地元の駅から歩いて帰る時。
一人道が違うその子が先に別れた。
じゃあねって手を振るその子。
みんなで見送りながら、誰かが僕にこう言った。
「送って行きなよ」
僕以外、男女5人いたけど。
誰が言ったのか分からない。
「そうだよ」
なんで僕にそんなことを言うのかさえ分からない。
「なんで?」
結局、僕はその子を送って行かなかった。
その子の隣に並んで歩く自分の姿が、どうしても想像できなかった。
勇気も自信も持ち合わせていなかったから。
送って行ったら何か変わっていたのかな?
もうどのくらいたったのかな。
あれ以来会ってはいない。
同窓会にも行っていない。
でも、あの頃のあの子の笑顔って覚えているもんだね。
どうして忘れないんだろ。
今も笑顔で過ごしていてくれたら。
いいな。
水平線の彼方に金色の道を作る夕陽を見て想い出したよ。
拙文、読んで下さりありがとうございます。




