表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エッセイ・短編たちのおもちゃ箱  作者: ぽんこつ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/63

まぶしさのなかに。

中学校二年の時。

同じクラスになった女の子。

腰まである長い髪を三つ編みにしていた女の子。

小さくていつもニコニコしている女の子。

目がクリッとしていて笑顔がキラキラしてた女の子。


僕はその子の虜になっていた。

朝、教室の窓から校門を見ていた。

クラシック音楽が流れる中。

毎朝その子が登校して来るのを見るのが日課になっていた。

仲良くしたいけど。

どうしたらいいのか分からなくて。

ただ、目で追っているだけ。

僕が見ているだけなんだけど、たまに視線が合うと。

ニコって笑ってくれた。


昼休みの休憩中。

友達と校庭でサッカーやドッジボールをしていると。

その子達が教室からいつも外を眺めていた。

僕のこと見てるのかなって。

勝手に思って。

そんなことは全然ないんだけど。

砂ぼこりの中で、ただ僕がそう思いたいだけだった。


運動会のリレーやバレーボールの大会でも声援を送るその子を見て。

頑張ろうって気持ちと。

いいとこ見せたいって気持ちと。

少し恥ずかしいような気持ちと。

一人で勝手に高ぶっていた。


結局なにもなかった。

好きなんて言えるはずがなかった。

その子に好きな子がいるのは分かっていたから。

仲良しの男子がいたからね。


それから数年後。

中学のクラスの同窓会があった。

良く分からないけど。

数人のグループで二次会をしてその中にその子もいた。

あの頃の三つ編みはしていなかったけど。

長い髪はそのままで。

でも、社会人になっていて。

メイクした大人びた顔を見たら。

学生だった僕からしたら遠い存在に思えた。


地元の駅から歩いて帰る時。

一人道が違うその子が先に別れた。

じゃあねって手を振るその子。

みんなで見送りながら、誰かが僕にこう言った。

「送って行きなよ」

僕以外、男女5人いたけど。

誰が言ったのか分からない。

「そうだよ」

なんで僕にそんなことを言うのかさえ分からない。

「なんで?」

結局、僕はその子を送って行かなかった。

その子の隣に並んで歩く自分の姿が、どうしても想像できなかった。

勇気も自信も持ち合わせていなかったから。

送って行ったら何か変わっていたのかな?


もうどのくらいたったのかな。

あれ以来会ってはいない。

同窓会にも行っていない。

でも、あの頃のあの子の笑顔って覚えているもんだね。

どうして忘れないんだろ。


今も笑顔で過ごしていてくれたら。

いいな。

水平線の彼方に金色の道を作る夕陽を見て想い出したよ。

拙文、読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ