表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エッセイ・短編たちのおもちゃ箱  作者: ぽんこつ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/54

向こう側


カンカンカン――

踏切の音ってこんなに切なかったかっけ。


ガタンガタン――

たくさんの想いを乗せた電車が、光を放って通り過ぎていく。

残していった、冷たい風が髪をなびかせ、口に毛先が張り付く。

フッと小さく笑う。

彼は、よくこの髪を優しい手つきで払って笑っていた。


遮断機があがる。

線路の向こう側。

手を振って駆け寄ってくる彼の笑顔。

一瞬、振りかけた手が止まる。

だって、もう傍にいないから。


あの日から、ずっと。


車のテールランプと街灯の灯りが滲んでいる。

頬にヒヤリとした感触。

雪……

ひらひらと白い花びらが舞い落ちてきた。

そっと手を出すと、

手のひらにそっと乗って溶ける。


彼と初めて会った日も。

告白された日も。

初めてキスした日も。

そうだった。

それに……。


カンカンカン――


胸の前で手を添えて、マフラーに顔をうずめる。

伝えられなかった、想いが溢れてきて。

会いたいなって、また思ってしまった。

トホホだよ。

拙文、お読み下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ