29/54
どうして
もう、歌詞や本で書き尽くされた「見上げた空は一つ」的な言葉。
わかってる。もう何百回も聞いた。
それでも、どうして人は空を見上げるんだろう。
誰かを想って、
自分を想って、
大切な何かを、思い出して。
きっと私も、今日の空を――
自分のために、
誰かのために、
大切な何かを、想って見上げていた。
同じように空を見上げている人が、
世界のどこかに、きっといて――
もしかしたら、空に答えがあるのかもしれない。
なんて。
だけど、私たちが“想う”ということ自体が、
世界とつながる、たったひとつの手段なのかもしれない。
そして、空はその想いを、
受け止めてくれるから――
なのかもしれない。
もしかしたら、空は何でも知っていたり……
なんてね。
拙文、読んで下さりありがとうございます。
*写真は作者が撮影したものです。




