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6/113

スキル ※


  レベル4になりましたので、ガチャが一部解放されます。


  アキラ

  レベル4

  HP 28/28

  MP 10/10

  Exp 51/80

  スキルポイント(sp) 5

  G 255

  保護時間 残 11日


 アキラは自分の成長を実感する一方で、少し緊張も覚えていた。


「つまり、リバーサーペントは死んだってことか?」と呟いた。


「はい、そしてレベル4に到達です」ラピスが嬉しそうに答える。その声には、どこか誇らしげな響きがあった。


 彼はステータス詳細画面を開き、職業欄をクリックした。選択肢は三つ。


「戦士、盗賊、魔術師」それぞれの職業が自分に何をもたらすのか、考えが巡る。


「盗賊かな……」と試しに聞いてみたが、「そのジョブはあまりおすすめしないです」ラピスは少し嫌そうな声で返事をした。


「やはり、戦士か?」と考え直すも、ラピスは「そうですか?」と冷たく答えるだけだった。


 アキラは、ラピの反応に流されるように、「うーん、魔術師かな……」と口にした。


「はい、そうですね」ラピの声には、ほっとしたような響きがあった。


 ラピスは、アキラが前線で戦うことを恐れていた。危険度は大きく変わらないことを知ってはいたが、蛇の毒で彼が死にかけたとき、本当に彼を失うかもしれないという恐怖が心に刻まれたのだ。


 アキラは、実際には戦士と魔術師の間で迷っていたが、ラピすの反応から魔術師を選ぶべきだと悟った。


 迷いを断ち切り、魔術師を選択する。すると、ステータスが変化した。


 STR(力) 5 → 7

 AGI(敏捷性) 6 → 8

 INT(知力) 9 → 31

 END(耐久力) 6 → 8

 LUK(運) 51 → 53

 CHA(魅力) 9 → 21

 

 ジョブを選んだことでステータスが増え、特に知力が上がった。そういえば、頭の回転がいつもより少し早くなっている気がする。


 ほんの少しだが、まるで思考が冴える感覚だ。前世ではどうだっただろうか? 決して頭が良いとは思えなかったのだが……

 

 彼は次に、メニューから新たに解放された強化画面を開いた。取得可能なスキルをじっくりと眺める。


 しかし、今のレベルでは選べる魔法はまだ多くなく、スキルポイントが足りないため、選択肢は限られていた。


 獲得できるスキルは、以下だ。


 火魔法:ファイアーボール(5sp、MP2 )

 水魔法:ウォーターボール(5sp、MP2 )

 土魔法:アーススパイク(5sp、MP2 )

 風魔法:ウインドブラスト(5sp、MP2 )

 生活:ライト(5sp、1回使用時 MP2 )


 アキラはラピスに魔法について尋ねた。ラピスは丁寧に説明してくれ、その説明を聞くうちに、彼は次第にファイアーボールに魅了された。


 威力がありそうだというのもあるが、何より直感的にこれが自分に合っていると感じたのだ。アキラはファイアーボールの魔法を選び、画面を閉じた。


「それじゃ、ナイフの回収だ」と静かに立ち上がった。本当は、新たに習得したファイアーボールを試してみたかったが、今はそんな余裕はなかった。


 リバースネイクと格闘した場所に戻ると、水蛇の血痕が川上の林へと続いているのを見つけた。


 そして、林に入る手前の野原で、息絶えたリバースネイクの死骸を発見した。


 死体と分かっていても、アキラは恐怖にかられ、慎重にリバースネイクに刺さったナイフを回収しようとゆっくり近づいた。


 そのとき、視界の端に小さなゴブリンが林から走ってきて、アキラよりも先にナイフを抜き取ろうとするのが見えた。


「おい! それは俺のナイフだ!」 もちろんそんな抗議が通じるわけもないが、思わず声を上げてしまった。


 このままではゴブリンに唯一の武器を奪われてしまう。


 しかし、こちらは素手であり、近づくのは危険だ。


 アキラはファイアーボールでゴブリンを遠距離攻撃し、成功すればラッキー、失敗すれば逃げると決心した。


 半身に構えると、全身に魔力がみなぎるのを感じた。深く息を吸い込み、静かに呪文を唱える。


「ファイアーボール!」


 手のひらを天に向かって広げると、周囲の空気が一瞬ひんやりとした。次の瞬間、手のひらの中心に赤光が現れ、それが燃え上がる炎の小球体へと変わっていった。


「成功だ!」


 揺れる火の玉はアキラの意志に応え、彼が左手を振り下ろすと、炎の球はゴブリンに向かって放たれた。


 しかし、狙いが外れ、火の玉は林の中に飛び込み、瞬く間に炎が広がった。


 その瞬間、ゴブリンは攻撃を察知し、ナイフを手にこちらへと向かってきた。思ったより速い。


「まずいな……」


 アキラはリュックを背中から下ろし、盾の代わりに使おうとした。ゴブリンが近づくと、その大きさはアキラの腰ほどしかなかった。


 左手でリュックを低く構え、再び呪文を唱える。


 ゴブリンが一直線に突っ込んできたため、アキラはリュックでナイフを受け止めた。


 右手で再び作り出した火の玉をゴブリンに叩き込むと、ゴブリンは悲鳴を上げる間もなく、炎に包まれて倒れた。


 リュックに刺さったナイフを取り、ゴブリンを確認しようとしたが、すでに事切れていた。


 再び静寂が戻る。アキラの右手にはまだ熱が残っていた。


※※※


「それで、ついでにもう一つ調べてほしい」 黒神は封筒を机の上に置いた。


 山吹はキッチンでお湯を沸かし、インスタントコーヒーを二つ入れて、一つを彼に手渡した。封筒の中身を確認すると、彼女は満足げに微笑んだ。


「何かしら? バイトの報酬は十分だから、話だけは聞いてあげる」


 長い髪をポニーテールにまとめ、耳のイヤリングがリビングの光に反射して輝く。


「ああ、お前の友達が、何故そんな都市伝説の話をしているのか調べてほしい」


 猫舌らしい彼は、コーヒーに息を吹きかけながら、慎重に飲んでいる。


「確かに。わかったわ」 気が重いが、調べる必要があるだろうと彼女は思った。


「大学はどうだ?面白いのか?」


 黒神のありきたりな質問に、山吹は驚き、思わずコーヒーを吹き出しそうになった。彼がそんなことに関心を示すとは思いもよらなかった。


「どうしたの? 気になるの? 理系は女の子が少ないから、紹介できる子もあまりいないけど」


「そういう意味じゃない。ただ……」


 あの子も病気じゃなければ違う選択をしたのかなと。

お忙しい中、拙著をお読み頂きありがとうございます。もしよろしければ、ご評価をいただけると幸いです。又、ご感想をお待ちしております。

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