八十九日目
太陽暦934年 8月2日 曇り
ゼノン=クロック 16歳
えーっと何から書いたらいいだろうか。今日はいろいろあった。本当にいろいろあった。今すぐ寝たいぐらいにクタクタである。
今日、ステゴさんとトプスさんのペアが怪しい取引の現場を発見したのと言う。現場は一瞬で戦闘になったのだが、ステゴさんらに向かっていた奴らは次々とノックアウトされていったという。二人とも竜の因子というものを持っているようでちょっとやそっとでは致命傷にならず、その上技能面でもパワーでも突出してるから、普通の妖精が相手になるような相手ではなかった。
問題は逃げた妖精の方だ。魔法とかで周囲の法則を滅茶苦茶にしていくもんだから、そこら一帯の空間がおかしなことになった訳。後からサーシャに教えて貰ったのだが、
「魔法によって同じ物体に違う作用を引き起こすから、それが入り乱れると世界の方がバグることがある。私は質量を変化できるけど、材質を変える魔法を使える妖精と同じ物体に魔法を掛けたら、その物体が塵も残らず爆散したことがある。」
魔法同士はときに干渉するらしい。今回もそれが起こって、物が上に落ちて行ったり、至近距離ではあるがワープホールが現れたりなどしていた。
まあ、そこら辺は奪光石を利用して無理矢理暗闇を作って、流星で強引にぶち抜いて行ったのだが、そこで逃走した奴らと戦う羽目になった。相手は三人。まあ、流星で妖精二人を不意にぶっ飛ばしてしまったので残りは一人となっていたが。
その妖精の魔法は結局良く分からなかった。魔法を使おうとしている相手への適切な対処法は一気に近接して、ぶっ飛ばすこと。脳筋と思われるだろうが、結局これが一番いいとのこと。下手に警戒して手を窺っているといつの間にか相手の必勝パターンに入っているなんとことはざらにあるらしいので、時間を与えないことが重要なのだ。罠があったらどうするのかって? そのときは諦めましょう。
俺の場合は一気に間合いを詰めて、抜刀。相手に防がれたのであらかじめ投げていたブーメランで後ろからゴキッといってやった。ブーメランに関しては魔力を多少操れるようになったおかげか、ほんの少しの軌道修正ができるようになって一気に実用的になって来た。
魔法が入り乱れた空間に関しては、森の調査から戻って来たオーデットさんがその場に現れた瞬間、一瞬にして正常に戻っていた。ほんの一瞬、魔力に乱れがあったので何かしらの魔法を発生させたのだろう。
大変だったのはここからだ。捕えた妖精達が行っていた行為や彼らの周辺情報についての調査等々。やるべき仕事が山のように現れた。頭脳労働の体力は筋トレでは鍛えられない(俺調べ)。サーシャもこの手の仕事は苦手だそうで、頭から湯気を出していた。
正直、この仕事で一気に大量の情報が入ってき過ぎて頭がパンクしてしまいそうだ。まあ、明日もあるだろうし、慣れていくだろう。明日も頑張るか。
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所持金:224432スター、15246マニー
身分証:冒険者証(赤)、騎士章
武器等:偽装剣(カフェリアから貰った)、俺の愛剣(ハルル産)、笛、鉄製のブーメラン、鈎爪付のワイヤー
装備等:魔法の眼鏡、魔法のカラーコンタクト、魔法のローブ
所持品:開かずの小瓶、火打石、干し肉、薬草、水筒、方位磁針、救急用具、羽ペン、鉄板等の焼肉セット、焼き肉のタレ、魔術基礎(悪魔式)、奪光石、魔術式連絡紙、龍鱗
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