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勇者日記  作者: かざむき
妖精の国編
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六十八日目

太陽暦934年 7月12日 曇り ゼノン=クロック 16歳 所持金95362スター、15246マニー



 はてさてなて、嬉しいご報告でございます。

 なんと、この私ゼノン=クロックはファルという妖精として妖精騎士の入団試験を合格することができました。

 イエーイ―!!

 ドンドン!パフパフ!


 なんか、めっちゃうれしいんだけど、文字だとあまりうまくそれが表現できないなと思いました。


 で、合格者たちでちょっとご飯に連れて行ってもらった。

 試験会場で見たときより人数、というか妖精数は随分減っていた。会場では目算で数百体規模だったのだが、残っていたのは数十名だった。

 倍率で考えると十倍以上。よく俺はそんな試験に合格できたなと自分の実力に感心している。ちなみに、合格の決め手となったのは技術面が優れていたからだと。身体能力は他よりも劣っているものの、咄嗟の判断や、何より試験官に勝った影響が大きかったらしい。

 レイの剣術指導や、ノーフェスの訓練、猛獣の狩りの経験が活きたなっと実感した。


 ちょっと話を戻して、合格組でご飯に行ったのだが、そこで初めてお金を使った。

 まあ、大半は貴族出身の妖精が払ってくれたので俺自身は割合的にはそこまで払っていないが。

 一時期焼肉の屋台で金を稼いでいたので、そのお店が結構な高級なお店ということがわかった。

 高級なお店は慣れてないと腹を下すと聞いたことがあるが、特にそういうことはなかった。俺の口に合う料理が多く、ちょっと安心した。というか、カフェリアの館で出ていたレベルと同程度であったので俺がどれだけ贅沢な空間で暮らしていたかが良く分かった。


 特徴的な奴らが数人?数体?いたのでその内の三体を紹介しようと思う。

 ああ、面倒臭い。これからは妖精は人で数えることにする。


 まず、一人目。王都の貴族出身のバーリング=セリエスタ。

 人型と言うかはエルフに近い。まあ、エルフ見たことないんだけど。耳が少し長く尖がった、綺麗な緑色の髪をした好青年って感じ。右目が金色、左目が銀色のオッドアイだった。

 セリエスタ家は代々、次期当主が一度妖精騎士に入団することが伝統的なことになっており、平均十数年間妖精騎士を務めた後、当主を継ぐのだと。つまり、彼はセリエスタ家の次期当主という訳だ。


「俺の名はバーリング=セリエスタだ。貴族だが普通に話しかけて欲しい。特技は、そうだな。剣は当然だし、ついでに弓も得意だ。遠距離は自信ないが、近距離中距離の動きのある場合や、森の中みたいな障害物の多い場所での狙撃は得意だぜ。」




 二人目は、狼の妖精ウォルグ。完全に狼の姿をした妖精である。念を押して言っておくが、獣人とかではなく、しっかり狼体形だ。

 紺色の毛はとても厚く、よく砥がれた剣でも受け付けないのが自慢らしい。実際に実演してくれたのだが、剣の方が刃こぼれしていた。

 戦闘スタイルとしては、剣を口に咥えて戦場を駆け回るらしい。ちなみに魔法の系統としては氷系が得意らしい。


「こんななりだが、コミュニケーションは問題ない。ウルフライダーとか憧れている奴が居たら、協力してやる。俺を乗りこなすのは至難の技だがな。」




 三人目は鬼の妖精のゴン十郎。筋肉もりもりマッチョマンが良く似合う体形の赤鬼である。北の雪原に住んでいたのだが、王都に興味を持ったのでノリで妖精騎士に入ったのだそう。

 厳しい自然の中で磨かれた彼の力は凄まじく、腕相撲をしたのだが、全員瞬殺された。ちなみに身体測定においては合格組の中でダントツトップとのこと。主な武器は金棒で彼が振り下ろした金棒を受け止めようとしたら最後、鎧ごとぺしゃんこにされる未来が良く見えた。


「オデ、任務、ガンバル。ミンナ、ヨロシク。」


 取り敢えず、個性豊かな妖精がいっぱいいた。活躍できるように精進していかないといけないなと思った。


 


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