六十三日目
太陽暦934年 7月7日 雷雨 ゼノン=クロック 16歳 所持金104350スター、15246マニー
はてさてなて。
いろいろと凄いことになった。端的に言うと、俺に仕事が回ってきた。
内容は妖精騎士となり、その内部調査をして来いとのこと。
このタイミングなのは俺が先日、何か仕事したいと言ったからというのもあるのだが、一番の理由は先日の南の森での騒動に妖精騎士が関わっているのではないかという疑惑が出始めたからである。
昔はこの館の勢力で妖精騎士の妖精がいたようだが、諸事情でやめてしまったらしい。その妖精の行方を探してはいるようだが、一向に見つかる気配はないのだとか。
しかし、妖精でない俺が妖精騎士になれるのか?と思ったそこのあなた。勿論だとも。妖精騎士になれるのは妖精だけだ。なので、俺を妖精として偽装するらしい。
でも、どうやってと思ったのだが、ジャーニーやカフェリア曰く、とても簡単らしい。
「まず姿についてはそのままでいいな。妖精の姿は千差万別だし、人間と同じ姿ぐらい誰も気にしない。」
確かに、南の町でも数日はバレなかったことを思い出した。でも、注意深い奴には気が付かれてしまった。
「で、ゼノンが問題だと考えている魔法なんだが、正直これも問題ない。実際魔法が使えない妖精がいない訳ではないからね。まあ、大抵そう言う妖精は呪いとかにかかってたりするんだけど、君達で言う手足の欠損みたいな感じかな?」
魔法ってやっぱり妖精には必需品何だな。
「第一、君には弩級の魔法が一つあるだろ? 魔法が強力だったり癖が強すぎて使いこなせない奴も結構いる。ゼノンもそういう系の妖精の振りをすればいい。そして、基礎体力についてだが、力の弱い妖精として通しても良いんだけど、ここは一つとっておきをしてやろう。」
カフェリアはそう言うと、突然俺の目の前に堅牢そうな扉が現れた。
「ちょっとその扉に入って、中にある剣をとってきて来てくれないか?」
俺はカフェリアに言われるがまま、その扉に入った。
その扉の中は明かり一つない洞窟で分かれ道もあったが、なんとなく道はわかった。蛇のように長い洞窟の最奥にたどり着くと、そこには一本の剣が一際大きな岩に突き刺さっていた。
その岩には何か文字が彫られていたが薄暗くて良く分からなかった。今思えばメモしておけばよかったなと思う。
剣の持ち手を握って思いっ切り踏ん張ってみると、俺は思いっ切り後ろ向きにぶっ倒れた。めっちゃ引き抜くのに力が必要そうな雰囲気を醸し出しておいてあっさりと抜けた。
その剣を持って、カフェリアの元に戻ると、この剣を持っていると大丈夫だと言われた。どうやら、この剣には特殊な術が施されているらしく、己を妖精に偽装し、大気中の魔力を利用して身体を強化するのだとか。
大昔、妖精の国に迷い込んだ人間もどきが面倒ごとを起こさないために作った剣の一本なのだとか。剣の数は計六本あるらしく、その一本を彼女は所有しているのだとか。
貴重なものだと思ったのだが、カフェリア曰く妖精には不要なものなので、結構安かったらしい。
取り敢えず、これから数日間はこの剣を使いながら妖精騎士に入団するための試験に向けての勉強をしていくことになる。
さてさて、これから忙しくなるぞ!!




