六百六日目
太陽暦935年 12月31日(水) ?
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さて、終幕だ。
昨日は三つ首の獣の模造品と古の魔王が戦い始めたところか。
結果としては模造品は破壊されたの一言に尽きる。自壊したというのが正しいだろう。模造品とはいえ、世界の頂点に君臨する者達の力。数時間全力稼働させられたことが奇跡といっても過言ではない。
そして、古の魔王も無事ではなかった。力の八割以上を消失。意思の力もほとんど使い果たしたため呪いの効果もほぼ無効化されてきた。正気を取り戻した関係上、自身に掛けられた制限をある程度取り払い、四肢と顔を取り戻したのは良いものの、絶対的な力は失ったというべきか。
その事実として、先程までは無視していた兵器による砲撃を防御するようになってきた。
そんな状況において、カト達との決戦は激戦が行われた。魔王優位は変わらずとも天地であったはずの差は手も届くほどまでに。
胸には魔槍による穴が開き、四肢は白炎による火傷、銃撃砲撃などによる攻撃も着実に蓄積されていく。
総力戦だ。魔物たちは武器を取り、兵器に手をかけ、ただひたすらに集中砲火を行う。カトとハクラス、フェリンが中心となり攻撃、妨害や防御補助などのサポートはケーディウス達やゼノン達が入る。
そして、また同じ轍を魔王は踏んだ。
依り代を求めた。呪いを広域に散布し、あらゆる者達に自身の因子を埋め込んだ。完全顕現こそ当分先になるが、未来にも存在を残す。それを考えるならば最善ではなかろうが、良策と言えただろう。ゼノンは黒晶でできた玉を有していなければ。
三つ首の獣と同じく、頂点に座する者。黒晶の怪物ワルナトロティカ。
現在こそその活動をしていないが、全ての黒晶はワルナトロティカに繋がっている。それをわずかとはいえ侵食できてしまうほどの力があるのが不運した。
千年前と同じく、黒晶からの自動的な反撃を受けた。前回は万全に近く、そこからでも生き残れる力があった。だが、今回は違う。
古の魔王は、その残滓である呪いは黒晶と化した。
あっけない終わり。ドラマチックでも何でもない。自爆だ。悲しきかな、これが真の意味での魔王の最後であった。
では、ここで私も失礼するとしよう。
君達が戦ったのが古の魔王の感情であったのならば、私は古の魔王の理性の一つ。古の魔王が完全に滅びたことにより私の存在も連鎖的に滅びるのが運命だ。
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