六十一日目
最近、テストが近づいてきたり、出さなあかん書類があったりなど、ストレスマッハです。
太陽暦934年 7月5日 曇り ゼノン=クロック 16歳 所持金104350スター、15246マニー
今更ながら、7月に入った。普段なら暑い暑いと言っている時期であるが、この妖精の国ではそうではない。
どうやら、季節が巡るという概念がないらしい。代わりにと言えばいいのか、場所によって気候が違う。
妖精の住む島の北が常冬、南が常夏、西が常秋、東が常春なのだとか。そして、中央の王都は暮らしやすい穏やかな気候である。
ここに王都ができたのはこう考えると島の中央のこの場所に王都があるのは必然と言えるだろう。
さて、レイから聞いた話は置いておくとして、今日は訓練の後、大したイベントも起きなかったので、部屋でゆっくりと空を眺めていた。
ポケーッと空を眺めていながら、いろいろと思いを巡らせていた。俺は帰れるのか、元の世界に戻ったとしてどこに出現するのか、本当に魔王を倒せるのか等々の不安が俺の中には溜まっていたことに気が付いた。
普段は忙しかったり、剣術やマナー講座、スパルタ座学でヘトヘトになっていたり、レイやカフェリアと話したりすることで気分を紛らわせたりしていたが、ふとした瞬間に来る不安の波がとても心を重くしていた。
口では故郷に帰られないことを覚悟していると言いながら、実際はホームシックになりかけている精神状態である。多分だが、カフェリアは俺の精神状態を見抜いている。
妖精にも格というものがあるらしく、それこそ、王族のカフェリアの格は最上級かそれに準ずるレベルとジャーニーの授業で習った。彼女の眼なら俺すらも気が付いていない深層心理すら見抜いているのだろう。
このまま俺がこの館で暮らしていると、俺はここの妖精たちに依存してしまう気がする。そろそろ、外に出て何かしらの行動を起こすようにしていく必要がある気がしてきた。
と、言っても、奴隷の身分にある俺が自由にできることなどほぼない。ジャーニーさんや、カフェリアから何かの任務で外に出れる機会はないだろうか。勿論逃亡する気ではないが、少なくとも何もしなければ俺が腐っていくことは確実だろう。




