六百四日目
太陽暦935年 12月29日(月) ?
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いやはや、これは予想外。
古の魔王よ。まだ自己の保存に拘るとは。正気に戻ればてっきり自害、ないしは隠居するものだと思っていたのだが、まさかまだ暴れるとは想定外だ。そこまで人間が憎いのか。復讐の鬼といったところ。既に相手はいないというのに。我ながら八つ当たりは醜いと言わざる得ない。
さて、戦況から言おう。
まず、カトとハクラスは復活。代わりにフェリンは休憩に入った。魔法陣は変わらずに動作し続けているが、この地域の魔力濃度が極端に減少し始めている。まともに魔法陣が動作し続けるのは明日までだろうか。
ゼノンとミーリャは久しぶりの再開。ミーリャは自身を人形化させてゼノンの肩に乗りゼノンをサポート。アイナは自身が帽子であることからゼノンに自身を被らせる。ゼノンはルウォの背に乗る。
三位一体は聞いたことがあるが四位一体とは面白い。魔術による疑似的な同一化により経験や知識の共有は勿論、意識の同期すらも行われている。一つの肉体に四つの意識が存在しているような状態だ。阿吽の呼吸が必須となるが、使いこなせれば大きな武器となる。事実として、ルウォの四足で流星を見事に制御した。
この状態でカトとハクラスのサポートに回っている。必須ではないが、あればうれしいほどの手助けはできている。
問題は古の魔王が明確な意識を取り戻したこと。意識がある以上感情がある。感情がある以上呪いが発生する。
呪いが呪いを生む。自己増殖する呪いなど、悪夢以外の何物でもない。我ながら魔王の呪いは無法であると実感する。
怒りは周囲を火の海に変えた。
侮りは重圧となって自由を縛る。
苛立ちは紫電の龍を走らせた。
勝負は見えたか。どこまで耐えられるか、それとも―――。
期待だけはしておこうか。
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