五十九日目
太陽暦934年 7月3日 曇り ゼノン=クロック 16歳 所持金104350スター、15246マニー
今日から所持金についても日記に記載することにした。なんでも、カフェリアに日記を見られて、
「金の管理も一緒にすれば良いのに。」
と言われた。
確かにと思ったので、そうすることにした。ちなみに「スター」というのは妖精たちの通貨である。果たし金のようにカフェリアから渡されたのだが、絶対結構な額あると思う。これでもちょっとの期間、南の町で商売していたので金銭感覚は一応あるつもりだ。
ジャーニーさんに一応貰ったことを申告したのだが、
「私は王女殿下の配下でございますので。」
と言って、特に没収とかもされなかった。
まあ、金があっても外出するつもりはないので特に意味はないのだが。
そう言えば、カフェリアのいる空間で流星の練習をしてもいいと許可を貰った。勿論、許可をくれたのはカフェリア自身だ。ちなみに交換条件として一日二時間、笛の練習もそこですることが決定した。
書庫には大量に楽譜があったので練習曲には困らないだろう。
ちなみに俺は楽譜が読める。勿論、細かい符号まではわからないが、音符の高さや長さを読むことはできる。
いつ習ったのかは、忘れた。どうせ、本でも読んでいる最中に勝手に覚えたのだろう。俺、優秀だし。(←嘘つけ)
そう言えば、夕方に館の窓から遠くを眺めているととても大きな妖精を見た。
一般的にあのデカさは巨大種と呼ばれ、俺が見たのは鬼の巨大種の妖精だった。巨大種は北の町や北の森より更に北、極北の雪原に比較的多いらしい。彼らは数の少なさと一体一体の強さもあってか、同種との交流も少なく、個で活動することが大抵なのだとか。王都にくるもの珍しく、一緒に見ていたレイは
「気まぐれに散歩しに来たんじゃないか?」
と言っていた。ちなみに、マジでデカい。山のようにデカい。比喩でもなんでもなく、横に倒れて貰って俺がその上を走るのだとしたら、頭から足まで十秒以上かかりそうなくらいに。
「ちなみにジャイアントは魔法をあんまり使わないって聞いたことがあるぞ。何でも魔法を使うよりその質量で殴ったほうが強いからな。でも、普通に魔法は使えるぜ。」
質量がデカいだけでも脅威なのに、あんなのが、他の妖精と同じように魔法を使うとか考えるとゾッとするな。いつかあんな巨体も簡単に倒せるぐらいに強くなりたいな。




