五百八十三日目
太陽暦935年 12月8日(月) ?
ゼノン・クロック 17歳
はてさてなて、今日は俺も兵士の訓練に参加した。
普段の教官はゴクウだが、サブでハクとカトが付いている。二人は最近は一日ごとに決戦場の製作と教官を交代でしているのだとか。そして、今日は二人とも来ている。
理由としては程々に強い上に魔力操作の技術が高いからとのこと。ハクやカトに程々と言ってもらえるほどの力があると誇るべきなのか、程々程度の力しかないと落胆するべきなのか。とりあえず一定以上の力はあると認められているということだろう。
「さて、今日はこの国の王となった人間を連れてきた。王子派として戦っていた者達は知ってると思うが、こいつはこいつで程々に強い。そして、こいつの強さを支えているのは先日も教えた魔力操作になっている。今日は良い手本として見ておけ。」
俺はカトと手合せをすることになった。
どうやら、先日まで魔力を認識し、それをうまく操作して身体能力を向上させるという鍛錬をしていたらしい。それで、俺が良い見本だからということで連れてこられたという経緯である。
「手加減はしてやる。全力で来い。」
カトは槍。俺は剣である。魔法および術は禁止。あくまでも魔力操作による身体強化という点だけを見るようだ。
「じゃあ、よーい。スタート」
ハクの言葉で始まった。
まずは一合。剣と槍がぶつかり合う。
剣と槍。リーチを考えればこちらが不利であることは明白。定石としては隙をついて懐に潜り込む、と言ったところだろう。しかし、これは不可能であった。
「さあさあ、うまく受け流せよ。」
相手は数万年も槍を振り続ける生粋の戦士。反応速度、身体能力、戦術眼など、そのどれをとっても敵う訳がなかった。
ブンブンと振り回される槍を躱し、受け止める。カトの狙いとしては、この槍を防ぐ、または避ける際の身体強化を兵士たちに見せつけることだったのだろう。あとから聞いたのだが、カトは洗練されすぎていること、ハクは大雑把すぎることから見本となる教師としては不適格だったらしい。
さて、話を戻して手合せだが、最終的に俺は大きくぶっ飛ばされて終了した。一矢報いることもできず無念である。
「流星が使えたら面白そうだったのにね。」
ハクはそう言ったが、それを解禁した場合、俺はカトに魔術を使われて一瞬でのされてると思う。もしくはやり投げ一発で。
まあ良い見本になれたのなら結構である。
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所持金:99525マニー、98760ゴールド
貯金額:901700マニー、84913スター
身分証:冒険者証(緑)、騎士章、迷宮探索許可証
武器等:魔法の剣(雷撃、重量変化)、丘の剣、笛、鉄製のブーメラン、鈎爪付のワイヤー
装備等:ヤーピリオンの腕輪(魔力貯蔵)、竜麟製のペンダント(身体操作)、夜火華の指輪
所持品:開かずの小瓶、黒晶玉、羽ペン、魔術基礎(悪魔式)、奪光石、魔法の眼鏡、魔術式連絡紙、大学合格通知書、釣り道具、簡易折り畳みテント、勉強会での集合写真、邪龍の鱗(エリエスの邪龍)
魔法等:流星の魔法、静止の魔眼、幻破りの魔眼
仲間:ミーリャ、ルウォ(キンジオオカミ)
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