六人(当時は五人)の冒険より
「昨日は大変だったな。お陰で昨日の夜は話題に困らなかった。」
自然豊かな森の中、二人の男女が雑談しながら歩いている。
男の名はワルド。2メートルを越すぐらいの大男であり、爬虫類のような黒い尻尾を持っている。
そして、もう一人はカノンである。風を操る異能を持ち、十代の頃から大陸とハルル島を繋ぐ船乗りとして海運業を営んでいる強かな女性である。
時は太陽暦以前。神代の最末期と言われる時代である。二人は白獣のハクや風丸と共にアルマス、つまり白きヒトの旅に同行していた。のちにこの五人と当時はまだ加入していなかったフェリンを合わせて「六人」と呼称されるようになる。
「それはどうも。アルマスには昔からああいうやり方が一番だからしかたないわ。最近は耐久力も上がってるから加減しなくて良いのが楽ね。容赦なく吹っ飛ばせるから。」
「鬼畜だな。」
ワルドはグロッキーになったアルマスを思い出してクックックと笑う。
この前日、アルマスはハーロルに残っている黒騎士ロットと模擬戦を行い、地形をぐちゃぐちゃにしている。その結果、ロット含めアルマスはカノンから大目玉(鉄拳制裁)を喰らった。その話題を肴にワルドはハクや風丸たちと楽しく夜に騒いでいたという訳である。
現在、彼らが歩いているのはハーロル近郊にある森の獣道。先日ハーロルで発生した大規模な魔獣の大量発生により、この森にも多くの魔獣が潜んでいる。勿論、人間を発見すれば、本能的に襲い掛かってくるものである。
そして、今にも一匹の魔獣が二人を見つけ、狙いを定めている。しかし、狙う相手が悪かった。次の瞬間、突風が吹いて魔物は近くの岩に激突して死亡した。
「あいつは勉強は出来るけどバカだから、こうでもしないと学ばないのよ。ナーニャもアルマスが考えなしに超弩級の大魔法を放って迷惑したって言ってたし。あっ、ワルド。そこの草回収しといて、薬の原料になるから。」
「あいよ。」
風を起こした張本人は仕留めた魔獣を気にせず話を続ける。彼らにとってただの魔獣は話を区切るほどの脅威でも話題でもないというわけだ。だが、油断している訳ではない。
二人の目的は親個体と呼ばれる魔獣を生み出す魔獣の討伐漏れがないかのチェック、それとついでに商売に使えるような素材集めであった。
ワルドは指の先から黒晶を生やし、指示された薬草を刈っていく。
「そうは言っても、お前も結構悪のりするじゃねえか。リアナからカルワルナに行ったときみたいな感じで。まあ、俺達の中では風丸と並んでのツッコミ役ではあるが。」
アルマス達一行は二十歳にもいかない青年、いや少年少女の集まりと言っても過言ではない。物事を深く考えずノリと勢いで動いてしまう年頃に加え、皆が補完し合えば大抵の事はリカバリーができてしまう以上バカをする回数も結構多い。カノンもいつも止め役という訳ではなく率先して乗ることも少なくはない。
「そう言えばそのあなたの生成する結晶って加工出来るの?なんならそれで商売してみない?」
カノンはワルドの黒晶に話題をそらした。
「あー、それは無理な相談だな。」
ワルドは数秒考えたあと、そう答え言葉を続ける。
「人の能力を金儲けに使うなとか言うしょうもない倫理観の話ではないぜ。この能力は良い意味でも悪い意味でも俺次第過ぎるんだ。生成した結晶は最硬で外部からの影響を全く受けないが俺の気持ち次第で簡単に変化しちまうんだ。例えば俺が猛烈に怒ったとき、その時存在している結晶が一斉に成長侵食を始めるなんて可能性もある。そんな不安定で危険な物を売れるかと言われれば俺は無理だ。」
ワルドの異能は黒晶を生み出し、破壊すること。正しくは彼の内在世界に封じられた「ワルナトロティカ」の黒晶を再現し自在に操る力である。
「確かにそうね。今の話は忘れて。」
話題そらしのつもりが思ったよりもしっかりとした返答が返ってきたことに加え、周囲の空気が変わったのを察し、カノンは話を切り上げて、風で自身を空高く押し上げた。
「ワルド、百メートル先にちょっとした陥没があるわ。自然のものじゃなさそう。」
森の中に一つぽっかりと陥没していた地点がある。アルマスならまだしも魔力に疎い彼、彼女にはわからない話であるが、いつ魔竜が発生してもおかしくないほどの強大な魔力が渦巻いていた。
「やっぱ、ここらが当たりだったか?」
当初の見立て通りと言えば、その通り。よく観察すると、その陥没を中心として周囲の森に潜む魔獣が散らほら。カノンはワルドに視線を送り、頷いた。
「では、皆殺しの時間だなぁ!」
全身から黒晶が現れ、鎧のように、いや鱗のようにワルドの身体にまとわりつき、そしてその躯体を構成していく。
顕現するは黒色の怪物。鋭く巨大な四つの剛腕。その体躯を支える太く強靭な二本の脚。頬まで裂けた大顎には針のような歯が並ぶ。全身は黒晶に覆われ、至る所からは槍のように鋭い棘が突き出している。長い尻尾は剣のように鋭利であり、軽く薙ぐだけで大木すらも両断する。
魔獣よりも魔獣していると言ったのはアルマスだったか。そんな言葉が出てしまうのも仕方がないだろう。
怪物は瞬く間に魔獣の軍勢を蹂躙していく。上空で待機するカノンの仕事は僅かな討ち洩らしを掃除していくだけ。
一分もかからずに掃討は完了した。ワルドは元の姿に戻り陥没した場所に立つ。どうやら、親個体はいなかった。代わりに黒い髑髏が置かれているだけ。大きさは人のものよりも数倍大きかった。
「なんだこれ?」
魔力を感じ取れないワルドにも流石にそれの放つ異様な雰囲気を感じ取れないほど鈍くはない。
「何かあった?」
遅れて到着するカノン。
「多分、これが原因だと思うんだが、この骨に何か心当たりあるか?」
ワルドがカノンに聞くが、カノンにもわかるはずがなかった。
「持って帰ってアルマスに聞く? アルマス自身がヘーテスからいろいろ聞いていたし、もしかしたら本に載ってるかもしれないから。あと、何か変な感じするし。」
カノンは少し考えた後、そう提案する。アルマスはこのパーティーでは一番の知識を持っている。
「確かにそうだな。」
ワルドは黒晶で体を覆うこともなく警戒なしに髑髏に近づく。
そして、ワルドが髑髏を触れた瞬間、ワルドは吹っ飛んだ。いや正しくは押し出された。
「えっ?どうしたの!?大丈夫?」
焦ってカノンがワルドの方に向かう。
ワルドは岩壁に打ち付けられたが、身体は黒晶で覆われており、ダメージはない。ワルドを覆う黒晶は反射的に発生したものであり、それは外敵を遠ざけるように棘の玉のような状態であった。
「どうなってんだ、これは?」
特に黒晶の量が多いのは髑髏に触れた腕の部分。大量の巨大な結晶が生え、それが髑髏まで続いている現状に驚いた。
「吹っ飛ばされた? いや、その前に引き込まれるというか入ってこられるような感じがしたが?」
ワルドは腕から生えた黒晶を切り離し髑髏を見る。ワルドは無傷。対して髑髏は半分以上が黒晶に侵食され、骨の部分は三割も残っていなかった。
「何があったの?怪我はない?」
焦った様子でカノンはワルドに駆け寄ってきた。
「怪我はない。あの髑髏に触るな。理屈はわかんねえが乗っ取られる気がする。予想だが、俺を取り込めるほどのキャパがなく、逆に俺の持ってるのに耐えれなかった結果ってところか?」
ワルドの推論はほぼ当たっている。
その髑髏は魔王の素体、すなわち器であった。髑髏に触れた生物を己の糧として吸収する。通常の生命、あの悪魔や竜種であったとしても対策なしに触れれば問答無用で瞬時に捕食されていただろう。だが、運が悪かった。ワルドに封じられているそれは魔王程度が御せるようなものではない。
「それは良かったわ。で結局この髑髏どうする?」
「完全に結晶化させて封印するっていうのが正解じゃないか? こんなよう分からんものを放置するのは危険すぎる。」
ワルドの主張は最もだ。だが、それができればの話ではあるが。
「そうね。とりあえずワルドは作業をお願い。私は・・・」
カノンがそう言いかけたとき、髑髏からは二人であってもはっきりと感じられるほどに濃密で禍々しい魔力が発せられた。
「アルマスを呼んで来てくれ。」
ワルドはカノンを避難させることも兼ねて指示を出す。
「わかったわ。じゃあ。」
カノンは了承すると風を使い高速でアルマスのいる城跡へと向かった。
「お前は誰だ? 人間じゃないよな?」
ワルドの視線の先にはいつの間にか真っ白の仮面を被った男のようなものがいた。人の姿をしているが、人ではないことはなんとなくワルドでも感じ取れた。仮面の男が何かしたのか残っていた髑髏の部分は塵と化して、そいつの手のひらに集まり、普通のサイズの髑髏が出来上がっていた。
ワルドは地に手をついて大地を媒介に周囲一変を黒晶化させるが、仮面の男は軽く浮き上がり黒晶化を免れる。
「目的は何だ?」
仮面の男は答えない。そして、次の瞬間男は陣を展開した。
"サモン ドラゴン"
次の瞬間、巨大な龍がワルドの真下から喚び出された。
「ぬあっっ?!!!」
ワルドにその飛び出してきた龍をよける暇はなく、ワルドは一気に上空へと打ち上げられた。そして、そのまま龍の顎がワルドをかみ砕かんとする。
「舐めるな!」
しかし、ワルドは一瞬で黒い怪物に変身し、龍を瞬殺するとそのまま仮面の男に襲い掛かる。
"サモン"
「雑魚が!!!」
仮面の男は陣を大量に展開し、魔獣を大量に召喚したが、ワルドは目の前に出現した魔獣を一瞬で結晶化させる。ワルド相手には龍も魔獣も数秒の時間稼ぎにしかならない。だが、男にとってその数秒が重要だった。
仮面の男は髑髏を塵にしてそれで陣を書いた。
"ハイジョ スル"
黒い光線が放たれる。黒い怪物の胸にポッカリと空いた貫通跡。
"ソレ ニセモノ"
黒晶は決して壊れぬ不壊物質。しかし、それはオリジナルの話。ワルドの物はあくまでも劣化コピー。壊れにくいが壊れない訳ではなかった。
仮面の男はこの場を離れようとするが、すぐに足を止めた。
"ナイブ ヒト カクニン シッパイ"
黒い怪物の中に人の姿がなかったのだ。
仮面の男は咄嗟に障壁を張ったのと同時に黒い拳が飛来する。
「ちっ、気付かれたか。」
黒い怪物であった。仮面の男の目の前には胸がポッカリ空いた黒い怪物がいるが、それとは別の個体である。どうやらワルドは仮面の男を警戒し、結晶の人形を戦わせていたのだろう。
ワルドは障壁を黒晶化させ、破壊すると同時に男を切り裂き、ぶっ飛ばす。
「えらく頑丈だな。」
仮面の男には傷一つとしてない。仮面の男は着地せず空中で体勢を整えると塵となった髑髏を自身の中に取り込んだ。
"カイセキ カンリョウ"
すると、黒球を生み出し、そこから黒いビーム何本も放つ。
"モホウ セイコウ"
先ほどと同じ光線である。ワルドの生成した黒晶に限らず、全ての物質を貫通する光。この穴は一体どこまで続いているのだろうか。
仮面の男はワルドをビームで追い詰めると同時に影から大量の人の形をした何かを出現させる。そしてその全てが何らかの異能を持っていた。
「多種多様過ぎだろ?!!」
あるものは炎を放ち、あるものは獣となり襲いかかる。強力な身体能力で大剣を振り回すもの、巨大化するもの、透明化するもの、数えだしたらキリがない。
大多数は一瞬にして結晶化されるが、その町一つの全ての人間から集めたぐらいにはある能力の多彩さはワルドを翻弄するには十分すぎた。
「鬱陶しいわ!!!」
そして、疲労により苛つき冷静さが少しずつ削られ攻撃が少し大振りになった瞬間を仮面の男は見逃さず、必殺のタイミングでビームを放つ・・・はずだった。
空間が置換され、仮面の男の背後に抜き身の刀を持った鬼人の風丸が現れる。
「空斬り!!!」
仮面の男は空間ごと頭から綺麗に真っ二つにされた。そのまま空間の裂け目からは時空の狭間より流れ込んだ莫大な負のエネルギーに飲み込まれた。
「増援に来たぞ。」
少し遅れてアルマスがカノン、ハク、ロットを転移で連れてきた。アルマスはすぐにワルドに疲労回復をかける
"イレギュラー ハッセイ タイオウ フカ"
「何で生きてんだよ。」
アルマスは真っ二つになり、さらに負のエネルギーに飲まれたのに生きている仮面の男にそう言った。
「お前はそれを言える立場かよ。」
ロットは昨日の模擬戦を思い出しながらそうツッコむ。だが、アルマスの不死性も大概だが、ロットも大概である。実質無限に分身でき、その分身を全て倒さないと死なないロットも戦いにおいては実質不死身のような存在であった。
「予想だがあいつは負のエネルギーを操作できる。俺の結晶が消滅させられた。考えたくはないが何かしらの耐性を持っている前提でやったほうがいいと思うぜ。」
ワルドは全員にそう忠告すると、風丸は仮面の男から距離をとり、取り敢えず、ハクが適当な火力で男を炙った。
「負のエネルギーって何?」
ハクはワルドに質問した。
「初戦でお前を貫いたり、ダメージを与えたりした時に使ったもんだ。原理としては、この世界は正で、外の世界にある負のエネルギーと衝突すると対消滅が起こるって感じだと俺は認識している。」
「それは面白いね。で、こいつの耐久性は何なの? 燃え尽きそうにないんだけど。」
ハクの能力により周囲を火の海と化しており、岩などは既に溶けていた。他の奴らはアルマスの結界により問題ないが、男は火の中で真っ二つの状態で全く動きを見せない。
"タイオウ フカ チエ ホッス ケンサク モホウ セイコウ ギジジンカク サクセイ セイコウ シュドウケン ジョウト"
瞬間、炎は吹き飛んだ。
"ホウソク カイヘン セイコウ"
中からは赤みを帯びた三メートルぐらいの黒い骸骨が現れた。
「我こそは、、、、何だ? 見覚えがあるようなないような顔ぶれだな。取り敢えず、殺して、、、食うか。」
骸骨は流暢な言葉で言葉を紡ぐ。現状を打開するために明確な知能、そして何よりも自我を獲得したのだ。それが吉と出るか凶と出るか、それはこの後の戦況で判断するしかない。
骸骨は長い骨を生み出し、手始めにカノンにそれを投げつける。
ハクは咄嗟に白い獣となり、それを破壊する。
「グオォォォーーーーン!!!」
大量の熱を伴ったハクの咆哮が骸骨に浴びせられる。骸骨は吹き飛び、辺りの岩石は一気に溶解した。
「雷撃!」
すかさずロットが雷撃を放って追い撃ちをする。骸骨の逃げ道はワルドの黒晶によって断たれており、周囲はカノンによって出鱈目な暴風とハクの炎で囲われている。
「うざい!!」
骸骨は能力で爆発を起こして体を吹き飛ばし、そこから脱出する。骸骨は直ぐに影から盾を取り出し風丸の攻撃を防ぐが、鬼化と身体強化がかかった風丸の横なぎに大きく吹き飛ばされる。
ハクは人型になり、刀身が赤く変化した虚剣を持って骸骨に斬りかかる。
「頑丈だね」
骸骨はハクの攻撃を腕で受け止めている。骸骨はすぐさまビームを放ち、ハクを離れさせる。ハクはこのビームはまずいと感じたのか大袈裟にビームを避け、地上に着地した。剣による衝撃は骨にダメージを与えているようには見えないが、少なくとも熱は感じているようだった。しかし、ハクの虚剣に触れた地面が簡単に溶けていることから、骸骨の耐熱性が凄まじいことも窺えた。
「ちっ、大人しく死ねよ」
ロットが骸骨を首を飛ばすが骸骨は問題なく動き、手刀でロットを貫き、黒い鎧がそこに倒れる。
「貴様も大概だがな。」
骸骨はまだまだ存在しているロットを確認してそう言った。骸骨は飛んだ頭を回収しようとするとカノンの竜巻により胴体も吹き飛ばされた。
竜巻のなかにはアルマスが用意した様々な物が飛んでおり、骸骨の胴体はガンガンと弾かれまくる。
「この程度でこの俺を殺せると思ったか!!」
相当イラついたのか、明らかに必要以上の大爆発を起こして骸骨は竜巻から脱出する。骸骨は力をため更に巨大な爆発を起こそうとするが、
「ここだ!」
アルマスがタイミングを見計らって細工を施した虚剣を発射し、暴発させた。
「うざい、うざい、うざいうざいうざいうざい!!!!!能力検索、、発見、模倣、成功、結合、成功、増幅、起動、雨鉾」
骸骨は天に手を掲げ、下ろした。その動きに合わせ巨大な鉾状の水の固まりが空から落ちてくる。直径は二キロあるだろうか。高さについては先が見えない。
「食欲も湧かないゴミは綺麗に洗い流なければな!!」
骸骨は明確な自我を得てから自身の力に酔いしれていた。真っ二つになっても死なない体、数千、数万とある自身が把握しきれないほどの能力の数、万物を見透かせることのできるであろう眼、増長するには十分な程の性能であろう。なので、彼は格上に対して失言をしてしまったのだ。
「僕がゴミ? 舐めるなよ!!」
骸骨の発言にハクが切れて角が光輝く。ハクの目にはもう水の塊と骸骨しかない。本能的に危険を察知した風丸はハク以外全員で限界まで転移し、ハーロルへと帰還し、アルマスとワルドが高速で障壁を作成した。
ハクに与えられていた虚剣は白い炎に変化してハクと同化した。
骸骨は危険に感じたのか、雨鉾の数を増やし、それぞれの密度を上げ、落下速度を増し、自身には障壁を何重にもはる。しかし、その作業も中途半端に終わってしまう。
「スウウウウッ!!」
ただハクが大きく息を吸っただけて、この周囲の熱は完全に奪われてしまった。先ほどまで大きく燃えていた炎は一瞬にして消え、周囲の全てが固体となって全ての動きは停止する。
骸骨は逃走する必要があると判断したが、固体化した空気によって少し動作が遅れた。その一瞬が致命的であった。
「なっ?!」
アルマスと風丸が遠くから空間を歪め骸骨の転移を妨害した。骸骨は逃げれないことを悟り、ハクに向かって今この瞬間に出せる最大のエネルギーで黒いビームを放つ。
「クソがぁぁぁ!!!」
「グオオオオオオオオ!!!!」
ハクの咆哮と共に凄まじい勢いで白炎の柱が天を貫く。骸骨の漆黒の光線は刹那たりとも拮抗することできず、雨鉾も瞬時に蒸発した。
水が蒸発したことによる巨大な水蒸気爆発、ハクの白炎の熱による地面の蒸発と上昇気流により、周囲はクレーターのような大きな窪みとなり、ある程度離れた森も炭化、全焼した。
ハーロルからアルマス達は火柱を呆然と眺める。ここからの眺めでは細い一本の線であったが、その熱はここまで伝わってくる。全員がその威力に絶句しており、彼らは生物としての格の違いを改めて実感した。
「ハクってスゴいんだね!」
ハーロルで保護されていた名前のない少年は呑気にそんなことを言っている。アルマス達は頷くことしか出来なかった。
因みに骸骨はアルマスの探知にはもう引っ掛かっていない。蒸発したのか、吹っ飛ばされたのか、上手く逃げたのかは不明の状態であった。
「小説家になろう」に投稿している「聖剣の担い手探し」の「59.髑髏」「60.失言」から持ってきました(セリフなど状況はあまり変わりませんが、ナレーション等を変更しております)。
「聖剣の担い手探し」は白きヒト、つまりアルマス達周辺の人たちがメインの物語です。時代としては千年ぐらい前です。世界の設定等(特に魔術周り)は細かいところは違ったりすると思いますが、起こった出来事としてはほぼ同じです。
興味があれば覗いてみてください。
しかし、完結はまだしてません。
というか、最近投稿サボってます。すいません。
今後の展開に多少関係する(予定)なので入れときました。




