五十二日目
太陽暦934年 6月26日 曇り ゼノン=クロック 16歳
はてさてなて、ついに始まりましたオークション。
後付け解説はこの私、自称売られる者代表、ゼノン=クロックがお送りしております。
まず、最初に出品されたのは北の鉱山で取れた巨大な宝石。宝石は単純に装飾品としても人気であるが、その優れた硬度や魔力との親和性が高いことなどの特徴があり、多方面からの需要がある。
買い手が王侯貴族や豪商と言うこともあり、妖精における金銭感覚を未だつかめていない俺でも明らかに凄まじいとわかる額がボンボンと提示されていった。
最終的に金額はわからなかったが、土系の妖精がその宝石を買い取った。完全な偏見だが、加工して価値を付与し、またオークションにでも出すつもりだろうか。
この後も、同じような貴金属や武器など、中には外界からの漂流物などが出品されていた。中には珍獣とされる生物が出品されていたが、人間の俺からすれば、この妖精の世界の生物の全てが目新しい物だったので、何が珍しいのかさっぱり分からなかった。
「さて、ここまで計十七品。そろそろ退屈してきた頃ではないでしょうか? しかし、ここまでは前座。皆様お待ちかね、奴隷コーナーに参りましょう!!」
ここまで、結構な品物が登場していたような気がしたが、オークション商の妖精はここまでを前座と言い切った。妖精でも奴隷はやっぱり人気のようだ。
それにしても大抵のことは魔法でちょちょいのちょいでできてしまう妖精に奴隷はどのような価値があるのだろうか?と、このときの俺は思った。
まず、記念すべき奴隷の一体目は少し小汚い小女の妖精であった。どうやら、親妖精に邪魔だなと思われて売られたようだ。ちなみに売られるのはマシな方らしい。普通に殺されるなんてこともあり得るそうだ。
美形ぞろいの妖精の中でも比較的綺麗な顔立ちをしており、一部の妖精たちが凄まじい勢いで金を積んでいった。妖精にも性欲があるらしい。
まあ、でも、その売られる妖精はその光景を見て恍惚としていたので深く考えないでおこうと思った。
次に出てきたのは犯罪奴隷となった猿型の獣人の奴隷となった。罪状は窃盗、妖精の強姦、殺害等々。うん、極悪人ならぬ極悪妖精だね。彼の目は次の獲物を狙う目をしていたので買った人はご愁傷様というべきとも思った。ここで値札を上げるのもこれまた少数。マジでどういう神経でこいつを飼おうとしてるのかね。
三体目は剣を持った老いた妖精であった。どうやら、ギャンブルに負けてその身を奴隷まで落としてしまったらしい。剣技に自身があるらしく、舞台上では見事な剣の舞を披露していた。これは結構好評価であったらしく、前の二人と比べて明らかに上がった値札の数が違った。
さて、今日のオークションはここまで。俺のターンは明日以降のようだ。貴族様は忙しいようで、そんな長時間も暇はないらしい。なので、オークションは数日にわたって行われるとのこと。
妖精の仕事って何だろうね。




