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勇者日記  作者: かざむき
ハルル編
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三十日目

太陽暦934年 6月4日 晴れ ゼノン=クロック 16歳


 さて、早速今日から訓練が開始した。と言っても、いきなり魔法の加護を受けた訳ではない。


 まずは機動力の確保ということで、パルクール?というのをやってみた。具体的にはカオナシが木で作成した海上大広場で走りまくった。障害物がいっぱいあって、次々と跳んでくる魔法攻撃を避けまくった。


 障害物はいろんな形で体を上手く使うことで壁を登ったり、壁キックなんていうのもやってみた。

 狭い足場を駆け抜けるのは意外と難しかった。手のひらサイズの柱を足場に駆け抜けようと思ったんだが、難しいのなんの。

 前から飛んでくる水鉄砲や時々飛び出してくる木の蛇に気を配らないといけない状況では足元がおろそかになってコケまくった。


 ノーフェスからは「このぐらいは呼吸のように軽くできて貰わないとブーストされても力を扱えきれない」とのこと。叩き斬るだけとか単純動作なら問題ないが、魔族相手なら機動力は必須になることは目に見えている。努力していかないとなと思った。


 そう言えば、昼飯頃に何で鍛えてくれるのかを聞いていみた。


「昨日寝ながら思ったんだよ。魔族との戦いになったとき、足手まといがいると死活問題だからかな。逆にうまくサポートしてくれるなら生存率も上がるしね。」


 ノーフェスからの足手まとい宣言。わかってはいたが正面から言われると痛いものである。


「カオナシは知らないけど、俺は環境によってかなり力が制限されるからね。安定してどこでも戦える人が欲しいんだよ。冒険者のランクでいうところの6ぐらいかな?」


 ランク6とはかなりの贅沢だなと思ったが、あのレベルの魔族と争うとなると確かに欲しい。というか、このままだと永久就職コースになってしまうのではと心配になったので聞いてみた。


「いいや。普段はそんな危険なコースを航海することはないんだけどね。でも今回は違う。どうなるか分からない海流の上にいるんだ。鍛えられる戦力は鍛えておいた方が良いだろう。」


 確かにと思った。そして、ノーフェスは俺に期待をしているということもひしひしと伝わってきた。それに応えられるように頑張らねばなと思った。

 それでも、俺はノーフェスに一言申したいことがある。いくら命がけの方が効率がいいからと言って、掠ったら即死するような攻撃をバンバン撃たないで欲しいな。

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