二十日目
太陽暦934年 5月25日 晴れ ゼノン=クロック 16歳
えーっと、何から話そうか。
いや、何から書こうか。が正しいか。
船酔いで吐きそうで、頭が痛いです。
取り敢えず、今日俺はハルル島から出航しました。
「了解とか問題なしっていう返事はヨーソローでお願いしていいですか。」
「よ、よーそろー?」
「ありがとう。昔からのちょっとした夢だったんだ。」
ノーフェスさんのささやかな夢にちょっとホンワカしつつ、俺は船に乗り込んだ。
船の名前はテトラ号と言うらしい。製造されたのはかなり昔のようで記録には残っていないらしい。ノーフェスさん曰く、ある日朝起きるとなんかあったらしい。
そのノリで海運を始めるんだから、何といったら良いのやら、凄い思い切りが良い人なのだろう。
船内は思ったよりも心地が良かった。昨日は一瞬しかいなかったので感じなかったが、生活空間はしっかりと掃除がされていた。いつもノーフェスさんが掃除しているのかと思っていたが、それは一瞬で否定された。
「おお、お客さんとは珍しい。どうも、カオナシでございます。」
丁寧な口調でおれに挨拶してきたのはカオナシと名乗る、のっぺらぼうな長身の木の人形であった。
高貴そうな服を着ているが、やっているのはこの船での雑用らしい。ここで気が付いたのだが、ノーフェスは魔法使いであった。
もしかしたら、魔術師かもしれないが、俺には違いが分からないのでどちらでも良いだろう。
取り敢えず、テトラ号では俺とノーフェスさん、鷹のクウォール、そして木人形のカオナシでの四人、いや二人と一匹と一体か。での航海が今日始まった。
そして、今に至る。俺は船酔いでげっそりしロクに何もできていない。取り敢えず、今日は安静にしとけってノーフェスさんに言われたので今日は早く寝ようと思ったのだが、酔いがしんどくて眠れないです。
明日から俺、大丈夫だろうか。




