蒼に着いていけ!
海だ!
我先にと駆け出した子が
美しいほどの飛び込み前転を見せて
ギャン泣きの声を青空に響かせた
元気の塊が白い入道雲を貫いて
波音にも負けないハツラツな声が
私にも伝播する
海だ!
なんて叫び声をあげてみる
私まで子どもに戻ったみたいで
それはもう十点満点の前転を決めて
普段の運動不足を痛感する
バカ笑いするバカ同士を追いかけて
あとは海に飛び込むだけ
海だ!
冷たくて気持ちいい
大人が波に流されていく
子どもと同じように騒ぐしか無い
あの元気いっぱいな子に着いていく
塩辛くて痛い目には
蒼が遠くまで広がっていた