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その後.私とジョージの間ではめっきり会話も少なくなっていた。それでも私はあきらめずに、ジョージの仕事にはきちんと同行していた。
ジョージの一般仕事も、各国の王様との外交にも、同行して仕事をサポートした。
特に、オリバー国との外交の時にはいつも私は駆り出され、オリバー国王は私の姿を見るといつも上機嫌になり、交渉もうまくいくのだった。私はそんなことはどうだって良いと思っていたけれど、ジョージが喜んでくれるなら、容易い御用だと思っていた。
そんな私に、ジョージはありがとうとお礼を言ってはくれるけれど、その言葉とは裏腹にどこか上の空だった。
ジョージは私が異世界に飛ばされたばかりの頃に見せてくれていたような優しさは、もう持っていないみたいだった。
私だって人間だ。せっかくジョージのために一生懸命仕事について行っているのにそんなに鈍い反応じゃあ、まじめに仕事をサポートした自分がバカみたいに思えてきてしまう。
あ〜あ……バカバカしい。
ジョージは外遊先では、決まって仕事の後に、宿泊先に直行することはない。いつもどこかに寄り道をすると言って、夜遅くまで、ひどい時には朝まで帰ってこないのだ。
私はこれを不審に思い、サンコンに相談した。
もはや私には、プライベートで話を出来る相手がもうサンコンしかいなかったから。
けれどサンコンにそんなことを相談しても分かるわけないし、そもそも関係ないのに申し訳ないという気持ちにかられ、あまり深くは相談しなかった。
心細い、心細い、心細い。
初めて、元の世界に戻りたいと思い始めた。
たしかにこっちの世界の自分はお嬢様で、洋服も、食事も、住むところも、元の生活とは比べものにならないほど豪華だ。けれど、いくら豊かな暮らしをしていても、これじゃあ心は貧しいままだと思った。
翌日も、ジョージは朝早く家を出て、夜遅くに帰ってくる。帰ってきたと思ったら、食事も取らずに自分の部屋に引きこもってしまう。
食事は外で済ませているみたい。そんか生活が来る日も来る日も続く。
もううんざりだ。あんまりではないか。
私は仮にもお嬢様であるはずなのに、こんな仕打ちはないんじゃないか……………。
そんな生活を送っていたある日のこと、召使いのサンコンは用事があると言って話しかけてくた。なんだか妙にかしこまっている。
私はなんとなく、嫌な予感がした。
「と、トロミィ様……あ、あの……」
「な、なにかしら………?」
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