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第二話【異世界へようこそ】

続きを投稿しました。

昨日のテンションがすごいことになってて自分でも驚き。


※空間収納(小)の収納力を大型トラック→軽トラ一杯分ぐらいに変更しています。

感想でいただきましたが、たしかに(小)で大型トラックは便利すぎる汗

 扉を開けた先は――さきほどまでの和風建築とはがらりと印象の異なる部屋だった。

 おじいちゃんの家の間取りを考えると、この扉の先には部屋などないはずなのに、俺の目の前には広めの空間が存在している。


「……やっぱりそうきたか」


 まずは慎重に、部屋の中を調べることにした。


「これって……」


 室内にあるアンティーク調の机の上には、さっき地面から掘り出したものと似た模様の箱が置いてある。

 箱を開けてみると、やはりそこにはおじいちゃんからの手紙が入っていた。


『この手紙を読んでいるということは、真守がこちらの世界に興味を持って足を踏み入れてくれたものと考えていいかの? すでに察しているかもしれんが、ここは日本ではない。というか地球でもない。俗にいう異世界というやつじゃ』


 うん、そうじゃないかと思った。

 スキルを取得した辺りで、うっすらとそんな感じはしていたもの。


『その扉が、なぜ異なる二つの世界をつないでいるか……なんて細かい話はわしも知らん。まあせっかくなので、こちらの世界を楽しむのも一興じゃろう。ただし、いくつか注意しておくべき点がある』


 おじいちゃんの手紙に書いてあった注意事項を要約すると、以下の通り。


 ①この世界には、魔物と呼ばれる危険生物が存在するらしい。

 遭遇すれば死ぬ危険もあるらしく、人里から離れた場所で野宿するのはお勧めしないとのことだ。

 幸い、ここから歩いてすぐの場所に街があるらしい。箱の中にはこの辺りの地図も一緒に入れてあった。


 ②こちらの世界では、人間以外にも様々な種族が文明を築いているらしい。

 地球と比べると文明のレベルは低いが、魔法やスキルといった力が存在しているため、一概に文明が遅れているとは言えないそうな。


『真守に餞別として渡したスキルは、わしが迷宮探索をしていた折りに手に入れたものじゃ。翻訳は便利でそれなりの数が出回っておるが、もう一つのほうはレア物じゃぞい。そいつを使って、異世界を存分に楽しむといい』


 もう一つのほう……というと、スキル売買のことか。

 そういえば、まだ何も試していなかったな。

 翻訳のスキルは、異世界で言葉に困らないように用意してくれたものだろう。

 スキル売買というのは、名前の通りにスキルを売ったり買ったりできるのかな?

 それがすごいことなのかは、まだわからないけども。


 というか、おじいちゃんが迷宮探索をしてたとか、初めて聞いたわ。

 俺の知らないところで、おじいちゃんは異世界を満喫していたのかもしれない。


『それと、真守には伝えておいたほうがいいかもしれん』

「……ん? んん!?」


 手紙の最後に目を通していると、わりと無視できない爆弾発言がさらっと書かれていた。


『わしの妻……真守にとっては祖母にあたる人物じゃが、おそらくはまだこの世界で生きておる。今どこにいるかはわしも知らんが、興味があるのなら探してみるといい』

「え、ちょ……」


 ――マジで?


 それってつまり、俺のおばあちゃんは異世界人だったってこと?

 そういえば、おじいちゃんは記憶にある限りずっと一人暮らしだったように思う。

 妻が異世界人だったとするならば、それも仕方ないことだったのかもしれない。


 ということは……俺の中には四分の一ほど異世界人の血が流れていることになるのか。

 そう言われてしまうと、初めて訪れた異世界がどこか懐かしい気もしてくるから、不思議なものだ。


 興味は……ある。

 両親は事故で亡くなり、唯一の肉親だったおじいちゃんも去年亡くなってしまい、今や天涯孤独の身の上だ。

 肉親がいるかもしれないと聞かされれば、ぜひとも会ってみたい。


「おばあちゃん……か。元気で暮らしているならいいんだけど」


 多少の危険はあるのかもしれないが、異世界を探索することに決めた俺は、さっそく準備を整えることにした。



「ふーむ」


 地図を見てみると、たしかに現在地から少し離れたところに街がある。

 だからといって、Tシャツにジーパンというラフスタイルで異世界へと踏み出す勇気は俺にはない。

 まずはホームセンターやネットで必要なものを買い揃えるとしよう。


 ……あ、そうだ。

 ――スキル売買、発動。


 スキルを習得した時点で、なんとなくの使い方は頭の中に入っていたので、さっそくスキルを発動させてみる。

 イメージとしては検索エンジンにキーワードを打ち込み、必要とするスキルを選択して購入する感じか。


 ――『戦闘 武器』


 などと検索すると、『剣術』『槍術』『斧術』といった武芸に役立ちそうなスキルがずらっと並んだ。

 スキルの説明を表示させてみると、『剣術』――剣の扱いの習熟速度が向上する、みたいなことが書かれている。


 ……いきなり武器の扱いが上手くなるわけではなく、あくまで武器適性を身につけるようなものかな。

 他の武器スキルも同じようなことが書かれており、値段は十万ゴールド。

 ゴールドというのが、この世界の通貨単位なのだろうか。

 これが高いのか安いのかはわからないが、本当にスキルを売り買いできるようだ。


 ――『旅 役立ち 便利』

 これから異世界を旅するのだから、何か役立ちそうなスキルがあれば嬉しい。


「うは……」


 空間収納(小)――五百万ゴールド。

 空間収納(中)――三千万ゴールド。

 空間収納(大)――品切れ。


 ……これはアレだな。

 さっきの剣術スキルとかは、安いほうだったに違いない。

 最もレアリティの高そうな(大)は品切れ……そんなこともあるのか。

 時間が経てば入荷するとか?


 空間収納の容量は……なんと立方メートルで記載されている。

 異世界でSI単位が採用されているとは思えないので、使用者にわかりやすく表示できる仕様になっているのだろう。

 ふむふむ……空間収納(小)でも、軽トラック一杯分ぐらいの収納力はあるようだ。

 もし空間収納(中)が必要になったら、それこそ古くなった(小)を売ってしまえばいい。


 そんな妄想を膨らませながら、俺は他のスキルも閲覧していく。


「……いや~、正直これを見てるだけで楽しいわ」


 ゲームとかでも、将来的にこういうスキルを入手できるかもしれない、みたいのが一番心躍るもんね。

 とはいえ、今の俺は一文無しである。

 安価であろうスキルすら購入できない。


 もし日本円を使うことができるのなら、ほぼ使うことのなかった会社の給料がそれなりに残っているので、試しに何か購入するのもいいかと思ったのだが……ポケットに入っていた財布から一万円を取り出し、スキル売買に使おうとしても無理だった。

 スキル売買画面の右下には残高表示があるが、虚しくゼロの数字が浮かんだままだ。

 どうやら、異世界の通貨を用意しなければ駄目らしい。


「……スキル売買については、街で色々と情報を集めてから考えることにしようか」




 ひとまず異世界から戻った俺は、必要になりそうなものを買い集めていく。

 まずは武器。


 できれば魔物と戦いたくはないが、もし遭遇した場合に丸腰では話にならない。

 肉厚なサバイバルナイフと、鉈としても使える大型マチェットを一本ずつ購入しておこう。

 これはさすがにホームセンターには売っていなかったため、どちらもネットで購入。

 米国からの輸入品で、カーボンスチール製の丈夫なものだ。

 日本の街中で携帯していれば職質待ったなしの逸品であるが、異世界で使用するのならば文句はあるまい。


 さらには、ちょっと奮発して防刃ベストも購入。

 ケブラー繊維が使われているとかで、高耐久、高弾性、耐熱性、耐摩耗性に優れているらしいのだが、それほど重くない。


 さらにさらに、悪路踏破に最適な登山靴も購入しておいた。舗装されていない道路や山道なんかを歩くと、怪我する危険性もあるからね。


 正直、武器防具が一通り揃ってしまう楽々さんとアマゴンさんはパネェです。

 売ってないものを見つけるほうが難しい。


 ホームセンターでは、丈夫なサバイバル用の水筒や、毛布代わりになるアルミシート、非常用の携帯食料一式、救急セットなどを購入して、リュックの中に詰め込んだ。



 ――それら全てを装備して、いざ異世界へと続く扉の前へ。


「……行ってくるよ、おじいちゃん」

続きを本日の夕方ぐらいに投稿できればいいなと思いつつ、執筆中です。

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