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第十話【公衆浴場 男湯♨ 女湯♨】

祝! 40000PV!! あじゃじゃす!

投稿しました^^

金額などの表記をアラビア数字にするか漢数字にするか迷う~

横書きはアラビア数字のほうが読みやすい気がするので途中から変更してます。

 ヴァレンハイムの公衆浴場は男湯と女湯に分かれており、俺とミルカは石鹸とシャンプーの宣伝も兼ねてのんびり湯に浸かることにした。


「へぇ……こりゃあ立派なもんだな」


 日本では、たまにスーパー銭湯に行くこともあった。

 純和風なところや、バリ風、ヨーロピアン風などなど、銭湯ごとに様々な特色があってなかなかに楽しいところだ。


 この公衆浴場は純洋風といえる建造物であり、立派な彫刻から湯が流れ出ているところなんかは、ちょっとしたセレブ感がある。

 そんな中、俺はさっそく洗い場で石鹸を使ってみた。


 泡立てると石鹸の良い香りがふわっと漂う。

 さあ――宣伝開始だ。



◆◇◆



 ――その頃、女湯では。


 脱衣所で服を脱いだミルカは、自分の服を丁寧にたたんでいた。

 初めてマモルに買ってもらった服なので、彼女にとっては宝物のようなものである。


「すごい……これもスキルの効果なのかな?」


 裸になったミルカは、自分の体を確かめるようにして、ぐるっと見回した。


 あちこちにあったはずの傷が、かなりの速度で治癒している。

 うっすらとピンク色の皮膚が再生され、もうほとんど痛くない。

 これは、おそらく自然治癒力強化のスキルを会得したことによる超回復効果だ。


「マモル様……なんであんなに優しいのかな……」


 奴隷だった自分を救ってくれて、呪われたスキルからも解放してくれた、自分にとっての救世主。

 この自然治癒力強化のスキルをくれたのも、ミルカの体を気遣ってのことだろう。


 奴隷として仕えることで恩返しをしようと心に決めていたら、その証となる奴隷証文を目の前で破られてしまったので驚いたが、これから一生を懸けて恩返しをするつもりである。


 ふんすっ! と鼻息を荒くしたミルカは、あらためて意識を周りに向けた。


「わっぷっ」


 すると突然、なにやら柔らかいものに顔をぶつけた。


「あら、ごめんなさいね。怪我はなかった?」

「は、はい。大丈夫です。こちらこそすみません」


 優しくもグラマラスなお姉さんは、その豊満な胸をゆっさゆっさと揺らしながら悠然と歩いていくではないか。


「……」


 ミルカは黙ったまま、無言で自分の胸にそっと手をあてた。

 小ぶりではあるが、まだ成長途中であることを考慮すれば、けっして悪くはない……と思われる。


「男性って……やっぱり大きいほうがいいのかな……?」


 頭の中に一人の男性が浮かんできそうになり、ミルカは真っ赤になって首を振った。


「と、とにかく、マモル様と一緒に行動するんだから、いつも清潔にしておかなくちゃ」


 奴隷であれ従者であれ、汚らしい格好は見せたくない。

 浴場へと向かい、火照った顔を冷水で洗ってから、ミルカは石鹸を取り出した。


 真っ白な雪のような石鹸は、流通している石鹸と比べて品質が非常に良い。

 きめ細やかな泡は、まるで真珠のようだ。


「……良い香り」


 この石鹸の使用感は、お世辞抜きに最高だった。

 奴隷だったときの汚れ……泥やホコリだけでなく、精神的な苦痛すら洗い流してくれるのではないかと思えるほどの爽快感は、従来の石鹸と比べ物にならない。


「えっと、次はこのシャンプー……? を試してみようかな」


 石鹸とはまた異なる香り高い液体は、ハーブでも混ぜ込んであるのだろうか。

 ゆっくり息を吸い込むと、とても落ち着く。


「うわぁっ……すごい」


 洗い終わった後の髪ツヤに驚きを隠せないミルカは、何度も自分の頭を撫でるようにして感触を確かめている。


「これなら、また頭を撫でてもらえるかな。えへへ」


 その極上の使い心地に満足し、もはや宣伝のことを半分忘れかけていたミルカだが、そんな彼女に声をかけてくる女性がいた。


「ねえ、ちょっといいかしら?」

「……あ、さっきの」


 脱衣所でぶつかったグラマラスなお姉さんだ。


「なんだかとても良い香りがするから、つい話しかけちゃったんだけど、もしかしてその白いのって石鹸なの? それに、髪を洗っていたのは……」


「はい、石鹸です。こっちの液体はシャンプーって言うらしいんですけど……えっと、よければ使ってみます?」

「いいの!?」


 お姉さんは喜々とした様子で石鹸を受け取り、さっそく泡立て始めた。


「なにこれなにこれ!? これって本当に石鹸なの!? これが石鹸だって言うのなら、今まで使ってた石鹸は馬のクソみたいなものじゃないの!」


 表現の仕方に問題があるものの、この白石鹸の品質の良さはわかってくれたらしい。


「あの、こっちのシャンプーもどうぞ」


「なによこれぇぇぇ!? 髪が! ツヤが!」


 お姉さんが大騒ぎをするので、周りにいた女性たちも何事かと様子を伺いにきた。


「よかったら、皆さんも使ってみてください。まだいくつかありますから」


「はいはい! わたしも使ってみる!」


 一人が手を伸ばすと、もう止まらない。


「なにこれ、本当に石鹸!?」


「ちょっ、これどこで売ってるのよ?」


「あ、悪いけどわたし用事思い出したわ」


「待ちなさい。買い占めようたってそうはいかないわよ」


「離しなさいよ。あんたは馬のクソで体を洗ってればいいでしょ」


「はぁ!?」


 こんな調子で、女湯は一気に騒がしくなってしまった。



「――ふぅ。パパルカさんの店の宣伝も無事にできましたし、これで役目は果たせたでしょうか」


 ミルカは一息ついてから、男湯のほうを見た。


「マモル様なら、もっと上手に宣伝できてるんだろうなぁ……」



◆◇◆



 …………どうしよう、泣きそうだ。


 周りの男性たちは、ジロッとこちらを見るだけで、誰も石鹸やシャンプーに興味を持ってくれない。

 よくよく考えてみれば、化粧品に興味があるのはどこの世界でも女性なのかもしれないな。

 ここはミルカが上手くやってくれていることを祈ろう。


「ふぅ~~……」


 諦めの境地に達して、もはや普通にお風呂を楽しんでいた俺なのだが、湯船に浸かっていると筋骨隆々のたくましいおっさん達が目に留まった。


 限界まで鍛え上げられて発達した筋肉は、もはやギリシャ彫刻のようである。

 いや、なにもそんなにおっさん達をガン見しているわけではない。


 俺が興味を持ったのは、話している内容のほうだ。


「いや~、今回の迷宮探索は収穫が多かったっすね」

「がはは! そうだな。まさかスキルの書を発見できるとは思ってなかったぜ。しかしまあ、オークションであそこまでの値がつくとはな。笑いが止まらねえ!」


 ――スキルの書。


 ――オークション。


 そんなキーワードが聞こえてきたので、耳をすませてみる。


「空間収納は商人に人気だからな。たとえ容量が小さくても、喉から手が出るほど欲しいんだろうよ」

「まさか720万ゴールドまで値上がるとは思ってもみませんや。これでしばらくは遊んで暮らせるってもんですね」

「がっはっは!」


 ……貴重な情報、ありがとうございました。


 どうやら、オークション形式で品物を売買する場所があるらしい。

 それってヴァレンハイムにあるのかな? またパパルカさんに聞いてみよう。


 そこにスキルの書を持ち込めば、高額な値がつくこともある……と。

 えーと、たぶん話の内容から、さっきのは空間収納(小)の話だよな。


 あれの購入価格はたしか……。


 俺はさっそく、スキル売買の検索にかけてみる。


 空間収納(小)の価格は――500万ゴールドだ。


 それが720万ゴールドで落札されたのなら、相場よりもかなり高い価格で売れたということになる。


 ……あれ、ちょっと待って。


 これ、かなり大きく儲けられる気がするんだが。

石鹸やシャンプー売れるかな?

オークションはちょっと楽しみ^^

また明日投稿いたします~

でも台風怖いから筆が・・・ブルブル

皆様もお気をつけください。

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