5.「付き合ってやるよ。」
赤点の話を書いていますが、こっちも赤点取りそうですw
「おっと、もうこんな時間でございますなぁ。」
「なに?その気持ちわりー喋り方。」
「うるせぇよ。」
コンビニから戻ってきた後すぐに勉強を始めた赤点阻止実行委員たち。気づくと時刻は6時半を回っていた。
「数学もだいたいわかるようになったし、ありがとね!柏木くん!」
「どういたしましてっと…そっちはどうだ?」
七種の方はなんとかなったが、楓山の理解力はこの際おいといて、時雨の教え方でなんとかなったのかかなり気になった。
「…。」
「おーい、楓山。」
「…ハハハ時間が過ぎるのは…早いなぁ。」
だめだもはや会話を成り立たせることが難しいくらい気が狂いかけている。
「おい!楓山!しっかりしろー!」
時雨の教え方が悪いのか、楓山の理解力が酷過ぎるのか、どうやら今回ばかりは理想の物語を狂わせてしまったようだ。
「とりあえず、もう遅いから帰った方が良いんじゃないかな?」
「そうだな、とりあえず、今日は解散だな。」
「そ、そんな!私赤点とる気しかしないよ!」
え、なに?この場の奴らに泊まって教えろっていってるの?
「泊まって教えてけと?」
「で、できればそうして欲しい…かな。」
「なら時雨がー」
「あ、俺門限守んないと後々うるさいんだよ親が!」
チキンめ。
「七葉ちゃんは…?」
「ごめんね、私も今日は無理かな。」
「そ、そんなぁ〜…。」
と、ここで楓山は俺の方をチラチラと。おいやめろ。そんな目をするな!そんな目をされると!
「…はぁ、まってろ、今親に用事あるか聞いてみるから。」
と、携帯の画面を見ると二件の通知が。父さんと母さんからだ。嫌な予感しかしない。気は進まないがメッセージアプリを開き内容を確認する。
『ごめんね!今日残業で家に帰らないの!』
『飲みに行くから帰る気ない』
おい、一つめはともかく二つめは親としてどうなんだ?
「どう、かな?」
「…親二人とも家に帰れないとさ。付き合ってやるよ。」
「っありがとう!」
周りを見ると既に七種と時雨はいなくなっていた。逃げたなチクショウ。
今日は寝れそうにないな。楓山を見ると本当に困っていたのか、安心した表情をしていた。
門限6時半ぐらいって早いのでしょうか?