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五月病  作者: 山口大生
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第7話 提案

田島先輩は、会社では唯一、俺に優しく接してくれる方だった。怒られて落ち込んだ時には、俺の愚痴を聞いてくれて、励ましてくれたりした。田島先輩が、俺の直属の上司だったら、「体の不調」も現れず、今頃、楽しく仕事ができていたかもしれない。

そんな田島先輩は、俺を見て、「あっ・・・」と思わず声をあげた。そこから、数秒間の沈黙した後、「清水君。今まで、どうしてたの?」と俺に問いかけた。その瞬間、俺は、今までの事を、息継ぎを忘れてしまうほど、ノンストップで話した。無断欠勤した事へのお詫びだけではなく、上司の柳山から怒られたり、同期の八木に見下されるのが耐えられない事、突然「体の不調」によって、無断欠勤した事、両親から、もう一回働かせてくださいと言えと言われた事など、別に言わなくていい事まで、田島先輩に喋った。田島先輩は、俺の話に何の突っ込みもせず、ただ黙って聞いてくれた。

俺が、今までの事を全て喋り切った後、又しても、沈黙が発生した。さっきのよりも時間が長く、俺以外の時間が、止まったような感覚がした。しかし、田島先輩が、喋り出した事で、時間が一気に動き出した。「清水君に提案があるんだけど。」そう言って、田島先輩は、机をあさって、数枚の、白紙の紙を取り出した。そして、「君に、2週間の休職を許す。その間に、君が子供や学生の時にお世話になった人に会うんだ。そして、紙に、会った人の自分との関係、会ってどんな話をしたか、会って自分の心境はどう変わったのかを書いてきてほしい。2週間後、書いてきた紙を僕に提出して、君が、本当に、復職したいと思ったら、復職していいよ。」と提案の内容を俺に伝えた。


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