表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

どうする?装備する

ストックなんてあらへん。その場でポチポチうってんねや!


はいすいません。ゆっくりとした更新ですがよろしくお願いします。

 軽い浮遊感を味わった後、俺は足の裏にしっかりと地面があるのを感じた。

 

 ついに始まった!

 

 そして俺の周囲からは「βテスターが持ってきた今の時期で強い部類に入る武器があるよー!」とか「ポーション今なら1個100Gだよ!」とか「パーティー募集中!攻撃特化の魔術使いいませんかー!?」といったMMOではよく聞く声が、、、。


 ・・・聞こえなかった。


 というか普通最初は中世ヨーロッパな感じの町並みに出て、露店とか街行く人々が居たりするもんだが、今の俺が行る場所はそんなものからかけ離れているところに居る。

 まず、ヨーロピアンな街並みの中にある広場に立っている、というのはまあいい。ちょっと、いや、すっげーボロボロで都落ちした街みたいだがこの際気にしない。問題なのはさきほど俺が想像した、MMOでよくある周りの声が聞こえないのである。周りを見渡してもNPCがいない。プレイヤーだって当然いない。


 ちょっと意味合いがちがくなりそうだがここではこういう言葉が似合うと思う。


 閑古鳥が鳴いている。


 いくらなんでも事前情報で『種族魔物は不遇。制作陣の悪意を感じる』とあったとはいえ、魔物を選んだのが俺一人だけとは、、、。


 「カタカタ(はぁ、頑張りますか)」


 ・・・ん?あれ?今の音はいったい?


 「カタカタ(誰か居るのか!?)」


 振り向きながらそう喋った。はずだった。だが先ほどから聞こえる堅い物がぶつかるような音は自分の耳より下方向、もっと詳しく言えば上顎と下顎がぶつかる俺の口から聞こえていた。

 

 さて突然だがこの『フリーダム・オンライン』は自由度が高い、というのは覚えているだろうか。そして完成度も高い。まるでもう一つの現実空間にいるような、そんなゲームだ。

 

 太陽の光は暖かいし、水は冷たい。風を感じることも出来るし、人肌の温もりすら感じ取れる。ここまで作り込まれたゲームは他に類を見ないだろう。

 そんな、これでもかと言うほど作り込まれたこのゲーム。スケルトンになった俺にもしっかりと適用されていた。


 「カタカタ(いくら魔物で骨だからって声まで骨になるなよ、、、)」


 そう、骨だから声帯なんて無い。つまり声が出せない。


 「カタカタ(酷すぎるだろ!!)」


 整備されてない石が敷き詰めれている固い地面に、俺は掌と膝を付けて涙を流した。

 骨だからそんなのでないけど。


 

◆◇◆


 さて、落ち込んでいても仕方がない。とりあえず今居るこの廃れた街を散策しよう。


 ~15分後~


 「カタカタ(うそだろ、、、)」


 15分で見て回れるほどこの街は狭かった。と言うよりほんとに廃れた設定なのか所々砂漠化しているし、建物も殆ど崩れていた。無事だったのは中の設備が壊れている鍛冶屋のような所と、錆びている装備が置いてある武具屋のふたつだけだった。


 とりあえず最初にいた広場に戻る。


 広場には噴水がある。壊れてるけど。俺はまだ残っている部分に腰掛け、今後どうするか考えた。


 (とりあえずLvを上げよう。装備はさっき調べた武器屋みたいなとこから拝借すればいいし、回復ポーション無くてもスケルトンの『特性』で何とかなるだろう。この廃れた街はおいおい調べてく、ってことでいいか)


 良し、やるべきことが決まった。まずは、、、。


 「カタカタ(おっとそろそろ昼か。飯作らんとな)」


 ログアウトすることだった。


◆◇◆


 「ぷるぷる、ぷるぷる、ぷるぷぎゅ!」


 俺の目の前でぷよぷよ弾んでいる『淀んだヘドロスライムLv1』を手に持った『錆びた小剣』で叩き斬る。いかにもな名前だけどレベルが1だからなのか、HPヒットポイントは低いらしい。俺の攻撃で真っ二つになった。


 EXP+25

『スライム核』をドロップ

 レベルアップ!Lv2→Lv3


 「カタカタ(うし、やっとレベルアップ!)」


 俺は昼飯を食べた後、すぐにインし直してレベル上げを行っていた。

 いやもうね、最初はおっかなびっくり近づいて滅茶苦茶に剣を振り回してたけど、今はもう慣れて見つけたら片っ端に倒している。あ、居た。


 「ぷぎゅぅ」


 うし、経験値経験値っと。


 ちなみにこれが今の俺のステータス。


 種族:スケルトン

 Lv3

 HP360

 MP15

 ATK75+40(錆びた小剣)

 DEF20+15(ボロボロの腰巻き、穴のあいたブーツ)

 INT0

 RES5

 KRT24

 SPD18


 やっていて気がついたんだがスケルトンはHPとKRTクリティカルの伸びがいい気がする。Lv3の時点でHP360でLv10の種族人間に追いつきそうだ。KRTも同じく人間でLv20相当まである。道理でスライム斬った時普通は白いエフェクトなのに赤いエフェクトが紛れていたわけだ。

 これはいける。MP(魔力)とDEF(防御力)、INT(魔法攻撃力)、RES(魔法防御力)、SPD(移動速度)の伸びが悪いけど大丈夫。ある程度は防具がカバー出来る。うん、大丈夫、これが不遇とか有り得ない!


 Lvを4にあげた頃で一旦レベル上げをやめ、廃街(はいがい、と俺は呼んでいる)に戻った。NPCなんて一人もいないからスライムを倒して手に入れた『スライム核』を売ってG(このゲームの金の単位はこれ。ゴールド。ちなみに金貨で一枚1ゴールドで100ゴールドといったら金貨百枚である)稼ぐことも出来ない。店なんてもってのほかだし・・・店?


 「カタカタ(店なら壊れたところがあったよな、、、)」


 そういえば散策したとき一件だけ半壊の武器屋があったような。ひとまずそこまで行ってみるか。


◆◇◆



 あったここだ。

 たしかに割れた窓の向こう側にさび付いた武器が、壁に掛けられているのが見える。


 「カタカタ(前は軽くしか見てないから今回はじっくり見るか)」


 とりあえず店内には行った俺は、一番近くにあった一振りの長剣を手に取った。


 錆びた守護者の剣・・・ATK200 今は滅びた王国カズロークを守護した騎士の剣。当時にあった切れ味と銀の煌めきは長い年月を経て失われたが、そこらに転がる下手な武器よりよっぽど強い。


 ・・・え?王国とかそういった設定はどうでもいいとしてATK200?


 ま、待て落ち着くんだ俺。クールになれ。いきなしそんな序盤でこんな中盤初期くらいまでやってけるような強武器が転がってるはずがない。ましてやβテスターが発表した当時の最強武器の攻撃力でさえATK150なんだぞ?ははっ、そ~れをそんな軽々しく・・・。


 チラッ


 錆びた守護者の剣・・・ATK200 今は滅びた王国カズロークを守護した騎士の剣。当時にあっtうわあああああああ!嘘だろおおおお!?ゲームバランス崩れたろおおおお!え?なに?テストんときは不遇だったからサービス開始時は強くしてみましたてへ?とかなのおおおお!?


 「カ~タ、カ~タ(はぁ、はぁ)」


 落ち着けよくわからん音が鳴ってるぞ俺。よ、よし、まずはこれをどうにかしないと!どうする?どうする?


 錆びた小剣→錆びた守護者の剣 ATK75+200


 装備した。



◆◇◆



 他の武器も見ていったが最初のあれ以外はほとんど『錆びた小剣』だった。中には『折れた槍』や『剣の柄』なんてのもあった。よかった。あんなバランスブレイカーぽんぽん出てきたら俺このゲームやめてたわ。

 んで次は防具なんだが。え?武器屋なのになんで防具があるのかって?そんなの知らないよ、なんかあったんだし。

 でだ。

 さっき出てきた錆びた守護者の剣の、武器説明で『王国カズローク』ってのがあったんだが、きっと今俺が居るこの街は、カズロークっていう王国だと思うんだ。今は滅びた、とかあったしこの剣がここにあったのも結構証拠として有力だと思う。そしてその剣は高い性能を持っていた。つまりその防具もきっといい性能に違いない!

 え?バランスブレイカーどうこういってたじゃん、て?


 もうこの際だからそんな小さいことどーでもいいんだよ!


 フハハハ!こうなったらこのゲーム最強のスケルトンになってやるってさっき決めたからな!


 さて防具防具~。



~30分後~


 壊れた胸当て、兵士の兜、騎士の腕甲、擦り切れたマント、壊れた胸当て、etc、、、。


 「カタカタ(無い!!)」


 全部壊れてる!あの剣の名前的に『錆びた守護者の~』って奴だと思ったのに!そんな名前ひとつもなーい!


 ま、いいや。ないならないでこの沢山みつけた壊れたシリーズの防具から一番良い性能を持っていこう。


 種族:スケルトン

 Lv4

 HP450

 MP17

 ATK75+200(錆びた守護者の剣)

 DEF24+30(壊れた胸当て、穴のあいたグローブ、ボロボロの腰巻き、穴のあいたブーツ)

 INT0

 RES5

 KRT26

 SPD18+5(赤い薄汚れた騎士のマント)

最初は無欲だったから強武器が出てきたんです。そっからは見事に物欲センサーに引っかかった主人公でした。

あと、変なとこあったら教えてください。すぐなおします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ