プロローグ
どうも!海兎 白土です。
いままで読み専でしたが耐えきれなくなりました。
暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。
2080年、4月9日。
この日は「フリーダム・オンライン」という、最近じゃ珍しくないVRMMORPGにジャンル分けされるオンラインゲームが発売される日だ。
2064年頃にいままで不可能とされていたバーチャル空間へのフルダイブする技術が開発されて16年。人類はその10とちょっとの時間で2000年代に夢想されたVR技術を確立させた。そしてその技術は多くの若者が夢見ていた仮想世界でゲームをする、というモノを現実にさせた。
さて背景はこれくらいにして「フリーダム・オンライン」という物の説明をしようと思う。
その名の通り、自由をテーマにしたゲーム。主人公はプレイヤーひとりひとり、剣で敵を薙ぎ倒しても良し、魔法を極め賢者になるも良し、はたまたそれらを支える生産者になるも良しと自由度が高い。ほとんど現実に近いこのゲームは多少のゲームシステムによる制限が着いても現実と何ら変わりない、いうなればもう一つの現実世界、とも比喩する事が出来るかもしれない。
はてさて、そんなゲームは発売以前から、βテストの時から注目を集めていた。ほかにもこれよりもっと自由度の高いゲームはあるし、このゲームより派手な演出があるものだってある。
ではなぜこのゲームが注目を集めているのか。
それはネットに公開されたβテスターの書き込みからであった。
曰く、迷子にならない程度のしかし高い自由度が良い。
曰く、最近見かけなくなったLv制でありおもしろい。
曰く、隠し要素も豊富でそれを発見したときの達成感がたまらない。
いつもは「なにこのクソゲー」やら「ツマンネ(>_<)」ほかには「なにこのゲームオワタwww」といった辛辣な書き込みがされている『最近のゲーム考察板』というネット掲示板に、面白い、という書き込みが何十ものなされていて、仕舞にはフリーダム・オンライン専用の板まで立てられるほどであった。
そんな経緯があったこのゲーム。製品板発売前から人気があったこのゲームは人口が集中する、とみたゲーム製作会社はもともと創設していたサーバーを強化、さらに、βテスターの意見も採り入れ、万全の体制を整えた。
そうして発売日である、4月9日。サーバーに予想外の負荷がかかるといけないとのことで発売回数を3回に決め1回に5000本を発売することになった。
さてさて本当に前置きが長くなってしまった。そうした第1回目の発売日。人でごった返すゲームショップに一人の男の子がいた。
これは、彼が「フリーダム・オンライン」というゲームで蔑まれ、疎まれ、だけどそんなの気にするか!な精神を貫く、物語である。
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