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どこの世界にも黒幕はいる!

外は曇天


どうどうと雨が降り、地面には大きな水たまりもできていた


が、そんなことは関係なく解決屋は営業していた





「あぁーあ。止めてほしいわ、ホント。やっとお花見できると思ったのによ」


と獄が頭は掻きながら言う


「でも、自然には逆らえませんからね」


獅怒がお茶を飲みながら言った


獄は椅子を回し、後ろのガラスを見、フゥーとため息をつき、また前に振り向いた


すると、獄達がいる部屋に姫花が入ってきた


「あ、姫花さん。おはようございます」


「おはよぉ・・・」


今日の姫花の声には元気がなくぐったりとしていた


「どうした、姫花?元気ねぇな」


「ハァ・・・。アタシもお花見行きたかったァァ!!」


といきなり大きな声で叫んだ


「そりゃ、俺達も一緒さ。今の俺の気分は夏なのに海に行けないのと一緒なんだよ」


「なにその例え。というか、獄さん例え下手すぎでしょ」


「仕方ねぇだろ。俺の頭は硬ぇんだよ」


「さっすが獄。アタシを助けに来た時も頭突きで犯人倒してたもの」


「姫花さんはそれ以前の問題です。でも、別に明日でもいいんじゃないんですか?」


「ふっざけんな!今日はコレ、コレ見やがれ!」


獄が机に上に置いてあった新聞を取りある記事を指さした


「ほら、ココ!今日は満開って書いてあるじゃねぇか!俺はあきらめねぇぞ!今日はぜってーお花見してやるんだからな!」


「そうよ!獄の言うとおりだわ!」


「おめぇら、どんだけお花見したいんですか!!」


「俺は、ぜってー見てやるからな!」








そんな、感じで獄と姫花を先頭にして、雨が降り続ける道を歩き続ける


「この雨ですよ。咲いてても綺麗に見えないと思います」


「オダマリなさい。アタシ達は桜を見るだけなの。ねぇーひっちゃん」


「ひっちゃんって誰ェェェェ!!」


「ウチよ。ウチ。ホント獅怒君は物覚え悪いんだから♡」


獅怒が後ろを振り向くと、謎の女装をした獄がいた


獄の女装はまったくあっていないわけではない


「何してんすか、獄さん!!」


「女装だよ、女装。見て分かんだろ」


「いや、わかりますけど。なんで女装してんすか?」


「花見といったら女と酒だろ?」


「それは、ただのおっさんの考えです!」


三人は変な会話をしながら、歩くと目の前に雨の中、傘もささずに泣く女の子が三人の視界にはいってきた


「どうしたの?迷子かな?」


と優しい声で獅怒が声をかけた


すると、その女の子は右を指さした


その指の方位には、泣きに泣く、人達が傘も持たずに泣いている


「あのね、グスッ。今日、この人達もお花見をする予定だったのよ・・・。なのにこの天気で・・・」


(なんで、みんなお花見の為に人生かけてんだァァ!!)


「実を言うと、ウチ達もお花見にしに来たんだぁ。でもこの天気だしぃ・・・」


「ホントよねぇ~。なんで楽しみしてる日に限って雨ふるのよ。これじゃ、まるで、遠足たのしみにしてたけど雨で中止になるのと同じよね~」


「姫花の言うとおりですよねぇ」


「てめぇらは、何の話してんじゃァァァ!ま、でもそれも一理ありますけど。どうしようもできませんよ」


朱雀が、傘を泣いている女の子に渡した


「これ使えばいいよ」


「あ、ありがと・・・」


その女の子は素直に傘をうけとった


そのときだ


突然、獅怒の目には涙が浮かんできた


「おい、どうした獅怒。半泣きになってんぞ」


「あ、アレ?なぜか涙でてきました」


「ホラ、アンタもお花見行きたかったんでしょ?」


「い、いえ・・・。グスッ」


「おいおい、俺の長年の推測からいくと・・・。こりゃ雨のせいだな。今日の雨は催涙効果をもってやがる」


「って、ことは・・・。ここで泣いてる人達は全員、その雨のせい!?」


「たぶんな」


「でも、こんな催涙効果の雨なんてどうやって降らすの?」


「そりゃ、アイツらのせいだ、よッ!」


腰にさしてあった刀を抜き、思いっきり、空にぶん投げた


十秒ぐらいすると、黒いなにかと白い何かが、空から刀と共に落ちてきた


「こいつらが正体だ」


地面に落ちてきた刀を拾いまた鞘にしまった


「一体なんすか!その人達!!」


「アレだよ。白い方が晴れを発生させるおじさんで、黒い方が雨を降らせるおっさんだよ」


「えェェ!今までこのおっさん達が晴れとか雨とか決めてたのォォ!」


「ま、そういうことだ」


すると、白い全身タイツを着たおじさんと黒い全身タイツを着たおっさんは頭を抱えて起き上った


「なんじゃ、この場所は・・・」


「なんだ、この場所は・・・」


「しかも息ぴったりィィ!?」


「たしか、ワシは明日の天気を決めるために雨の神とブラックジャックしてたとおもうのだが・・・」


「たしか、ワシは明日の天気を決めるために晴れの神とババ抜きしていたと思うのだが・・・」


「なんか微妙にちがうゥゥ!」


「「ところでお主らはなんだ?」」


「アァン!?それを言いたいのは俺の方だぜ。なんで今日の限って雨なんだよ」


「「そりゃ、昨日は雨の神がじゃんけんで勝ったから・・・」」


「ふッざけんじゃねェェ!俺の今の心境は遠足が雨で中止になった時ぐらい歪んでんだよ!」


「「それはなぜじゃ」」


「俺達はよォ!今日こそお花見にいけるとおもってんだよ!」


「アタシも!」


「「そりゃ、ワシ達も行きたかったんだよ!でもね、この仕事でいけねぇんだよ!」」


「でも、催涙効果がある雨を降らすのはなんか理由あんのか。アァン!?」


「「ワシかって、いきたかったんじゃァァ!」」


「うっせェェェ!!」


獄は、刀の鞘で雨の神の顔面を殴った


雨の神は、気絶し、地面に倒れこんだ


「雨の神ィィィ」


「おいおい、おめぇも、このス○○○○マンみたいになりたくなけりゃ、さっさと晴れにしろつーの」


「ワシかってス○○○○マンみたいな格好を好きでやってるわけじゃないんじゃ!」


「そんなこと言ってる前にやることあんだろうが」


獄の顔はどんどんゴ○ゴみたいに渋くなる一方だった


「は、ハイッ!わかりましたァァァァ!!」


晴れの神は空に手を掲げると、雨はやみ、雲が晴れ、太陽がでてきた


「これで、いいじゃろ!」


「んじゃ、また呼ぶ時は刀ぶん投げるからな」


獄がそういうと、晴れの神は一瞬で姿をけした


が、雨の神は気絶したままだった


すると、泣いていた獅怒が、獄達の方に走って来た


「アレ?さっきまで雨降っていませんでしたか?」


「あぁ、それが。コイツのせいだったわ」


獄が雨の神に指さした


「誰ェェェェ!!」





一ヶ月後





「おいおい、雨降ってくれねぇかな」


「そうですよね、最近まったく雨降りませんよね」


「そりゃ、獄が雨の神を倒したからじゃないの?」


「んな、馬鹿な」





その頃 病院では





「おのれェェ、人間よォォォ!覚えておれぇェェ」


と雨の神が病院のベットで泣き叫んでいた


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