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不死鳥は弐度こける  作者: 六道 軌跡
兄上ゲームを始めるのです
2/2

兄「それはできない」

 広がる草原、咲き誇る花、生い茂る木々、そして眩しく照らす太陽。


「美しい! まさしく芸術だ! 」


「兄上! アホ言ってないで早く街にいくのです」





ゲームを起動した俺たちを迎えたのは広がる草原の大地だった。最初に思ったことは美しいそれ一つだ。これほどのものが作りあげられているとはたいしたものだ。俺はあふれんばかりに大地に身体をのりだそうとした。


「身体がない。これいかに」


しかし、前に動くどころか一歩も動けない。俺の身体は存在してなかった。

そんな俺のことを無視するようにどこからか機械的な声がする。


「ようこそ。クロスバル大陸へ。システム管理AIのネバです。お会いできて光栄です」


「俺も会いたかったぞ! 」


「ここでは、アバターの設定を決めます。」


どうやら俺のことはやはり無視のようだ。


「背の高さから顔など細かな設定が行えます」


「よし、背は高めだ。顔は好きにしてくれ。手は大きめにしてほしい。彼の有名な料理人は大きかったからな、うむ」


俺はなんども注文をつけながら細かい設定を行っていく。何事も最初が肝心という。


「次に戦闘の職種を選択します。この中から選んでください」


俺は提示された物を覗き見る。端から端まで良く見渡したが俺の探しているものがない。


「料理人はどこにある? 」


「料理人は戦闘職ではありません。それに料理スキルはございません。個人の技量に任せたシステムとなっております」


「なんと馬鹿な!それに闘うコックさんだって映画で良くあるだろう。 いや、まてまだ早い・・・料理はできるんだな? 」


「はい、個人的な現実での技量に任せたものですが個人のお店を持つこともできます」


「ほう。でかしたよしなら問題ない。」


「戦闘の職種をどうされますか?」


「はっは、好きにしたまえ」


料理ができるならあとはなんでも良い。これこそ我が人生だ。


「次にこの世界での名前を決めてください」


「そうだな・・・ボキューズだ」


「申し訳ございませんがその名前は他のプレイヤーが使われているもので利用できません」


「なんと、かの有名な料理人の名前が使われているとは! この世界も侮れんな」


「どうされますか?」


「じゃあ、ツヴァイだ」


この名前は妹と一緒にプレイした他のゲームの時に俺の代わりに妹がつけた名前だ。

ドイツ語でツヴァイとは2を意味する言葉として使われるもので何故に妹がこういう名前をつけたかはわかりはしないがとっさに頭に浮かんだ名前を俺は伝える。


「その名前も使われております」


「そいつは仕方ない」


「それならこれでどうだ、レジオン」


「利用可能です。レジオンでよろしいですか?」


「ああ、問題ない」


レジオンとは、かの有名な料理人が大統領から頂いたという勲章から名前をとったものだ。しかし何度も名前が被るとはこのゲームをプレイする人は何人ぐらいいるのだろうかと考える。


(うむ、後で調べておこう。)


俺はその後もなんどか細かな設定をさせられてすべて終えた時にはかなりの時間がたったような気がした。


「それではこれで設定を終えます。新しい世界をご堪能ください」


またしても淡い光に包まれる。俺はあふれんばかりの期待を胸に光が視界から消えるまで待ちづつける。


そして俺が次にでた場所は遠くに街がみえるさっきと同じようで少し違う草原の大地だった。


「やっと参上しましたね。兄上遅いのですよ」


「誰だお前は!」


「なにを、千輪に決まっておるではないか」


「なんだその金髪の女性姿は!」


「ふ、私ぐらいになったらこのぐらいが似合うのです」


どうやら変な妹で間違いないようだ。しかし金髪に紅い鎧姿そして現実より整った顔まさしく誰だかわかりはしない。


「そういう兄さんはだってきめちゃってるじゃん! 」


「何がだ。当然だろ。料理人として必要なことはすべておこなった」


「良く見たら兄上のアバター怖いんだけど。顔とか性格とか」


「そうか、顔は確かおまかせにしたからな」


妹いわくは俺の顔はマフィアの人間みたいだそうだ。しかし妹のことだ映画でしか見たことがないであろうが。


「しかしよく、俺だとわかったな」


「なにをいまさら。始める前にリンクを張ったではないか」


「そうか。そうだったな」


リンクとは一緒に始めた友達どうしが中で出会えるようにあらかじめ正式版のコアドディスクに同封された製品コードを入力することでリンクを貼り素早く出会うことができるのものである。


「兄上の戦闘職って何かしら」」


「俺のは・・・ふ、暗殺者だ」


俺はお任せにしたのを思い出しメニューを開きステータスを確認してそう答えた。


「その顔でその職種はマジ怖いわ犯罪だわ」


「そういうお前はなんだ。やっぱり騎士か? 」


「うん。それこそなにをいまさら。まさにふさわしい! 」


「そうか。まあお前らしいな。ところでこの大地は素晴らしい造りだと思わないか? 」


「え、まあ、そうね」


広がる草原、咲き誇る花、生い茂る木々、眩しい照らす太陽。


「美しい! なんとも美しい。まさしくこれぞ芸術だ! 」


「兄上! アホ言ってないで早く街にいくのよ」


オンラインゲームをプレイする時になにかと名前がほかの人とかぶって決まらない時ってありますよね。最近オンラインゲームとかやれてないな・・・

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