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不死鳥は弐度こける  作者: 六道 軌跡
兄上ゲームを始めるのです
1/2

妹「さあ、我にゲームを献上するのです兄上」

作者のフェニックスゲームリベンジ作品。


物語は大きく変わってしまいました。




 

「なあ、孝史。人間は何故ゲームをする?」


「楽しいからだろ」


「なら何故、俺はゲームを買いに行かなければならない?」


「どうせ千輪ちゃんに頼まれたんだろ」


「その通りだ!相棒よ」


「はいよ。ところでお前もプレイするのか?」


「興味ない。剣や魔法で闘ったところで俺には似合わん」


「それが生産もできるだぜ。料理とかもかなり精巧に行うことができるとか」


「同志よ・・・」


「どうした? 」


「さあ、買いに行こうではないか! 」


大企業が開発した「セカンド」という、仮想空間を作り出す機器により利用可能なレベルのVR空間を完成させた現在の世界。


ゲーム業界もVR技術を取り入れて行く流れの中、最大の総合製品会社[フログティアワークス]が総力をもって製作したVRMMOゲームが始動する。数多くの製品を圧倒的な技術力で開発、販売する政府公認の会社。そんな会社が作り出した古代文明と魔法のファンタジーゲーム。いままで他の会社のVRMMOでプレイしていたプレイヤーたちもこのゲームに移動してゲーム市場を独裁するとメディアが報道する。


クロスバル大陸、古代の遺跡や魔法が残るこの世界の基盤とも言える舞台である。北海道の総面積を越えるほどの広大な面積を持つこのゲームの総データ量は、凄まじい量である。


大陸にはいくつかの都市と、多数の村や街、山脈や森林、そして大陸を囲む壮大な海が広がっている。

その一つ一つに細かい設定を施し、プレイヤーを満足させるために工夫しているというのが公式サイトでの開発者の言葉である。


これほどの容量をディスクに収納して販売するのは難しい。そこで開発されたのが[コアドディスク]。

いままで不可能なほどの大型の収納能力と展開速度そして高速読み込みを可能とした手の平サイズの最新品。これもまたフログティアワークスが開発物でその名を世界にまたしても轟かせた。


現在は、正式版が発売して全サーバーでこの日を持ちどおしくてたまらなかった多くの人間が我先とプレイしていることであろう。


そんな中一人の青年が正式版のコアドディスクを2つ所持して部屋の隅で分厚い説明書を読みふけている。


(そうそれがこの自分。本間智(ほんまさとし)。またの名を変態料理人。そう俺は料理に情熱を燃やす変態なのだ!)


そこへ一人の少女が学校から帰宅して部屋に入ってくるもちろんこんな夕方過ぎて訪れるものなどただ一人そう妹様である。


「いま帰ったわ、兄上。どうです献上品は手に入りましたか? 」


「当然だ。千輪(ちわ)の分はそこのテーブルに置いておいた」


「さすが兄上やればできる! 褒めてつかわそう! 」


ちっこいくせに偉そうである。俺が頑張って行列に並び買ったというのに。妹の千輪は俺が買ってきた製品版のコアドディスクを手で持ち上げてその場でくるくるとダンスでもするように回る。彼女もまたこの日を待ち遠しくてたまらなかったゲームオタクだ。凄まじいゲーム中毒で休みの日は部屋に籠ってゲームが普通なのだ。


千輪(ちわ)と言う名前は(せん)()。友達がたくさんできる明るい子になってほしいという親の思いだ。残念ながらゲーマで変な妹に友達など少ないのではと思ったが、本人いわくネット上にたくさんいるという。


「兄上は何やっておられる?」


「見たらわかるだろ。説明書を読んでいるんだ」


俺は妹に分厚い説明書を持ち上げながら見せる。


「なにをそんなもの、いまどき分厚い説明書を全部読む人なんて否定する。せっかくだから一緒に早くやりたまえ」


「あともう少しで読み終わるそれまで待ってくれ。そこに晩飯を作って置いたから食べると良い」


俺は説明書に視線を戻しながら、妹が帰ってくる前に作った晩飯を食べるように伝える。


「仕方ない。頂いてつかわそう」


俺は妹のじゃまが入らなくなったので残りのページを残すとこなくしっかり読む。ものごとには準備が必要だ。料理には下準備が大切だ。しっかり不要な部分を取り除き、臭みを抜き、下味も入れそしてやっと料理の本題に入れるというもの。そのどこかを疎かにしているようでは、料理は完成しないと思わないか?そうであろう。


もちろんそれはゲームをやる時も同じことが言える。説明書を読み理解したうえでプレイすることにより楽しさもアップするというものだ。まあこれは俺の場合はというものを理解している。妹の場合はまずプレイしてそれでわからないことを順番に覚えていくそれが楽しいと語る。


そう物事は人一人皆違う考えを持っている。人の意見も尊重するのが大切だ。それを気づかないようではだめだ。それが内の家族の教えである。


「さあ兄上、早く一緒にプレイするのだ! 」


晩飯を食べ終えて準備が整ったのだろう妹がせかす。


「よし、仕方ない。やろうではないか」


俺は説明書をたたみ、準備を整える。


ゴーグル型「セカンド」を装着そして二人して起動してゲーム開始する。青白い光が点滅して視界が淡い光が包み込むように意識を奪っていった。


さあ、これから新しい何かが始まる。


さあ、始めよう[フェニックス]というゲームを。


さあ、物語の幕開けだ。ショウタイムといこうじゃないか!









妹にこき使われたりとなにかと現実でもありそうなものです・・・



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