表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合は眺めるものじゃないんですか? ~NTRダメ絶対な世界で×××の才能に目覚めた私がNTRっちゃうわけにはいかない!~  作者: ヱ川陸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/8

第7話 続々々: 最高な夢と、最悪な一日の終わり。


 私は自分の発動している”催淫”と”嫌悪”の異能を抑制するシールド薬を服用する。


 薬の効果もといシールド薬の効果が出ているかサーチを行ってから、私へ付与されていた対異能シールドを解除するらしい。


 問題はなかったようで、対異能シールド担当の尖った耳が特徴的なエルフ種……? な異能対策課メンバーの女性がこれまでのシールドを解除してくれる。


 そうしてシャッターが開き、通常仕様に戻った保健室を私は後にする。


 尾久さん曰く『今日中は私は保健室にいますので、何かあったら声をかけてくださいね。あ、緊急連絡先も渡しておきます』とのこと。


 尾久さん以外の異能対策課は学校近くの移動車で待機してくれていることも伝えてくれた。


 ここまで手厚いなんて助かるなぁ……と思う一方で、私の異能が今でこそシールド薬で抑えられているとはいえ、その異能の強力さゆえに政府に属する人たちから警戒されていることも理解できる。


 まぁ半径一〇〇メートル範囲に異能による効果、それも上限じゃない可能性があるんだもんね……それは危ないよねえ。


 

「あ」



 そういえば意識してなかったけど、私の今朝からの症状として気になっていた発汗が今はぴたりと止まっている。


 シールド薬の効果越しに触れた肌もさらっとしていてほっとする。

 

 発汗抑制はシールド薬の効果なのかな? それとも異能の発動自体を抑え込んでる……? とりあえずはありがたいかな。



「まぁ……で、これはいつか戻るのかな」 



 全体的にむちむちになった私の身体は据え置きで、これがサキュバスの異能の副次的なものなのかどうかを聞きそびれてしまった。


 もしかするとセンシティブな話題ということで尾久さん側からはノータッチだった可能性もあるし、私から聞くべきだったのかも。



「(んー、でも異能関係なかったらちょっと恥ずかしいぐらいだし)」



 そう、まだデブ……っただけの可能性もあるし……太ったって認めますよ、ええ!


 授業に出ずにこのまま病院に行けば詳細も分かり・身体情報も復元してくれたかもしれないけど……病院に行く為に両親をその為に職場から呼び戻すのは気が引ける。


 少なくとも対異能プロ (だと思う) な異能対策課が二時限から復帰出来ると言ってくれたのだから、シールド薬で抑制出来ていれば急を要すことでもないのかもしれない。


 ま、まぁ私みたいなモブ気味なクラスメイトがちょっとむちむちになったぐらいで誰も気づかないと思いますし? 変に休んだり・遅く授業に参加した方が目立ちそうで嫌ですし?


 一日休んで授業に遅れるのも、もし仮にそれでミドリとかに迷惑をかけるのも、同じ学校に通うお姉ちゃんにいらない心配もかけたくない……妹のアヤメは私を心配するほどの関心あるかはわからないけど。


 尾久さん曰く私の今回のことを知るのは家族でも両親だけだそうだから……でも、ちゃんとわかったらお姉ちゃんとアヤメには言うべきなのかなぁ? どうしよう。


 なにより”後退復帰”と”認識改変”が行われているのが本当なら”なかったことに”なって、私は一時限遅れただけの女子生徒でしかなくなるのだから問題ない……ハズ。



「(とりあえず親には聞いてみないと……おばあちゃんおじいちゃんも何か知ってるのかなぁ)」



 おばあちゃん・おじいちゃんは近所に住んでるとして、あとは──ひいおばあちゃん・ひいおじいちゃんかな?


 そうして私はぎりぎり一時限目が終わる前、短い休み時間になる前の廊下を歩いて保健室から自分のクラスへと向かった。





「(よし、もう少しでチャイムが鳴るかな)」



 その時の人の流れに紛れてしれっと自分の席に座るとしよう。


 百合眺め勢の私としては今後も周囲に溶け込んで百合を眺めたい以上私という存在が極力悪目立ちはしたくない……というのは半分冗談としても、平穏に過ごすなら目立たないに越したことはないとは思ってるんだけどね。


 そうして一時限目授業終了のチャイムが鳴り、空気が緩むのと同時に一〇分間の休み時間となったタイミングで教室に入る。


 いつもなら私が登校してきてもほぼ誰も気にしない、当たり前のことで日常的なことで不変のことだった。



「「…………っ!」」



 私がそーっと教室に足を踏み入れた瞬間空気が凍った。


 あれ……? そんな目立つ入り方してないはずなんだけど。

 

 私、そんな腫物みたいな存在じゃないはずなんだけど!?


 何がどうしてそんな──驚いた顔をしているクラスメイトがちらほらいるのだろう。


 ミドリが私に気づき手招き、それに促されるように私も自分の席までやってきた。



「お、おはよーユリユリ。政府の抜き打ち健康診断とかで一時限潰れちゃって大変だ……ね?」



 尾久さんから聞かされているが、政府方針での無作為に抽出した生徒の健康診断を行ったゆえの一時限目欠席……ということになっている。


 実際に私の異能に()()()()()生徒は健康診断の対象者だった扱いになっているようで、その他にもつじつま合わせが行われているとのこと。


 私が異能を暴発させたことなどで後処理含めて一時限分の時間が経過したことも、私と家族と異能対策課……というか政府? 以外は認識していないことにした、らしい。


 なので私が遅れてくること自体は説明が付いていて、受け入れられているはず……だった。



「? ……どうかした?」



 未だ静かな教室、その中で言葉を走っていたのはミドリのみで、そのミドリでさえも喋るのをやめてしまう。


 …………?



「いや、そのー、言いづらいんだけど」


「うん……?」



 何を言われるのだろう、やっぱり二時限目から来るのは重役出勤よろしくに顰蹙を買ってしまうのか!





「成長期……?」





 成長期。


 人間において身体が大きく成長する時期を指す……はず。


 そこで私もなんとなく意図は理解する、理解するけど…………!



「そ、そんなにデブった……!?」



 教室を凍らせるレベルに膨らんでるってこと……!? 


 え、それは、ちょっと、ちょっとばかりじゃなくてショックなんだけど……。



「い、いやいやいや!? そうじゃなくて、その……そういう日もあるよね!」



 はぐらかされた!? そういう日とは? どういう日!?


 確かに今の時代数時間さえあれば()()()()()()()することは出来る、出来るけども……ミドリの中では”そういう日”ということになったんだ。


 ならもう、そういうことにしよう……。



「し、健康診断ついでにね。イメチェンってやつよ」


「な、なるほど……」



 納得はしてないっぽい、でも言い出したのはそっちだかんね! この話題はおしまいね!


 勉学にも励むいち女子高生の私としては一時限すっぽかすことで今後の進行の致命傷にならないか心配なんでね!



「で、一時限目どうだったー?」


「あ、うん。一時限目の内容はね──」



 私とミドリが普通に話すようになると教室内にも喧噪が戻ってくる。


 ただ私も気づいていたけど、スルーしてたけど……あれから私への視線の数はあまり減っていない。


 今日の授業中も教室中の複数から私は見つめ続けられていた。


 …………そんなに私のむちむちっぷりは悲惨なのか!?


 

 ただそれも私にとっては現実逃避の一つで、”もしも”のことも考えてはいた──私の異能がシールドを貫通している可能性。



 けど通学路・校門前のような異常な視線の種類にはなっていない、ただ注目を集めてしまっているだけ……のような。


 だから私としては謎のイメチェン (でぶ化) が見られているだけと思い込むことにした。


 うん、そういうことで。






 二時限目からはたまに見られているぐらいでいつも通りの授業で進行していった。


 いや、その……こうデブったもんだから、体育の授業の時とか大変でしたけど。


 すごい躍動感。


 特に着替えるシーンとか女子全員に見られてた気分さえある……自意識過剰!


 そうして長い長い学校の一日が終わる……終わるはずで。



「今日はポポクンに会いに行くからまた明日!」


「うん、また明日」



 ミドリはタンポポ属のポポクンさんとデートらしい、幸せそうでなによりだ。


 そうして手をぶんぶん振って私より先に教室を出ようとしたミドリが私の方に振り返り、どういうわけかじっと私を見つめた。

 


「……どうかした?」


「い、いや……今日はこのまま帰る感じ?」


「そうだけど……」



 私、生徒会役員でもなければ部活にも入ってないですし、帰宅部ってやつですし。


 帰宅部だからこそ放課後の百合を悠々自適に眺められるってもんよ!


 ……ダメ人間でごめん。



「そ、そう! ユリも気を付けて帰ってね!」



 私が一時限目いなかったのは健康診断で、このムチムチっぷりもイメチェンした──ことになってるはずで。

 

 特に心配される要素はないはずなんだけどなぁ……バレてないよね? 



「うん、ありがとう。またね」


「またねー!」



 そうしてミドリと別れる、教室を出るまでも私へと向ける複数の視線がなくなることはなかった。


 そう、誰が私を見ているのかを特定するのが怖くて私はスルーし続けていたわけで……明日には飽きたり・興味の先が別にいってくれるだろうと楽観視しようと思う!


 シールドもあるし堂々と日の当たる場所を歩けるぞっと、普通に帰れば大丈夫ダイジョーブ──





「あ、あの!」





 放課後の学校校舎側の校門前、私を待っていたであろう女子が声をあげる。


 青春だな~。



「あ、あの!? ……下十条先輩ですよね!?」


「うん? お姉ちゃんなら生徒会役員に──」


 

 私を呼ぶ先輩呼び女子など存在しない、きっと人望に満ちた下十条スズランこと私のお姉ちゃんが目当ての女性に違いない!



「いえ! 下十条ユリ先輩! ユリ先輩に用事があるんです!」


「わ、わたし?」



 なんだろう…………小柄でツインテ―ルがカワイイ後輩女子、見た覚えはあるけど私との接点はないはずで。


 なるほどね、私のクラスメイトへの告白の仲介をするとかそのあたり──





「好きですっ! 結婚を前提に付き合ってください!」





 …………はい?


 えっと……ここ衆目監視がある中で、それも下校時間だけに人通りも多い校門前で。


 文字通り受け取れば愛の告白でしかなく……というか結婚を前提にって覚悟ガンギマリじゃん!

 


「えっと……」


「私の全部あげますから、私に先輩の全部をください!」

 


 全部あげて・全部くださいと来た。


 なるほどなるほど………………。



「先輩なしじゃ私生きていけないんです!! ずっと前から好きでした、よろしくお願いします!!」



「え、ええええええ!?」


 それ……初対面の相手・()()()()()()()()にしては重すぎない??


 そしてちょうど生徒会で居残っていて校舎にいるお姉ちゃんと窓枠越しに目があった。


 窓は……開いてるし後輩ちゃんの声も大きかった、そしてお姉ちゃんは目を見開いて固まっている。


 ということは……私に告白する後輩ちゃんとのシーンがお姉ちゃんに見られちゃったんだけど!?


<カクヨムでも連載中>

注目の的です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ