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百合は眺めるものじゃないんですか? ~NTRダメ絶対な世界で×××の才能に目覚めた私がNTRっちゃうわけにはいかない!~  作者: ヱ川陸
第2章 普通の姉妹じゃなくなった話。

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第13話 目覚め・これまでと違う姉妹。

 

 目覚め。


 ゆっくりとした覚醒じゃなくて、それこそ目が覚めるような光景を見たかのように飛び起きた──



「なんかすごい夢見た気がする!?」



 これがまた…………また思い出せないけど、また”()()()()()()()()”だったという夢の輪郭だけが残ってる。



「純愛神様との会話は覚えてる……のに、それが突然終わって。で、何か別の夢を……」



 純愛神との対話は夢という形でしてるけど、記憶として定着するように出来ているそうで。


 だから『催淫で不可抗力デモ同意がなければアレはアウトデース』と『異能は消せまセーン』と『催淫が最大出力で暴発すると国が滅びマース』的な要点も把握出来てる。

 

 ただそのあとの夢っぽいのが…………思い出せない!



「で、戻ってるし!?」



 身体の違和感、むしろ昨日までの違和感だらけだった感覚がいつもの調子に戻っていた。


 つまりはその……一昨日までのデフォルトボディに戻ってた!


 ようは、痩せてる!!



「こんなにぶかぶかなるんだ」



 就寝中は機能しフィットしていたキャミもウェアもぶかぶかで自分のサイズじゃないみたいだった。


 なんだったら下半身の着衣してるものはもれなくずり落ちるレベル、これは一昨日までの下着に戻せそう!


 

「ちょ……っときつさはある気がする? けどいけるかな」



 使い慣れたサイズの上下を着用して見た感じショーツは問題なし、ブラはちょっときついけどこれなら誤差だしスポーツな伸縮性に余裕のあるのなら問題ナシ!


 一昨日ぶりなのに懐かしい気分……親しみのあるボディが帰ってきた……!


 なんだか嬉しくなって自室の姿見に自分を映してみると、ちょっと気になるところが。



「うん……あれ?」



 確かに体全体の輪郭というかフォルムは一昨日の貧相仕様ではある。


 だけども……もちもち・ぷるぷる・すべすべなのにハリはあるし健康的な色白感は据え置きだった。


 そしてさっきのブラのきつさからして、やっぱり──



「ちょっと大きくなってる……?」



 ほぼ平原の一昨日から特盛りになった昨日から……の今日は僅かな隆起を確認。


 これなら胸周りのサイズアップによるいつものブラでも許容出来るけど僅かに苦しめな具合が納得できる。



「完全に元通りってこではとではない……?」

 


 そもそも自分の意思を以て・自力で戻る手段があるかどうか。


 それが無理でも最終的には病院や専門店やホテルやブルジョアな家庭にはあるボディメンテカプセルで身体情報を変えればいい話ではあるんだけど。


 今の私は単なる成長かはたまた後遺症の類なのか……?


 

「うーむサキュバスよくわからん」



 一応自分の状態チェックを………… [異能発動状態:なし] になってるなぁ?


 でも完全に元通りじゃないし……… [サキュバスハーフ種] は据え置きだよね、そりゃ。


 だから不意な異能の暴発に備えて病院に行くまでは、尾久さんの言う通りシールド薬は飲んでおいたほうが良さそうだ。




 

 制服に着替えて居間に向かう。

 

 私に似合ったスカート丈! ちゃんとお腹が隠れるどころか余裕もあるセーラー制服! これよこれ、この安心感よ!



「おはよう、ユリ」


「おはようお姉ちゃん!」


 

 少し浮かれ気味に挨拶する、いかがわしい夢を見たとかよりもデフォルトボディに戻っている感動・喜びに感情が昂っている。


 それはそうと今日は生徒会で早めに登校するお姉ちゃんがちょうど家を出るところ、ということはいつもより私は早く起きてしまったらしい。


 そういえば目覚ましの音を聞いてないし、止めた覚えもないもんなぁ。



「……戻った?」


「そうみたい!」


 

 あ、分かる? そりゃ分かるよね別人レベルだし、これまでの私リターン!



「でも…………肌つやは昨日と同じね」


「ッ!」



 お姉ちゃんが私に近づき、ぐっと顔を近づけるとその手が私の頬に触れる。


 たまにお姉ちゃんはこうして顔色をチェックしてくれることもあるし、髪の具合とかも見てくれるからいつも通りの行動……のはずで。


 なのに私は──



「……どうかした?」


「え!? いや、なんでもないよ!?」



 声を裏返しながら少し後ずさるように、お姉ちゃんの手から逃れるようにして動揺を隠しきれず答える。


 実際お姉ちゃんに瑕疵はなくて、この行動が嫌というわけ……がないし、正直うれしみもあるし。


 ただこの時は────ドキっとしたのだ。


 お姉ちゃんと間近で顔を合わせた瞬間、血が沸き立つような、体温が急上昇するような、心臓が早鐘を打つような……。



「熱でも……」


「わわわ」



 幼い頃からやっていた顔を近づけて手のひらをおでこにあてて熱を測るやり方……お姉ちゃんの冷たい手にさえドキリとさせられる。 


 

 というか顔が近い!



 いつもはそこまでは意識していないお姉ちゃんの顔の良さ・はっきりとした目鼻立ち・しなやかな黒髪──そして私と同じシャンプーの香り。


 いつも通りのキレイなお姉ちゃんに、どうしてそんな感想を今更に抱いてしまったんだろう!?



「熱はないわ…………?」


「あ、ありがとうお姉ちゃん」



 いつになく挙動不審だぞ私、どうした私。


 そんな、こんな、どうして、なぜ…………お姉ちゃんを意識してしまっているのか!?


 かと思うと、お姉ちゃんは私のおでこに触れた自分の手をじっと見つめて──

 


「好き」



 そんな言葉がお姉ちゃんから漏れたのを聞き逃さなかった、『好き』……何が……?


 本当にお姉ちゃんがぽろっと意図せずに、ごく自然に、こぼれるように言った言葉に聞こえて。



「えっ?」


「……いえ、なんでもないわ」



 なんでもないかぁ、なんでもないよなー、ははは。


 姉として妹が好きみたいな姉妹愛、家族愛的なヤツだろう、そんなの言われて…………嬉しいに決まってるし!



「私もお姉ちゃんのこと好きだよ?」



 何気ない感じで私も、同じ意図で返す。

 

 ただ、それが──



「ッ…………!?」



 口元を抑え、顔を真っ赤にして目を見開いた私を見つめるお姉ちゃん。


 私のいつもの言葉に対して、私の中にある記憶で最大級クラスのリアクションをするお姉ちゃんに……違和感?



「お姉ちゃん?」


「っ……生徒会が、あるから、先に行くわねっ……!」


「う、うん。いってらっしゃい?」



 そうしてお姉ちゃんは急いで・何かから逃げるようにして玄関に向かっていった。


 ………………うん?



「どういうこと……?」



 この時のお姉ちゃんにちゃんと向き合っていれば何か違ったのかな。


 そもそも私がサキュバスハーフの異能に目覚めた時点でこれは不可避だったのかな。


 それとも時間を早めただけでああなる可能性は十二分にあったかもしれなくて。


 私の”サキュバス”騒動はまだ全然終わっていなかったし、これは始まりでしかなくて──()()()()()()()姉妹の関係性が揺らぐ出来事で。

<カクヨムでも連載中>

そういう百合も取り揃えています。

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