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百合は眺めるものじゃないんですか? ~NTRダメ絶対な世界で×××の才能に目覚めた私がNTRっちゃうわけにはいかない!~  作者: ヱ川陸


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12/13

第12話 趣味の時間と夢と夢。


 家族での夕飯を終えて、自分の部屋で今日の授業の復習……というか、私が保健室に居た一時限目は健康診断扱いになっているので今日のうちに授業内容・進行具合とかを確認してみる。

 

 というかいつもの教科書兼ノートなタブレットを手前に実際の授業映像を再生して補完作業は完了、今日あった授業で出された課題をチェック・一時間弱かけて解き終えて──



「勉強おーわり!」

 


 あとは自由時間! 私の就寝時間はだいたい深夜〇時、起床は七時ほどを目安……にはしてるけど、夜ふかしする時もあるし寝坊しかけることもあるよね。


 今日は映像授業でいつもより時間が削られちゃったけども、目安の〇時就寝でもあと二時間は趣味に没頭できる……趣味といっても大層なものじゃなくて。



 まぁその…………マンガアプリとかWEB小説アプリとかで昔の”百合”な漫画・小説を読み耽ってます!



 数十年前の”あの時”を境に世界のルールは色々変わったらしいけど、創作を取り巻く環境は変わったものもあるし変わらなかったものもある。


 なので流行り廃りも作風の新しい古いこそあっても、描かれた作品群が消されることもなく・ずっと描き続けれられている作品も少なくない。


 私が好んでいる”百合”という創作・二次創作ジャンルは一大勢力を築いていて、過去作品が膨大に存在する上で今も供給の止まらないコンテンツの一つだ。


 そして今はリアル書籍などこそ入手難であっても、過去作品などなら各社マンガアプリや電子書籍などで読むことが出来る場合がある。


 もちろんある程度無料で読めるけど…………一日一話とか二十四時間とか何時リセットとかで一話無料とかですぐには見れなかったり──そもそも有料だったり!


 そう言う時はなけなしの小遣いから課金してしまう、気に入った漫画は巻ごと電子書籍で買っちゃったり……今までの課金金額は知りたくないです!!


 今日も今日とて追ってる百合漫画の続きを読んだり、過去作を読み進めたりするんだけど──

 


「くっ……!」 



 作中の唐突な百合NTRに私の脳が破壊される! 


 み、見たくない……つらい……でも読む手が止められない!


 乗り越えた先にあるハッピーエンドがぐっとくる、バッドエンドだと…………でも面白いものもあるから仕方ない。



 二次元も三次元も私は純愛百合第一主義とはいえ、二次元の漫画・小説・アニメなどに限ればNTR的シーンに出くわすこともある。


 現実でのNTRに相当することはご法度なものの、絵・文・画面などの中での仮想上・空想上・二次元上のNTR描写は規制されていないようで……表現の自由を尊重した結果らしい。


 ちなみに”()()()()()()”さえあれば実写ドラマやアニメなどのNTRにあたる演技・描写などもアウトにならないようで、そこに本当に感情が乗ってしまわなければセーフなのだという……もちろん現実で本当にやらかしてしまうと法的に罰せられる。


 実際に実写ドラマで共演し・NTR的シーンも演じた二人が現実で不倫沙汰を起こして国外追放処分されたこともあったっけ。


 ちなみに”NTRダメ絶対法”の中でも国外・惑星外処分は最も処分が重いので、双方改めることもなく・双方本気になってしまったゆえの処置と言われてるんだよね。


 きっぱりと諦められるなら、()()()()()()()()()()()()()()()ことも出来るのだから。


 だからこの国では空想と現実をきっぱり線引きして、法を破ることにならなければどんな趣味であっても問題ないわけで。


 

 なので百合NTRが趣味の範疇で現実に影響が出なければ咎められることもない! 



 …………私は違うよ? 本当だよ? 


 今読んでるソフトな百合NTRシーンが良くて同じ作者の百合漫画の過去作を漁っているわけじゃないんだよ、本当だよ!


 ……ちなみに”嫌いなもの”とか”苦手なもの”は事前に自身にフィルターがかけられるようになってます、こう脳とか身体に直接ね。


 だから百合NTRシーンがちゃんと読めて・視界情報にボカシ風味とか警告表現に私のフィルター越しになっていない時点で……見たくないとか言ってたのは嘘でした、ほどほどに見たいです。 


 ちなみに百合の間に男が挟まったりする・百合関係から男がNTRするようなものはさすがの私でもフィルターがかかって見えませんし読めませんし聞けませんし、そもそも読む・見る・聞く前にも警告があって回避可能。


 フィルターに脳は保護されている……。


 あ、基本的に百合純愛派だよ? どっちもいけるし、たまには百合NTRもありだよね! 的なちょっとした一つまみのスパイスな考え方であって、あくまで私は──





 そうして百合漫画を嗜んでいるとうつらうつらとしてきた。


 それはそうで、今日色々あってなんだかんだで疲れてたんだろうなぁと。


 漫画自体もちょうどキリのいいところまで読めたし、ここで無理して続きを読んでも頭に入ってこなさそうだ。



「寝よう……」



 下着と一緒に頼んでおいたサイズ大きめのキャミソールとルームウェアを着て寝ることに。


 これまでの私にナイトブラなんて概念無かったのでなあ……さっきの下着を付けてみた感じ、付けて寝るとなると”慣れ”が必要かなと。


 就寝中誰に見られるわけでもないし……見せる相手もいませんし。



「おやすみ……」


 

 部屋を消灯してタオルケットをかけて寝る、今朝もタオルケットをかけて寝たけど寝相が悪くてびしゃびしゃの刑はギリギリ回避していたのだ (消臭スプレー的なことはしました!) 。


 そういえば……せっかく寝るんだし()()()()()()いいかもなぁ………………。



== ==



 明晰夢(めいせきむ)、夢を見ている自分が夢であると認識出来ている状態の夢。


 実際に私は眠りに落ちて、そして夢を見ていると自覚している。


 というのも目の前に──

 


『呼びマシタか?』


「呼びました」


 

 目の前には白いワンピースを着た無邪気そうな表情の金髪ロリっ子がいた。


 

「相談がありまして」


『なんでも聞いちゃいマース』



 ”あの時”以降、全人類・全生命体は望めばとある人物 (?) に会える。



純愛神(じゅんあいしん)様的には今の私ってアリですか」


『博愛主義なので全人類愛してマース』



 純愛神、とある人 (??) が呼ばれている名前の一つ。

 

 人によっては『侵略者たん』『恐怖の大王ちゃん』『純愛好き好きマン』『NTR絶対許さないマン』などと好き勝手に言われてるらしい、本人に前に聞いたらそう言ってた。


 ちなみに私は『純愛神』様と呼んでいる、純愛を愛する人は等しく神!


 そして純愛神は見る人の趣味嗜好に影響を受けているらしいので……こういう(金髪幼女)のが好きらしい、私。


 そんな彼女 (?) の博愛主義という、その言葉に嘘はないのだろうと思う。



「じゃなくて、私がサキュバスハーフに目覚めたの純愛神はたぶん知ってるじゃないですか」


『知ってマース』



 神と呼ばれるには理由がある、まさに全知全能にして全てを行い知る者で……だから”今日誰誰が何した”なんてことを把握しているのが当たり前。


 世界が変わった”あの時”以来のこの世界・惑星を掌握しているのはこの人と言っても過言じゃないという。


 割と放任主義というか、最初にルールを整えてからはよっぽどのないことが無い限り干渉してこないらしいけど。


 一方でこうやって会いたいと望めば夢の中とかで会って話せる、”並列思考・並列処理は当然デース”とのことで、私が話している間ももしかすると何千万人規模で別の生命体と会話をしている最中なのかもしれない。



「それで私の能力の”催淫”って、”アレ”に繋がっちゃうと思うんですけど……」



 純愛神様の前で”NTR(アレ)”と言う言葉はご法度、本当は思うだけで伝わってるらしいけどそれを口にするかしないかは重要らしい。


 なのでこういった相談をする際にボヤかして聞くしかない。



『不可抗力デモ、()()()()()()()()()()デース』


「そうなりますよねぇ」



 つまり私が故意じゃなくても”催淫”の異能で思い人がいるような人から恋人を奪い取るようなことをしてしまった場合”NTRダメ絶対法”に抵触してしまうらしい。


 ……やっぱりこの異能は対策必須だなぁ。



「純愛神様の力でこの異能なんとかなりませんかね」


『抑えることは出来るカモしれないデース、でも()()()()()()()()()()()()()には直接干渉出来まセーン』


「……この異能を消すのは無理ですか?」


『無理デース』


 

 万能と謳われた純愛神様にも出来ないことがあるらしい。


 抑えることが出来るというのはシールド薬的なものの神様パワー版なのだろう、それを以てしても根本の解決には至らないと……。



『そういえばその異能の暴発に気を付けてくだサーイ。最大出力だと国が滅びマース、場合によっては惑星外追放するしかないので気を付けてくだサーイ』



 …………え?



『割り込み電話……キャッチホンデース、またねーデース』


「ちょ、ちょっと!」



 割り込み電話って何!? 国が滅ぶって何!? ちょ、ちょっと純愛神様っ!


 そうして神様と会って話す明晰夢は唐突に終わり、そして…………いかがわしい夢が始まる── 



== ==



 私は一人の女性に自室のベッドで押し倒されていた。


 顔が良い。


 はっきりとした目鼻立ち、目が冴えるよう美人な顔がそこにはある。 

 

 しなやかに長い長い黒髪が私の目の頬にしだれる、私と同じシャンプーの香りが鼻孔をくすぐってどきりとさせられる。


 私をまっすぐ見た彼女の目が据わる、逃さない・逃げられないような錯覚……いや、実際逃げられないかもしれない。



「ねえユリ」


「は、はい」



 お姉ちゃん。


 優しいお姉ちゃんだった、私のことを可愛がってくれたし、ずっとずっと憧れだった。


 幼いころは一緒にお風呂に私から入りたがった、私が寂しがると一緒に手を繋いでくれた、怖い思いをしたことを言い訳に一緒の布団で寝た。


 仲のいい、姉妹だったと思う。



「今、付き合ってる子はいる?」


「い、いないです」


「好きな子とかはいない?」


「いないです」



 お姉ちゃんが好きな子というのがはたぶん恋愛的に、ラブな意味なのだと思う。


 私は愛せる自信も愛される自信も私にはないと思っていて、私としては見ているだけで良くて眺めているだけで幸せで──


 そしていつものお姉ちゃんと違うグイグイと畳みかけてくる感じ、湿っぽさと余裕のなさと……どこか色っぽさがあって。



「お姉ちゃんは……ダメ?」


「えっと…………」



 ダメなわけがない、お姉ちゃんがダメな理由なんてない。


 ダメな理由は私にあって、それも身勝手な考え方で、お姉ちゃんは悪くなくて、でもその即答できなくて……。



「愛しているわ、ユリ。私の妹になったその日からずっと」



 それは、えっと────夢が終わる。


<カクヨムでも連載中>

夢で逢える神様。

言葉の節々に世代を感じますね。

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