第11話 確認作業。
「ふぅ………」
今日は怒涛の一日だった……。
なんかいい夢を見たと思ったら汗びっしょりでむちむち化してて、登校すれば男女巻き込んでサキュバスの異能を暴発させて、政府の異能対策課を呼ぶ事態にもなって。
放課後には知らない後輩っ子に告白されて・友達関係で軟着陸させて、リン母さんシオン母さんと話したことでサキュバス・サキュバスハーフのことを知れて、お姉ちゃんにも私がサキュバスハーフなことを打ち明けられて。
「それにしても…………」
入浴中、さっきから身体を洗っている時も自分の身体じゃないような触り心地・重さに驚きながらだったけど──
「浮いとる…………」
身を清めた状態で浴槽に浸かると、いつもよりお湯のラインが高い…………のは置いておくとしても、そう驚愕の事実。
大きなおっぱいはお風呂の中では浮く!
湯面に浮かぶ見事な離れ双子島……ど貧相なスタイルだった私がまさかこんな経験をするなんて、人生何があるかわからないよね。
ちなみに私たち家族は全員慎まし気味なので私としては新鮮…………なんで知ってるかって?
あの、その……幼少期でデータ更新止まってるけど家族一緒にお風呂とか入ったからであって、別にやましいことがあるとかではなくてですね!
あ、形とかはそれぞれ個性あったけど詳細については黙秘!
そういえば今の私のボリューミィになったお尻とか太ももはなんというかクッション性が増したというか……肉感? がすごい。
「そういえば……」
シールド薬は一日二錠で基本的に十二時間が効き目の目安、念のためにお風呂に入る前に服用しておいた。
なのでお風呂でも必要以上に発汗している感じはないし、そもそもこの状態で半径一〇〇メートル範囲に”催淫”を炸裂させてしまうとお姉ちゃんどころかリン母さんとシオン母さんも危ない。
なんだったら隣接する近所も巻き込んでの催淫地獄に落とすことになる……ご近所付き合いの付き合いってそういうことじゃないと思うんだけど!
なのでシールド薬さまさま、でもふと疑問に思う。
「汗をかいてないわけじゃないよね……?」
人間は見た目には発汗していなくとも、無意識下に皮膚や呼気から水分が失われる不感蒸泄というものがあるらしい。
今朝のびしょびしょは論外にしてもシールド薬服用後のさらっとした状態でも、無意識にある程度は汗をかかないと身体に異常を来すのでそこは調整されている……はず?
そしてサキュバスの異能が発動状態だとサキュバスハーフなリン母さん談では体液全般に催淫効果があるらしい。
ということは今風呂の浴槽に入っている時も、なんだったらさっきさっき身体を洗っている時も、もしかするとトイレ──でも催淫効果のある体液を微量ながらも出しているわけで!
シールド薬がどういう仕組みかわからないけど、排出される体液自体はろ過とかされてない・周囲に影響を与えない程度で外に出ていると仮定しても、それが蓄積すると……?
「……とりあえずお湯は入れ替えておこう」
私の残り湯が恥ずかしいとかじゃなくて、家族への影響を考えてなんだからね! 本当なんだからね!
私の体液がチリツモに蓄積した下水で…………これ以上考えるのはよそう! 本当に問題あったら尾久さんとかリン母さんが言ってくれてるはずだし!
大丈夫大丈夫!
実は家族会議のあとに両親に相談してその……まぁ割と喫緊の課題だった下着問題も片付けた。
なにせ今日はフリーサイズのスポーツな上下に押し込んで乗り切ったわけで、正直窮屈で仕方なかった!
シールド薬以降は発汗とかの不快感からは解放されても上下ぎゅうぎゅうに締め付けられる感じはなかなかに苦しい!
そりゃサイズの合っていないような下着で押さえつけているのだから特に成長が顕著だった胸部は圧迫されるわけで、元からインドア派なのも手伝って体育の授業は苦行だった……。
そしてさっき脱いだ今日を耐えきったスポーツな下着はかなり生地が伸びていた……もし従来のボディに戻れたら全くフィッティングしないぐらいに。
ということで両親に相談済み・自分で把握したサイズをもとに新しい下着を通販で注文し、さっき届いたらしい。
「(しかし数字で見るとびっくりしたなぁ)」
おそらく保健室での異能対策課・サーチの際に尾久さんたちには知られていることだけど、私の身体情報については私の場合さっき改めて確認したことになるわけで。
ちなみに頭の中で”身体データ開示”とか”ステータスオープン”とか”プロフィール”だとか”今の身長・体重”とか各々が好みで、そう意図したことを思い浮かべると自分の知りたい情報が確認できる。
種族・名前・年齢・現在の性別・血液型・スリーサイズや身長体重含めた身体データ・出生地・居住地・電話番号・自宅の郵便番号……などなどの知りたい特定のこと・情報を思い浮かべることで把握する感じ。
今まで私についての種族を知りたいと思うこともなかったから人間種だと思い込んでたわけだけど、今回ちゃんと思い浮かべて表示するとハッキリ [サキュバスハーフ種] と出た。
データは嘘をつかない…………そしてスリーサイズも体重も嘘をつかないんだ。
「(体重は……?)」
前回見た時がいつだったか…………あ、そういう情報も分かるんだもんね。
三か月前のデータ比較だと一桁キログラムは増えてるけど、思ったよりって感じかな……?
寝て起きただけで前日に特別なことをしたわけでもなくて、昨日の朝食・昼食・夕飯の類もいつも通りの量を食べただけであって──それだとムチムチ化もとい体重増加はどういう説明が付くんだろう。
サキュバスハーフとして覚醒したことで肉付きをよくするために、代謝が下がる・エネルギー変換効率が落ちて体内への栄養吸収率が過剰になったとか……?
精を搾り取る・精気を吸収する形でエネルギーを摂取するサキュバスの性質が優先されるとしたら、通常の食事とかから来るエネルギー摂取は不要か少なくて済むはずもんね。
「……深く考えてもしょうがないし病院で聞けたら聞いてみようかな」
色々考えてたけど、さっき通販で届いた私の今のサイズ通りの下着はを手に取ってみる。
「でっか」
ブラとかこの圧倒的な曲線! ほぼ大きい半球だよこれ。
ショーツも明らかに大きい、こっちはなんか思ったより恥ずかしいな…………これがフィットするお尻って。
「おお……」
サイズ通り、というか身体データそのままに注文しているので完璧なフィット感。
窮屈な感じは無いと言ったらウソになるけど、従来比で収まってる感じがすごいし抑え付けられてる感じがない……すごい!
思わず脱衣所の鑑の前でくるっと回ってみたけど…………エロいな!?
私ってこんなにエロかったのか…………いやいやサキュバスハーフに目覚めたからであって、それまでは貧相だったんだから。
こんなにでかくてでかいのに腰回りはくびれてる、太ももはやっぱり太いかな……手足もよく見ると肉付き良くなってる、というか骨太になった感じ?
大きな身体変化に気を取られて、ふと二の腕を摘まもうとしてそこまで摘まめなかったその時だった──
「ん?」
というか肌いいな!? なにこれ、何のスキンケアもしてないのにもちもち・ぷるぷる・すべすべなのにハリはあるし健康的な色白感!
下着を付ける前にちらっと見た生まれたままの姿 (?) の私も、肉付きが良くなったからといってそれぞれの肉が垂れ下がっている感じがなかったんだよね。
バストもヒップもこれだけ大きくなっていても垂れ下がってない!
だらしない感じはしない、とにかく圧倒的重量感でいて引き締まっている感すらあった。
「確かにこれは別人だ……」
むしろこれまでの私の外見上で残ってる要素って声とか基本的な顔面のパーツ構成とか髪色とかぐらいだな……?
そりゃクラスのみんなも驚くよ。
今の時代、数時間ボディメンテカプセルに入れば別人レベルに身体を弄れるのも確かだけど。
実質天然モノでこれは…………サキュバスハーフ恐るべし。
<カクヨム>
フェチズムですね。




