新しい仲間
「な、なんでここにシドウさんがいるんですか!?」
シドウさんは先ほど自己紹介をしたカリティアの横に立ち、コツンとカリティアの頭を叩いた。
「いったぁ!」
「ちゃんと謝りなさい! 申し訳ございません、ユリウス様。カリティアは私の妹なのです……」
妹さんだったの!?あれ、でも髪の色が全然違う気が……。髪色は違うけど顔は確かに似てるかも……。それに……瞳が赤い。
「ごめんなさい、ユリウス様! 怒ってる……?」
上目遣いでカリティアさんが見てくる。可愛いから許しちゃおう。
「いや、大丈夫ですよ。ランクポイントは貰えるみたいですし……」
「ホント!? ありがとー!」
はぁ……とシドウさんがため息をついている。ヤンチャな妹さんなのかな?
「そういえば、さっき実力が見たかった。みたいなことを言ってましたが、それはどういう……?」
最近、俺の名前は結構広がっているみたいだし、どんなもんか見たかったって事か?何か理由があるのか?それとも本当に興味があるだけ……?
「私をさー、仲間に入れてほしいんだよねー!」
楽しそうに笑いながらカリティアさんは言う。その横でシドウさんがやれやれと首を振っている。
「俺はいいんですけど、シドウさんはいいんですか? 魔王の配下になるのって世界的には、あまり良くない事だと思うんですけど……」
俺としては、仲間が増えるのは嬉しい。けどシドウさんの気持ちを考えると、妹が魔王の配下というのは、あまりいい気分ではないんじゃないか?
「僕としては、ユリウス様になら安心して妹を任せられると思っていますよ。これが他の魔王なら断固反対ですがね」
シドウさんは意外にも賛成らしい。勇者のいるメルドルのギルドマスターだから、立場の事を考えると反対するかもって思ってたけど。
「やったね! 兄さんからの許可も得たし、いいよね?!」
嬉しそうな表情で俺の顔を覗き込むカリティアさん。
まあ断る理由もないし、いいか。それに、この人多分強い……と思う。最近色んな人と会ったり、戦ったりしているからなのか、喋り方や空気感でその人がどんな人か分かるようになった気がする。この人の場合は、最初に見たときと今とで全然空気感が違う。あそこまで一般人感……みたいなものを出せるのはかなり凄い。この人は自分の異常さを綺麗に隠す事が出来るという事だからな。
「はい、いいですよ。よろしくお願いします。カリティアさん」
仲間になれたのが嬉しかったのか、カリティアさんは両手を上げながらピョンピョン飛び跳ねている。
「一応、強さを知りたいのですが……ステータスを教えてもらってもいいですか?」
「おっけー! えーとね……レベルがぁ、87でぇ……」
は、は、は、は、は、87!?リオサの倍以上じゃん!?レベル高すぎないか!?
「攻撃力、魔力、MPが……95、368、258……だね!」
攻撃力とMPはそこまで高くないけど、魔力が異常なくらい高いな。リオサの倍のレベルなのに、魔力はリオサの3倍ある。魔力特化タイプのステータスか……。いや、でもMPが低いからそこまで戦闘が出来るわけではないのか?MPに関してはリオサの方が高い。
「魔力が高い割にMPがあまり高くないんですね?」
その質問を待ってました!と言わんばかりに、指パッチンをして俺にウインクするカリティアさん。
「そこはね、私のスキル【MP吸収】で補っているのだよ!
【MP吸収】のスキルなんてあるのか。なるほどね。消費したMPをスキルで回復して戦うのか。
「へぇ! 相性のいいスキルですね」
MPが低いステータスに【MP吸収】のスキルって、まるでそういう風に成長するように決まっているような感じがするな。
「そうでしょ!? 手に入れるの大変だったんだよ!」
まあ【MP吸収】って強そうだもんなー。そりゃ手に入れるの大変……って
「スキルって生まれつきの物じゃないんですか!?」
俺がそう言うと、シドウさんとカリティアさんが顔を見合わせる。
「一般的にはスキルは生まれつきの物と言われています。ですが、実際には生まれたときから持っているスキルと、ダンジョン等で手に入るスキル水晶を使って手に入るスキル。スキルにはその2種類があるんですよ」
そうだったんだ……!じゃあ、仲間の皆もスキルを手に入れる事が可能なんだ!
「ただ、同じスキルではあるんだけど強さが違うんだよねー。スキル水晶で手に入るスキルは、生まれつきの物と違って弱いんだよね」
「そうだね。そして手に入るスキルも違います」
なるほどな。そこに差があるのか。
二人は話を続ける。
「例で言うと、【鑑定】のスキルは生まれつきでしか手に入りません。逆に【MP吸収】のスキルは生まれつき手に入るスキルではありません」
「これがスキルの面白い所なんだよねー!」
手に入るスキルが違うってそう言う事か。生まれつきでのみ手に入るスキルとスキル水晶でしか手に入らないスキルがあるってわけか。ってかスキルの事に詳しすぎないか……?
その後も、スキルの話を続ける二人であった。




