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魔王連合会議2

「メディスが殺されました」


 シュテルドーチェの城の中。オレリーがメディスの件を皆に報告していた。


「一昨日の夜。サステメルシンの近くの森で戦闘をしたようです。体は上下に真っ二つ。恐らく一撃でしょう。メディスの氷魔法の跡が多数あり、戦闘はそこそこ長引いたようです」


 オレリーの報告を静かに聞いている大魔王達。いつもなら騒ぎそうな者たちも今回の報告だけはしっかりと聞いていた。それもそうだろう、魔王連合がこのメンバーになった初めての死人が出たのだ。ルードとケルステス以外の大魔王にとって初めての経験だった。


「何故、メディスがそこに居たのか。そして何故、魔王狩りがそこに居たのか。分かっていません。恐らくですが、メディスの配下に裏切り者がいて、夜の森に誘いだされたのでは? と思っています」


 『裏切り者』オレリーがその言葉を発した時、空気が変わった。


「しょうがないんじゃない? メディスは恨まれていても変じゃないでしょ? 今まで殺されなかったのが不思議なくらいじゃない? ねぇ?グロウザ?」


 シミリアーナがグロウザに話を振る。グロウザはメディスと仲が悪かったからだ。


「ああ、確かに。奴は嫌われ者だ。我も嫌いだからな。だが裏切りは許せん。奴を貶めたやつは絶対に我が探し出す」


 グロウザがテーブルを思い切り叩く。グロウザは『裏切り』という行為が許せないようだ。


「コレデ 魔王連合 ハ 6ニン ニ ナッテシマッタナ」


 ケルステスがルードの方を見ながら言う。


「そうだね。新しい奴はどうやって決めようかな~」

「今、この状況で仲間を探している場合ではないのでは? メディスが殺されたんですよ?」


 新しい仲間を探す事に否定的なオレリー。


「新入りを探す前に魔王狩りを倒すべきだと思います。ルードなら可能でしょう? 過去に倒しているのですから」


 何かを考えている様子のルードだったが、突然――


「ごめん! 用が出来たから帰るよ!」


 ルードはそう言うと、どこかに行ってしまった。




 今回は前回と違って皆が席から離れなかった。いつも通りのハズのルードの行動に今回は流石に驚いている様子のオレリー……だったが、オレリーの顔は何かを確信したかのような顔に変わった。


「我 モ 帰ル デハナ」


 ルードの次にケルステスが帰っていった。ケルステスが帰った後も、皆席から離れなかった。そして数分後、オレリーが口を開いた。


「やはり。裏切り者はルードだと思われます」


 オレリーの発言に皆が……驚かなかった。


「みたいだね、オレリー。アンタの言う通り、ルードが裏切り者みたいだ」


 グロウザとグランテレスが頷く。オレリーは会議で皆が集まる前、ルードとケルステス以外のメンバーの元に部下を送っていた。


「ルードは魔王狩りに逃げられたのではなく、逃がした……いや、『生かした』のでしょう。そして方法は不明ですが、無理やり奴隷契約を結ばせたのだと思われます。魔王狩りの過去を調べた感じでは間違いなく、自ら魔王の奴隷になるような人物とは考えにくいので」


 オレリーはルードの前では色々な事を知らないフリをしていた。


「メディスが森に居た理由は間違いなく、ガルトーヴァへ攻撃するためでしょう。メディスと魔王狩りの戦闘はサステメルシンとガルトーヴァの中間より、ややガルトーヴァ側の森の中で行われたようでした」


 ルードが居た時よりオレリーは詳しく説明をする。


「サステメルシンに送り込んでいた配下の報告によると、メディスは精鋭部隊を集めていたようです。そして連日荒れていた様子のメディス。常にガルトーヴァの魔王ユリウスの事を口に出していたようです」


 話を静かに聞いていたシミリアーナだったが突然、口を開いた。


「でもそれだけじゃ、まだルードが裏切り者だって分からないじゃない? 裏切ったのは配下の可能性もまだあると思うんだけど? それに何でルードと魔王狩りが奴隷契約を結んでいると思ったの?」


 シミリアーナの言葉に頷き、オレリーは返答した。


「私の配下には……【気配消去】のスキルを持っている者がいます」


 オレリーの言葉に皆が驚き、一斉に立ち上がった。


「【気配消去】のスキルだと!? そんなの聞いてないぞ!?」

「何故、言わなかったのだ?」

「【気配消去】のスキルって言えば、完全に気配を消してどんな感知魔法やスキルにもバレないっていうレアスキルじゃない?! アンタなんで黙ってたの? そんなのが配下に居るんなら報告するべきじゃないかい?」


 皆が怒るのも当然だった。気配を消す事が出来るということは、どこにでも潜ませる事が可能だということだ。今この場にいてもおかしくない。どんな情報でもオレリーには筒抜けになる可能性がある、ということなのだ。


「申し訳ございません。何かあった時のために隠していました。ですが、今回は隠している場合ではないと思ったため明かしました」


 皆が落ち着いたのか、席に座る。


「もうお分かりだと思いますが、私はその配下にメディスの後を追わせました。その配下の報告によると、道中の森でそこをメディスが通る事が分かっていたかのように、魔王狩りは待ち伏せしていたようです。その後、戦闘が始まり。メディスは敗北。問題はその後でした」


 何故か皆が姿勢を正す。これからのオレリーの話にその場の全員が覚悟を決めた。オレリーが話を続ける。


「メディスが殺されたあと。ルードが姿を現したそうです」

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