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ガルトーヴァ会議

「昨夜、大魔王メディスが魔王狩りに殺されてしまったようです」


 俺たちは早朝から会議室で、衝撃の報告をサリアから聞いた。どうやら、大魔王メディスが魔王狩りに殺されたらしい。

 仲がいいわけではなかった。なんなら敵だった。けど、知ってる奴が死んだんだ。動揺してしまう。


「戦闘の概要は分かりませんでした。現場に行ってはみたのですが、メディスの部下と思われる者たちの遺体と、メディスの遺体がありました。メディスの体は胸部から上とその下とで真っ二つにされていました。戦闘の跡を見るに、そこそこ長い時間戦っていたようです」


 真っ二つ……か……。中々グロいな。まあ、魔王狩りは魔王を恨んでいるらしいし、殺意は凄いだろうな。そして、長い時間戦った跡。メディスは氷の魔法使いだ。魔王狩りも多少、苦戦したのかもな。


「大魔王メディスの氷魔法は、聖剣でも破壊するのが難しいと有名です。魔王様との戦闘時、防御魔法の展開速度から考えると、普通に切られたとは思えません。恐らくですが、魔力無効系のスキルを持っているのではないかと思われます」


 確かに……リオサの言う通りだ。あの時、ルードの速い攻撃にすら、防御魔法を展開していた。魔王狩りは大剣を使うようだし、大剣を振る速度を考えると普通なら防御魔法は間に合うはず……。それか魔王狩りの剣速が異常か、だな。


「魔王狩りの情報は手に入りづらいです。奴は魔王を狩る時にしか表に出てきません。生きていれば外に出る事なんて、いくらでもあるはずです。が、魔王狩りの目撃情報はありません。まるで魔王を狩る時にだけ現れる亡霊のような男です」


 不思議な存在だ。目撃情報が0だなんて。恐らく、見た目を変える系の道具か何かを持っているのだろう。それしか考えられない。


「本当の強さも謎っスからね。魔王が倒される所を目撃した者もいないっス。奴と戦って生存した者は大魔王ルードだけっスからね」


 奴は魔王関係者しか殺してないらしい。どうやら、狙うタイミングをどこかから伺っているのか、魔王関係者ではない一般人の目撃者も0との事だ。そして、一般人を殺したという話もない。奴は徹底して魔王関係者のみを殺している。どんな奴かは知らないが、その話だけで一般人に奴を支持する人が現れるのも頷ける。正義の味方に見えるのだろう。俺たち【魔王】は本来、悪者サイドなんだから。


「そういえば、現場はどこだったんだ? もしかして近い?」


 近い場所で起こったなら、俺たちもそろそろ戦う覚悟をしなきゃいけなくなる。できれば戦闘を避けるために話し合いたいけど、話に応じるような奴ではなさそうだ。


「場所はサステメルシンとガルトーヴァの中間辺りの森の中です。何故、大魔王メディスとその部下たちがそこに居たのかは謎です。ただ、サステメルシンの住民に聞いたところ、大魔王メディスは連日荒れていた、との事です」


 中間の森に、荒れていたメディスが部下たちと……夜中に?しかも、地図を見た感じ真っ直ぐこっちに向かっているような……。もしかして、俺たちに攻撃をしかける予定だったのか?いや、もう死んだんだ。今はそんな事より、結構近めの場所に魔王狩りが居たということを考えるべきだな。


「結構近いな……。そこに魔王狩りが居たんなら、絶対にガルトーヴァに来るだろうな」


 俺がそう言うと、サリアが首を横に振った。


「いえ、まだわかりません。調べていて分かったのですが、奴は何も考えずに魔王を殺して回っているようには思えないのです。魔王が殺された場所はバラバラで、広がっていくように殺している、というよりは点々と殺しています。恐らくですが誰かに指示されている、もしくは誰かから情報を貰っているのだと思われます」

「誰か?」


 サリアの表情が険しくなる。もしかしたらサリアはその『誰か』が分かっているのかもしれない。


「サリア、聞かせてほしい」


 サリアが頷く。


「はい。これは確定情報ではございません。ですが、殺された魔王には共通点があるのです。それは――」


 それは?


「ルードに敵意や害意を持っていた者たちでした」


 他の魔王は知らないけど、メディスがルードに敵意……?あいつ信じられないくらいボコられて、怯えてたよな?それなのに敵意を持つなんてあるのか?


「大魔王メディスはガルトーヴァに攻撃を仕掛けようとしていたと思われます。そこがルードの逆鱗に触れてしまったのでしょう」


 なんでだ?ガルトーヴァとルードには何も繋がりがないはず。もしかして、俺が入る前の魔王ユリウスとルードには繋がりがあったのか?


「魔王様は大魔王ルードのお気に入りなのだと思われます」


 え!?俺がルードのお気に入り!?俺ってもしかして、ルードに狙われているのか!?


「顔に出過ぎです、魔王様。そういう意味ではございません。大魔王ルードはワクワクする事が大好きで有名なのです。自ら公言するほどに。そして、恐らくですが魔王様に何かしらのワクワクを感じたのでしょう」


 サリアに冷静に突っ込まれる。

 なるほどね、そう言うことか。


「でも、それっておかしくねぇか? 何で魔王狩りが大魔王に協力すんだ? その話が本当なら魔王狩りは大魔王ルードの配下って事になるんじゃねぇか?」


 レオの言う通りだ。魔王狩りは魔王を恨んでいるのは有名な話。そんな奴が魔王……それも大魔王に協力するなんてありえない。


「それは私も不思議に思いました。ですが、間違いなくそこの2人は繋がりがあると思われます」


 確か、ルードは過去に魔王狩りと戦闘した時に倒せそうだったけど、逃げられたって話だったよな?もしかして、逃げられたんじゃんなくて――


 逃がしたんじゃないか……?

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