メディスvs魔王狩り
「クソがァァ!!!」
ルードの野郎とユリウスとかいうゴミ共がぁ……俺様を馬鹿にしやがって……!
チッ!イライラし過ぎて部屋を氷漬けにしちまった。あのゴミ共のせいで、俺の信用はガタ落ちだ……!嫌な気分だ。周りの奴らが俺を馬鹿にしてるように感じる。そのせいで、余計にイライラする。
「メディス様。よろしいでしょうか?」
部下が扉をノックする。どうやら出来たらしい。
「はい。いいですよ」
攻撃の準備が……。
「精鋭部隊を集めました。人数は17人ほどです」
「わかりました。十分です」
私を含めて18人。それだけいれば、ガルトーヴァを滅ぼせるでしょう。ユリウスの野郎は恐らくだが、ステータスが高い。殴られて分かりましたが、信じられない威力だった。氷の防御魔法を使っていなければ、私も1発でやられていたでしょうね。グランテレスは雑魚だが、頑丈な奴です。だが、あの威力なら1発でやられたのも頷ける。
今ならわかる。魔王ユリウスは強い。そして、これから絶対に私の邪魔になる時がくる。だからその前に――
「さて……魔王ユリウスを殺しに行きましょうか……」
「ハッ」という部下たちの声。そして、私たちはガルトーヴァに向かった。
「メディス様! 前方で人が道を塞いでいます!」
前方に人?こんな夜中に?ここは森の中だ。こんな時間にここに人間が居るのは変ですね。まあ、どうでもいいか。邪魔なら殺してしまいましょう。森の中ですし問題ないでしょう。
「殺しなさい」
前に居る部下が先行して前に行く。仮に死体が見つかっても魔物のせいだと思われるだろう。こんな時間に森に居る奴が悪いのです。
「うわぁぁ!!」
先行した部下の叫び声が聞こえた。なんです?まさか、負けたのですか?
部下の進行が止まる。
「どうしたのです?」
「敵襲です!」
敵襲だと?まさか、私の計画が魔王ユリウスにでも漏れていたのか?それなら丁度いい、ここで殺してしまいましょう。
前方に居た部下が物凄い速さでやられていく。
派手にやられていますね。これが精鋭部隊だなんて恥ずかしいです。ガルトーヴァを滅ぼしたら、部下の育成に力を入れるとしましょう。
「お前の部下は弱すぎないか?」
こいつが部下を?
目の前に現れたのは、先ほどまでの派手な戦い方とは違い、落ち着きのある様子の白髪の男だった。その男の目からは全く感情が感じ取れなかった。
部下のやられかたを見るに大男だと思いましたが、私よりも小さいですね。170センチ後半くらいですか。こんな人、魔王ユリウスの周りに居ましたっけ?新しい仲間ですかね?
「申し訳ございません。部下はこれから教育します」
不思議な奴ですね。言動は落ち着いていますが、目からとんでもない殺意を感じます。もしや、ガルトーヴァの人間ではないのかもしれません。私が過去に実験した人間の親族などでしょうかね?
「部下の教育は諦めてくれ。お前はここで死ぬのだからな」
白髪の男はそう言うと、剣を構えた。
へぇ、面白いですね。俺がここで死ぬ……だと……?
「俺様の部下を殺したくらいで、調子に乗るなよ? ここで死ぬのはテメェだ」
一瞬で終わらせてやる。俺はいつも通り、辺り一帯を凍らせた。
これは躱せないだろ。俺はもう油断はしねぇ。前回それで痛い目に合ったからな。
「弱い奴が調子に乗るから、こうなるんだ」
おかしい。奴の姿が見当たらない。俺の氷魔法は凍らせることは出来ても、消し飛ばす事は出来ない。だから、どんだけ強力な魔法を使っても、敵の姿は残る。アイスドラゴンを使った場合を除いてだが。
「上かッ!」
上に向かって氷の防御魔法を張る。間一髪、なんとか相手の攻撃を止めることが出来た。
「危ねぇなァ!!」
こいつ普通じゃねぇな。かなり強いことがわかる。色んな奴と戦ってきたが、こいつの殺気の消え方は異常だ。まるで、そこに人間がいないかと思ってしまうくらい殺気が消えている。街中であったら気付かない間に殺されてるだろうな。
「テメェ何モンだ?」
絶対にガルトーヴァの奴じゃねぇ。こんなに殺気の扱い方が上手いのは、殺しを専門にしている闇ギルドの奴か、異常なまでに戦闘慣れしている奴か、だ。
「いいだろう。お前は大魔王だからな。名乗ってやる。俺の名はゼクス。魔王を全員殺す者だ」
ゼクス……だと!?まさか、こいつがあの魔王狩りか……!何故、こんな所に魔王狩りがいるんだ?しかもまるで俺がここを通るの知ってたかのように待ち伏せしてやがった。偶然ここに居たというのは考えにくい。考えられるのは魔王ユリウスにこの計画がバレていて、仲間を使って魔王狩りに情報を流したか、俺の部下に裏切りモンがいるか……だな。
まあ、今考える必要はねぇか。こいつを倒せば俺の名が上がるチャンスだ。俺に運が向いてきたみてぇだな。ガルトーヴァへ向かうのはヤメだ。あの有名な魔王狩りが目の前に居るんだ。ユリウスなんてどうでもいい。
「ゼクス。お前の魔王狩り人生はここで終わりだぁ。だって、ここで俺に殺されるんだからよォ!!」




