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冒険者ギルド②

 さっきの騒ぎも終わり、俺はまた受付の前に居た。

 どうやらこの女性が俺の担当になるみたいだし、名前を聞いておこうかな。


「えーと……今更なんですけど、お名前は……?」


 ハっと何かを思い出したかのような反応を見せる受付の女性。


「すみません! 申し遅れました! 私はミルアと申します!」


 とても反応が可愛い。さっきまで緊張してまともに顔を見てなかったけど、よく見ると綺麗な黒髪ロングでぱっちりとした大きな瞳。俺の好みドストライクの顔だった。


「これからよろしくお願いします。ミルアさん」

「はい! よろしくお願いします! 『ユーリウス』様!」


ユリウスだと魔王だとバレかねないから、名前はユーリウスにした。名前はステータス上には出ないので、偽名が使えた。


「冒険者ランクの最高ってSランクですか?」


 異世界ファンタジーとか、ゲームとかだとSランクが一番上な事が多いけど、この世界ではどうなんだろうか。


「はい! Sランクですよ!」


 やっぱりそうか。なら、一応S目指すか。やっぱやるなら最高ランクを目指さなきゃな。


「先ほどの騒ぎで説明をしておりませんでしたので、説明させていただいてもよろしいでしょうか?」

「はい。お願いします!」


 ミルアさんがギルドカードの説明をしてくれた。ギルドカードは身分証明になるらしいのと、ギルドが運営に関わっているレストラン等のお店でカードを見せると割引が効くらしい。そして1番の注目は、ギルドの情報機関だ。ギルドには情報機関があり、ランクに応じて知りたい情報をくれるとの事だ。詳しくは教えてくれなかったけど、ミルアさんの反応を見る感じ、高ランクになると貰える情報は普通に生きている間は絶対に知る事の出来ない情報ばかりのようだ。


 ウチにもサリア率いる諜報部隊がいるけど、ギルド視点の情報も欲しい。情報なんてあればあるだけいい。カードを見ると、名前の横にFという文字があった。多分これが今のランクかな?Fか……Sまでかなり遠いな。


「ユーリウス様なら、Sランクにすぐいけるかもしれませんね! Bランクのタング様を一瞬で倒したのですから!」


 ミルアさんが嬉しそうに話す。俺と結婚しよう。俺が心の中でプロポーズしている間、後ろが騒がしくなっていたのだが、俺は気付いていなかった。


「ユーリウス様は、パーティー等を組む事は考えていますか?」


 うーん。パーティーを組むことは今の所考えてないな~。当分はソロ活動して、ランク上げに躓いたらパーティーも視野……って感じだな。


「今の所は考えていませんね。もしかして、パーティーでしか受けられないクエストがあったりする感じですか?」


 もし、そんなのがあったらパーティー組むしかないかもな。


「いえ、そんなクエストはございません。パーティーを組むメリットとしては、クエストの遂行が簡単になる事くらいですね。単純に人数が増えれば達成も簡単になる。という感じですね。ただ1つ注意点があって、クエストは難易度によって達成時に貰えるランクポイントが変動します。そしてパーティーで達成した場合、ランクポイントは分配されるという形になります」


 なるほど。パーティーの人数が増えれば増えるほど、1人が貰えるポイントが減るのか。じゃあ、あんまり今の俺にはパーティーを組むメリットはないかもしれないな。やっぱりソロでいいか。


「それじゃ俺はソ……」


 俺がソロ活動宣言をしようとした時、後ろからの声に遮られた。


「もちろん、パーティーを組みますよね?」


 ああ、俺は絶対に振り返らないぞ。絶対に絶対……。実は今日、俺は皆に黙ってメルドルに来ていた。言うと皆が「行きたい」と言い出すからだ。


 絹糸のように美しい銀色の毛が、俺の耳をくすぐる。そして、いつも感じる嗅ぎなれた石鹸のようないい匂い。なんで……何でここに居るんだよ――


 リオサさん……!


「えーと……お知合いですか?」


 ミルアさんが戸惑っている。


「はい。『ユーリウス』とは一緒に冒険者になって、パーティーを組もうと約束していたんです。なのに、何故か勝手に先に冒険者ギルドに来てしまったようなのです。ですよね? 『ユーリウス』?」


 こ、怖い……てか何でバレたんだ?俺は朝、森に行ってくると言って外に出た。だから森を探索するのは分かる。けど、この時間にここに居るということは、間違いなく森は探してない。なんなら一直線にここに来たんじゃないか……?


「ね? ユーリウス?」


 リオサさんが、横から顔をグイっと近づけてくる。ホラーゲームを連想させるようなガン開きの眼……とんでもない目力だ……


「はい……ごめんなさい……」


 リオサの圧に耐えられない。しかもさっきからユーリウスという俺の冒険者としての名前を強調している。なんでその名前も知ってるんだよ……


「あぁ! そうだったのですね! それでは冒険者登録をしますか?」


 ミルアさんがリオサに向かって言う。


「ええ、お願いします」


 俺と同じ流れでリオサも冒険者登録をする。俺のソロ冒険者ライフは始まる前に終わりました……。

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