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聖剣③

「すっげぇ……」


 スーラに来た俺はスーラリオに連れられて、宝物庫に来ていた。皆にはガルトーヴァに先に帰ってもらい、俺だけがスーラに来ていた。

 ガルトーヴァとは違い過ぎる……!これが本物か……!


「これが聖剣だ」


 スーラリオが指を指す方を見ると、鞘に収まった刀が置いてあった。

 これは……刀じゃないか?


「これは……刀……か?」


 俺がそう言うとスーラリオが首を傾げた。


「カタナ? なんだそれは?」


 この世界には刀もないのか。いや鞘から抜いてみないと分からないか。


「持ってもいいか?」


 俺が持とうとすると、スーラリオが力強く止める。


「本当に大丈夫か!? これは聖剣だ。もしユリウスの言ってる事が勘違いで、勇者になんてなっていなかったら、タダじゃすまないぞ!?」


 スーラリオは俺を心配してくれているようだ。


「あぁ、大丈夫だよ。見ててくれ」


 俺はそう言うと、聖剣を手に持ち、鞘から抜いた。


「そんな事がありえるのか……?」


 スーラリオが聖剣を持つ俺を不思議そうな目で見る。本来持てないものを持っているというのは不思議な光景なのだろう。


「刀は片方だけに刃がついているんだ。だから反対側では切れない」


 俺はスーラリオに刀の説明をした。




「本当に聖剣を持てるなんてな……」

「嘘だと思ってたの?」

「いや、そう言うわけではないがな……」


 数十年、魔王として生きてきたスーラリオには信じがたい事なのだろう。


「それに聖剣は人を選ぶと聞いた。ステータスが変化していたんだろう? なら選ばれたという事か?」


 そう、俺はこの聖剣を持った瞬間にステータスの変化を感じた。確認してみたら、基礎ステータスがかなり上がっていた。


「うん、多分そういうことだろうね」


 レイドから聞いたことが間違いないなら、ステータスの変化は聖剣に選ばれた証だろう。


「ユリウス。お前は何故、聖剣を持つ? 勇者にでもなるつもりか?」


 スーラリオが俺に問う。


「いや、俺は勇者になるつもりはないよ。一応、対魔王や大魔王に備えて持っとくつもりなだけ」

「そうか。いつ魔王連合から狙われてもおかしくないしな」

「そうなんだよ。この前も大魔王ルードに会ったしね」


 スーラリオが驚きの表情を見せる。


「大魔王ルードに会ったのか!?」

「え? うん。会ったけど……」


 そんなに驚くことか?


「大魔王ルードが、魔王連合の大魔王以外と会うとはな……」

「珍しいことなのか?」


 俺がそう聞くと、スーラリオが答える。


「ああ、かなり珍しい。というか我は数十年、魔王をやっているが1度も見た事が無いし、誰かと会ったという話も聞かない。魔王連合の会議に出ているのは知っているが、誰も本人を見た事が無い」


 そんなのありえるのか?そもそも大魔王ってのは国力と本人の実力で決まる、って話じゃなかったっけ?


「大魔王って国力とかも必要なんじゃないの?」


 スーラリオが頷く。


「あぁ、国力も必要だ」

「じゃあ、ルードも国を持ってるんじゃないの? その国に行けばルードを見られるんじゃないの?」


 俺がそう言うと、スーラリオは首を横に振った。


「大魔王ルードの国は、導かれた者しか行けない、と言われている国だ。どこにあるのかさえも分からない」

「国だよね?そんな事が可能なの?」


 誰にも見つからず、誰も知らない場所なんて不可能だと思うんだけど……


「我もよくわからないんだ。わざわざ探して、敵対視されても困るしな」


 それもそうか。探されるのがルードにとって不愉快な事だった場合、敵対行為になる。大魔王の中でも恐れられてるらしいし、探そうとする方が少ないか。


「勇者ですらも、探そうとしないからな。そんな簡単には見つからないだろうな」


 ルードってそんな凄い奴だったのか。人から聞いて実感した。


「そんな詳細不明な奴が、大魔王になれたんだな」

「そうだな。いつから魔王連合にいるか分からないくらい、昔からいるからな。我が魔王になってから今まで、大魔王ルード以外は入れ替わりが起きている。大魔王ルードだけだ、ずっといるのは」


 ルードって少年のような見た目だったけど、かなり年齢重ねてるんだな。大先輩じゃん。俺めちゃくちゃ少年と話す感じで接してたけど大丈夫だったかな。


「もうそろそろ帰った方がいいじゃないか? リオサに叱られてしまうぞ?」


 スーラリオに言われ、かなりの時間が経っていたことに気付く。


「やべ! それじゃ俺は帰るよ。聖剣はいくらで売ってくれる?」


 俺がそう言うとスーラリオが聖剣を見ながら言う。


「この聖剣は譲ろう。この前のお礼だ。それに我には扱えないし、実は過去に売りに行ったのだが、形が変だからと高く売れなかったのだ」

「まあ、あとはこの聖剣が、ユリウスを選んだからだな」


 こっちの世界の剣を基準にすると、確かにこの形は変なのかもしれないな。


「ありがとう、スーラリオ。また何かあったら言ってくれ。絶対に助けに来るよ」

「ああ、ユリウス」


 今日はルードの事や聖剣の事、色々と収穫があった。俺はスーラリオと固い握手をして聖剣を持って帰った。

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