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レベル上げ

「おいおいおい。この魔物の数は異常じゃねぇか!?」

「流石に多すぎますね……」

「こんなに魔物がいる所、初めて見たっス!」

「皆!気合いを入れろ!」


 俺たちは大量の魔物に囲まれていた。

 話はさかのぼること30分前――




 スーラリオが来て数日が経ったある日。俺たちはレベルを上げるべく魔物の森に赴いていた。


「あんまり魔物いないっスねー」

「そうだねぇ」


 レベル上げをするために魔物を狩りに来たのだが、全く魔物が見当たらない。リオサ曰く、本来なら魔物がうじゃうじゃ出てきてもおかしくないらしい。メルドルの勇者は旅に出たらしいし、全て狩られてるってわけじゃ無さそうだ。


「全然いねぇー。退屈で死にそう」

「おかしいですね……」


 そんな会話をしながら歩いていると遠くで大きな爆発音が聞こえた。


「なんだぁ?今の音は」

「行ってみようか」


 俺たちは音のなる方へ向かった。




「どうやら音は、この崖の下でなっているみたいですね」


 崖の上から下の森を見る。


「ありゃー……なんだ?」

「凄い魔物の数だ。それに、誰か……戦ってる?」


 音のなる方を見てみると、誰かが魔物と戦っていた。


「2人の男の子が、女の子を守りながら戦っているようですね」

「ああ、しかも犬人族の男だ」


 どうやら魔物に襲われているらしい。魔物と全く遭遇しなかったのは、ここに集まっているからみたいだ。


「流石に魔物の数が多すぎるし、どうする? 魔王様。あいつら助けるか?」


 レオの言う通りいくらなんでも魔物の数が多すぎる。俺たちが加勢したところでどうにかなるのか?最悪、皆死ぬかもしれない。

 けど――


「助けよう……そして全員で生きて帰るぞ!」


 俺たちは崖から飛び降りた。

 そこには3人の犬人族がいた。

 白髪のロングヘアで150cm前半ほど。ナモより少しだけ大きい。幼さの残る顔と違って豊かな胸をしている女の子が1人。どうやら怪我をしているらしい。そして、身長が180cm以上はある白髪の男の子が2人。1人は短髪でもう一人は首の付け根くらいまで襟足が伸びている。


「あなたたちは!?」


 犬人族の女の子が話しかけてくる。


「加勢に来た!手を貸すよ!」


 そして冒頭の会話に戻る。




 何気に、俺にとっては初めての戦闘だ。今までは皆がなんとかしてくれたけど、今回は俺も戦わなければいけない。


「リオサ! なるべく火の魔法は火力を抑えてくれ! 火の魔法で木に引火すると大変だ!」

「はい。魔王様」

「レオ! お前は……自由に戦え!」

「よっしゃ! いくぜぇ!」

「ナモはそこの3人をハンマーで守ってくれ!」

「了解っスー!」


 皆に指示を出す。そして俺は全力で戦うのみ。


「大丈夫っスか!?」


 ナモが犬人族に尋ねる。


「すまない! 助かる」


 犬人族の男の1人が答える。


「ウチのそばを離れないでくださいっス!」


 俺たちは、がむしゃらに魔物を狩った。

 【友達の輪】の効果によるステータスの上昇の恩恵を感じた。

 初めての戦闘だけど、かなりやれてる……!

 俺は、自分が思っているよりも遥かに強い。この戦闘を通して、そう実感した。




 周りが静かになり始める。ある程度の魔物は片付いたらしい。


「大丈夫か? 皆?」


 見た感じ皆大丈夫そうだけど、一応聞く。


「問題ありません」

「ぜーんぜん大丈夫」

「大丈夫っス!」


 俺は犬人族に近づく。


「3人は大丈夫か?」


 俺がそう聞くと――


「はい。あなた方のおかげで大丈夫です。助かりました」


 犬人族の男がそう答える。

 怪我をしているが、そんなに深い怪我には見えないし、本当に大丈夫そうだな。

 それにしても何でこの人達は襲われていたんだろう。


「なんであんな数の魔物に襲われていたんだ? 魔物に襲われるのは珍しくないが、あの数の魔物は異常だろ? なんでだ?」


 何か理由があるとしか思えない。


「話せば長くなるのですが……」


 犬人族の男が経緯を話す。




「なるほど」


 どうやら、スキル持ちであるらしい犬人族の女の子は、村で酷い扱いを受けていたらしい。

 それを不憫に思った二人が、彼女を村から助け出したとのことだ。

 そして女の子が怪我をした途端、なぜか魔物が集まってきたらしい。


「スキルを持った人の血を魔物は良く好みますからね。それで魔物が集まってきたのでしょう」


 そうリオサが答える。

 え?俺、初耳なんですけど?


「3人はこれからどうするの? 行くあてとかあるの?」

「それは……」


 口ごもる犬人族の3人。

 若いなー。勢いで村を抜け出したのはいいが、行くあてまでは考えていなかったみたいだ。


「俺たちとくるか?」

「「「え!? いいんですか!?」」」


 あ。そういえば俺が魔王だって言ってなかった。


「あー、その前に自己紹介。俺の名前はユリウス。ガルトーヴァの魔王だ」

「「「はい! よろしくお願いします! 魔王様!」」」


 え?そんなあっさり?


「あのー、魔王なんだけど……驚かないの?」

「はい! さっきエルフの方が魔王様と呼んでいたので!」


 犬人族の女の子が答える。


「あー、そう……んじゃま、よろしくね」

「はい!」


 犬人族の3人が配下に加わり、俺たちは帰路についた。


 一応、ステータスを確認してみるか。えーと……

 レベル15 攻撃力8(+362)魔力5(+239)MP7(+413) 

 称号【魔王】 スキル【友達の輪】【怪力】【魔力消去】 種族【人間】


「なぁ……えーと、3人の名前は?」

「サリアです!よろしくお願いします!」

「俺はロウです、よろしくお願いします」

「レン。よろしくお願いします」


 髪がちょっと長い方がロウで、短い方がレンね。


「よろしく! 3人とも」

「それでさサリアに聞きたいんだけど」

「はい! なんでしょう?」

「この【魔力消去】ってスキルはどんな効果なの?」

「はい! 【魔力消去】は魔力を消す効果があります。例えば、魔力で育つ花があるとして、その花に【魔力消去】を使うとその花は枯れてしまう、という感じです!」


 なるほど。魔力が通っている物の魔力だけを消すって感じか。


「それは例えば、奴隷の首輪とかにも使えるの?」

「はい! 使ったことがないのでわからないですけど、使えると思いますよ!」

「魔法も消したり?」

「はい! 可能です! ですが、飛んできた攻撃魔法を消すのは要注意で、触れなきゃ消せないので一瞬痛みは感じます」

「なるほどね。ありがとう」

「はい! どういたしまして!」


 サリアはそう言うと、俺の前に頭を出した。

 えーと、これはもしかして……頭を撫でてほしいのか?


「えーと……ありがとうサリア」


 そう言いながらサリアの頭を撫でる。


「はい! 魔王様!」


 か、可愛い……!

 その時、俺は気付いてなかった、俺を睨みつけているリオサに……

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